新入社員辞令交付式

一条真也です。
4月になりました。小倉でも桜が咲きましたが、あいにくの雨です。1日、サンレー本社での4月度総合朝礼は中止されましたが、10時から 松柏園ホテルで株式会社サンレーの辞令交付式が行われました。

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辞令交付式のようす

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最初は、もちろん一同礼!
 

ブログ「サンレーグループ入社式」でも紹介したように、例年は各地のグループ企業すべての新入社員を一同に集めて合同入社式を行うのですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今年は大幅に規模を縮小して本社新入社員のみを対象とした「辞令交付式」としたのです。

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心を込めて辞令を読み上げました

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心を込めて辞令を交付しました

 

司会は、サンレー人事課の佐野さんが務めました。
「開式の辞」で辞令交付式がスタートし、社長であるわたしは新入社員に辞令を交付しました。わたしはマスク姿で1人ずつ名前を読み上げ、心を込めて交付しました。

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マスクを外して・・・・・・

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社長訓示を行いました

f:id:shins2m:20200401100851j:plain入社、おめでとうございます!

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新入社員のようす

 

その後、わたしはマスクを外して社長訓示を述べました。
わたしは、以下のようなメッセージを伝えました。
入社、おめでとうございます。みなさんを心より歓迎いたします。いつもこの時期になると、社長として、新入社員のみなさんの人生に関わることに対して大きな責任を感じてしまいます。そして、世の中の数多くある会社の中から、わがサンレーを選んで下さって感謝の気持ちでいっぱいです。みなさんと縁をいただき、お会いできて嬉しいです。

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新型コロナウイルスの感染拡大について

 

いま、世界では新型コロナウイルスが猛威をふるい、人類社会が大混乱しています。日本でも各種イベントの自粛、東京オリンピックパラリンピックの延期決定、不要不急の外出自粛、さらには緊急事態宣言が発令される可能性さえあります。みなさんは、大変な時期に社会へ出ていくことになります。きっと、言葉にできないような大きな不安を抱えていることでしょう。わたしは、みなさんの父親のような気持ちでいます。その不安をなんとか解消してあげたいと思います。しかし、安心して下さい。みなさんの人生の選択は大正解です。世間では感染拡大の影響を受け、企業の業績悪化による就職の内定取り消しの動きが広がっているようですが、みなさんは心配する必要はありません。

f:id:shins2m:20200401101040j:plainサンレー は礼業である!

 

ところで、みなさんは「サンレーは何の会社ですか」と聞かれたら、どのように答えますか。多くの人は「冠婚葬祭の会社です」と答えることでしょう。でも、サンレーは結婚式や葬儀のお手伝いだけでなく、婚活支援サービスやグリーフケア・サポートも行っています。ホテルや高齢者介護施設も経営していますし、隣人祭りも多数開催しています。それらの事業はすべて「人間尊重」をコンセプトとしています。そして「人間尊重」をひとことで言うと「礼」ということになるでしょう。そうです、サンレーとは「礼」の実践を生業(なりわい)とする「礼業」なのです。世の中には農業、林業、漁業、工業、商業といった産業がありますが、わが社の関わっている領域は「礼業」です。「礼業」とは「人間尊重業」であり、「ホスピタリティ・インダストリー」ということになります。

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儀式なくして人生なし!

 

このような会社に入った新入社員のみなさんに一番伝えたいことは、儀式の大切さです。平成が終わって令和の時代となりました。時代の変化の中で、さまざまな慣習や「しきたり」の中には消えるものもあるでしょう。しかし、世の中には変えてもいいものと変えてはならないものがあります。結婚式や葬儀、七五三や成人式などは変えてはならないもの。それらは不安定な「こころ」を安定させる「かたち」だからです。儀式は人間が人間であるためにあるものです。儀式なくして人生はありません!

f:id:shins2m:20200401101252j:plain「かたち」があるから「こころ」が収まる

 

人間の「こころ」が不安に揺れ動く時とはいつかを考えてみると、子供が生まれたとき、子どもが成長するとき、子どもが大人になるとき、結婚するとき、老いてゆくとき、そして死ぬとき、愛する人を亡くすときなどがあります。その不安を安定させるために、初宮祝、七五三、成人式、長寿祝い、葬儀といった一連の人生儀礼があるのです。 「かたち」があるから、そこに「こころ」が収まるのです。

f:id:shins2m:20200401102004j:plain人類はなぜ滅亡しなかったか?

