犬鳴峠

一条真也です。
1日、新入社員の辞令交付式を終えた後、サンレーの石田執行役員の運転する車で福岡県宮若市に向かいました。紫雲閣の建設用地を視察するためですが、その途中で「最凶の心霊スポット」と呼ばれる場所に寄りました。犬鳴峠です。

f:id:shins2m:20200401142742j:plain犬鳴峠

f:id:shins2m:20200401142738j:plain
新犬鳴トンネル

f:id:shins2m:20200401142649j:plain
新犬鳴トンネルをバックに



訪れたのは、犬鳴峠の「新犬鳴トンネル」です。
このトンネルは新しいのですが、古い「犬鳴トンネル」もあります。現在は封鎖されていますが、ブログ「犬鳴村」で紹介したジャパニーズ・ホラー映画に登場します。この「犬鳴村」という映画、当初はあまり観たいとは思いませんでした。というのも、実在の場所を舞台とした物語は良くないと思っているからです。なぜなら、その場所に住む人々への偏見を生み、差別を助長する危険性があるからです。横溝正史の探偵小説を映画化した作品にもそのような側面がありますが、金田一耕助が訪れるのはいずれも山奥とか離れ島のような辺境でした。しかし、映画「犬鳴村」の舞台は、福岡市や北九州市の両政令指定都市から近い福岡県宮若市と同県糟屋郡久山町との境を跨ぐ「犬鳴峠」です。

f:id:shins2m:20200401142810j:plain 旧「犬鳴トンネル」への道は閉鎖されています

f:id:shins2m:20200401142616j:plain
この奥に入ってみたかった!

 

犬鳴峠とはいかなる場所か?Wikipedia「犬鳴峠」の「概要」には、「犬鳴峠という名前は側に位置する犬鳴山から来ている。由来は諸説あり、文献『犬鳴山古実』には『この山を犬啼と呼ぶのは谷の入口には久原へ越える道筋に滝があり、昔 狼が滝に行き着いたが、上に登れないことを悲しんで鳴いていた』と記されている。他にもこの犬鳴山はとても深いため、犬でも越えることが難しく泣き叫んだため犬鳴山と命名された説がある。他にも、律令時代に稲置(いなぎ)の境界線に位置していたことから、次第に『いんなき』と変化していった説がある。筑前方言で犬は『イン』と呼ぶため、『インナキとうげ』とも呼ばれる」と書かれます。



Wikipedia「犬鳴峠」の「犬鳴村伝説」には、「旧犬鳴トンネル近くに、法治が及ばない恐ろしい集落『犬鳴村』があり、そこに立ち入ったものは生きては戻れない」という都市伝説であるとして、「この都市伝説に関しては諸説あるが、概ね以下の内容である。トンネルの前に『白のセダンは迂回してください』という看板が立てられている。日本の行政記録や地図から完全に抹消されている。村の入り口に『この先、日本国憲法は適用しません』という看板がある。江戸時代以前より、激しい差別を受けてきたため、村人は外部との交流を一切拒み、自給自足の生活をしている。近親交配が続いているとされる場合もある」と書かれています。

 

さらに続けて、以下のように書かれています。
「入り口から少し進んだところに広場があり、ボロボロのセダンが置いてある。またその先にある小屋には、骸が山積みにされている。旧道の犬鳴トンネルには柵があり、乗り越えたところに紐と缶の仕掛けが施されていて、引っ掛かると大きな音が鳴り、斧を持った村人が駆けつける。『村人は異常に足が速い』と続く場合もある。全てのメーカーの携帯電話が『圏外』となり使用不能となる。また近くのコンビニエンスストアにある公衆電話は警察に通じない。若いカップルが面白半分で犬鳴村に入り、惨殺された」
もちろん、以上の伝説はすべて事実ではありません。

f:id:shins2m:20200401143722j:plain
犬鳴ダムは桜が満開でした

 

いずれにせよ、このような馬鹿げた都市伝説に基づいた「犬鳴村」というホラー映画を犬鳴峠の周辺に住む方々が観たらどんな気分になるでしょうか。映画化によって差別・いじめなどの問題は起こらないのでしょうか。本気で心配になります。この映画、やたらと「実在の最凶心霊スポット、映画化」などと煽っていますが、映画の中で「この映画に登場する場所は実在の場所とは一切関係ありません」というテロップぐらい流すべきではないでしょうか。それが映画の舞台にされた場所への「礼」であると思います。

f:id:shins2m:20200401143644j:plain犬鳴ダムにて

 

実際に訪れた「新犬鳴トンネル」は少しも怖くありませんでした。これなら、「新型コロナウイルス」のほうがずっと怖いです。それよりも、近くの「犬鳴ダム」の周辺の桜が咲き誇っていて、じつに見事でした。わたしは傘を差して桜を見上げながら、「ああ、もう4月だなあ」とつぶやきました。

 

2020年4月2日 一条真也