心のサポーター

一条真也です。
厚生労働省が、今年度から「心のサポーター(ここサポ)」の養成を開始します。これは、うつ病などの精神疾患や心の不調に悩む人を支える存在で、精神疾患への偏見や差別を解消し、地域で安心して暮らせる社会の実現につなげる狙いです。いよいよ、心のケアの時代が来ました!

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「ヤフーニュース」より 

 

5月7日配信の「読売新聞オンライン」には、「心のサポーターのなり手には、心の不調を抱える人の家族や友人、同僚らのほか、地域の民生委員や企業の労務管理者などを想定している。研修で精神疾患に関する基本的な知識や対応の仕方を学び、心の不調に悩む人の話し相手になったり、専門機関への相談を勧めたりする。今年度は全国の自治体8か所前後で試験的に研修を実施する。精神疾患に詳しい専門家らが「心のサポーター指導者」となり、研修を担う。研修内容などを精査した上で、24年度から全国で本格的な養成を始める計画だ」と書かれています。

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「読売新聞オンライン」より 

 

また、記事には、以下のようにも書かれています。
精神疾患になると、かつては病院などで生活することも多かった。現在はできるだけ自宅などで過ごす取り組みが進められているものの、差別や偏見は根強い。厚労省はサポーターの養成を通じて、正しい知識を普及させ、地域で安心して暮らせる環境を整備したい考えだ。厚労省によると、精神疾患の患者数は約419万人(17年)。近年は業務上のストレスなどで、うつ病と診断される人も増えている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活苦や孤独などから、心の不調に陥る人が増える懸念も出ている」



さらに、記事には「同様の取り組みでは、自殺の兆候を見つけて話を聞き、専門機関につなぐ『ゲートキーパー』や、認知症の人とその家族を支える『認知症サポーター』がある。05年から養成が始まった認知症サポーターは約1300万人(3月末時点)いる。自治体の住民向け講座を通じて養成し、2033年度末までに100万人の確保を目指す」とありますが、わが社にも認知症サポーターの資格を持った社員がいます。この「心のサポーター」も積極的に取得していきたいと思います。地域社会における心のケアを目指すということなら、人と人とをつなぐ互助会との相性も良いように思います。



長引くコロナ禍でさらに人間関係が希薄になり、孤独感も広がっています。ソーシャルディスタンスで、身体だけでなく心も引き離されているコロナ社会で、心のケアは最優先課題だと思います。そして、特に重要となるのが「グリーフケア」です。現代社会においては、心の問題が大きなものであると多くの人々が認めています。死別という人生最大の喪失を抱えたご遺族へのグリーフケアを行うことは現代社会を健全に保つために不可欠なものです。またグリーフを抱えたご遺族だけでなく、ケアする側のケアも大切であるとされています。心の問題はすべての人に関わる問題であることを忘れてはなりません。

f:id:shins2m:20210508123750j:plain「ふくおか経済」2020年12月号

 

 わたしが座長を務める全互協のグリーフケア・プロジェクトチームでは、いよいよ来月から「グリーフケア資格認定制度」を開始する予定ですが、全国の冠婚葬祭互助会の社員を中心に「グリーフケア士」の養成を目指します。これは、死別をはじめとしたさまざまな悲嘆に寄り添い、うつ病や心の不調を予防するプロフェッショナルであり、同じく今年度から始動する「心のサポーター」との関係性は高いと思います。全国で100万人も養成するなら、各地の互助会との連動も視野に入れるべきでしょう。わたしとしては、「グリーフケア士」が、プロの「ここサポ」と位置付けられるようになればと願っています。それにしても、いよいよ心のケアの時代が到来したと実感します。

 

 

2021年5月8日 一条真也