 

ですから、感染拡大の不安の中で、あえて今日の辞令交付式を行ったのです。儀式とは、人間を幸せにするためにあります。大古から、人類は葬儀と結婚式を世界各地で行ってきました。それによって、自死の連鎖を防ぎ、家族の形態を維持し、社会を発展させてきました。いわば、人類が冠婚葬祭を発明しなかったら、とうの昔に滅亡していたと言えるでしょう。また、お互いに助け合う「相互扶助」というものがなくても、人類は確実に滅亡していました。

f:id:shins2m:20200401102045j:plain冠婚葬祭互助会は不滅である!

 

すなわち、冠婚葬祭および相互扶助は人類の本能ともいえるものであり、その二大本能に基づく冠婚葬祭互助会は不滅の産業なのです。「何事も陽にとらえる」というのは佐久間会長が唱えたわが社の信条ですが、今回の新型コロナウイルスによるパンデミックを陽にとらえれば、人類史上初めて「世界は1つ」という一体感を得たことでしょう。東京オリンピックも延期されましたが、五輪を「平和の祭典」と呼ぶならば、結婚式だって「平和の儀式」です。

f:id:shins2m:20200401102140j:plain冠婚葬祭は「世界平和」と「人類平等」に通ず! 

 

そう、「結婚は最高の平和」であり、「死は最大の平等」です。冠婚葬祭という営みは、「世界平和」と「人類平等」というこの上なく崇高な理念につながっているのです。冠婚葬祭ほど、みなさんが人生を賭けるに値する素晴らしい仕事はありません。本当は、サンレーグループの新入社員全員にこのことを伝えたかったのですが、現在の状況から仕方ありません。ぜひ、みなさんが生きる未来を、みなさん自身が創造して下さい。本日は、本当におめでとうございました!

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役員紹介のようす

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新入社員紹介のようす

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最後は、もちろん一同礼!

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新入社員退場のようす

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記念写真を撮影しました

 

そして、無言ながら役員紹介と新入社員紹介があり、「閉会の辞」で辞令交付式は終了しました。この日は、例年行われている社歌斉唱、新入社員自己紹介、決意表明・・・すべてありませんでしたが、新入社員が社会人としてのスタートを切るその日に、辞令だけは渡すことができて良かったです。また、社長としてのメッセージを伝えることもできて良かったです。秘書室の鳥丸課長は、「こういう儀式もシンプルで、新鮮な感じがしますね」と言っていました。辞令交付式終了後、新入社員のみなさんと記念撮影をしました。

f:id:shins2m:20190401114142j:plain昨年の新入社員歓迎昼食会のようす

f:id:shins2m:20200331114736j:plain昨年の新入社員歓迎昼食会のようす

 

例年なら、その後は新入社員歓迎昼食会が開かれるのですが、それは中止しました。昨年は、会場内にモニターを設置し、新元号発表のNHK中継を流しました。新元号の発表を一同息をひそめて待っていましたが、「令和」とわかった瞬間、各自が持っていたクラッカーが鳴らされ、大きな拍手が起こりました。わたしはマイクの前に立って、「ただ今、新元号が『令和』と決まりました。『万葉集』に由来する言葉のようですが、きっと美しい日本の文化を大切にしようというような意味だと推察します。美しい日本の文化とは冠婚葬祭のことです。この素晴らしい仕事を選ばれ、本日から社会人となられたみなさん、本当に、おめでとうございます!」と述べました。あれから1年、まさかこんな事態になるとは夢にも思いませんでしたが、愚痴を言っても仕方がない。
何事も陽にとらえて前を向いて進みましょう!

f:id:shins2m:20200401104018j:plain松柏園ホテルの桜の前で

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小倉紫雲閣の桜の前で

 

その後、わが社の冠婚部門の旗艦店である松柏園ホテル、および葬祭部門の旗艦店である小倉紫雲閣の桜の前で傘をさして写真を撮影しました。わたしはかつて、人の一生を桜に例えて、結婚式は満開の儀式、葬儀は散る儀式として、以下のような歌を詠みました。

 

花は咲きやがて散りぬる人もまた  
    婚と葬にて咲いて散りぬる


わたしは、冠婚葬祭業とは「魂のお世話業」だと思います。
これから冠婚葬祭という「結魂」と「送魂」のお世話をする新入社員たちの前で以下の歌を詠んだことがあります。この二首の歌を今年の新入社員のみなさんにも贈ります。

 

日の本の善き人々の魂を 
      結んで送れ若き桜よ

 

2020年4月1日 一条真也