一条真也です。
日本列島は毎日、狂ったように暑いですね。
ブログ「コミュニティセンター化に挑む!」でも紹介したように、わがサンレーでは、紫雲閣の「セレモニーホールからコミュニティセンターへ」の進化を図っています。そんな中、21日の14時から、小倉紫雲閣の大ホールにおいて第1回「友引映画館」が開催されました。上映作品は、ブログ「グッバイエレジー」で紹介した作品です。
コミュニティセンター・小倉紫雲閣の外観
「友引映画館」の受付のようす
大ホールが映画館に早変わり!
上映前の会場。巨大スクリーンを見よ!
「友引映画館」には500名ものお客様が集まって下さいました。最初に、北九州市内のシネコンでも放映中のオークパインダイヤモンドクラブ(ODC)と松柏園ホテル新館「ヴィラルーチェ」のCMが流れました。続いて、サンレーのCM、「禮鐘の儀」および「みんなの紫雲閣ひろば」のプロモーションビデオが流れました。
ODCのCMが流れました
ヴィラルーチェのCMが流れました
サンレーのCMが流れました
「禮鐘の儀」のPVが流れました
「みんなの紫雲閣ひろば」のPVが流れました
わたしが主催者挨拶を行いました
それから、サンレー社長として、わたしが主催者挨拶をしました。ステージに立ったわたしは、こう述べました。
「みなさん、お暑うございます。本日は小倉紫雲閣大ホールで初めて開催致します映画上映会にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。この上映会は、葬儀や告別式の比較的少ない友引の日に、映画を通じてお友だちとの交流を深めていただこうという意味で『友引映画館』と名付けました。ステージに掲げています大スクリーンは横8メートル、縦3・6メートルございますが、今回の上映会に合わせて設置致しました。大きな画面で大いに映画を楽しんでいただければと思います」
続いて、わたしは以下のようにのべました。
「わたしどもサンレーは小倉紫雲閣だけでなくすべての紫雲閣を、単なるセレモニーホールでなく、地域のみなさんの交流の場としてお使いいただくコミュニティホール化を進めています。地域の老人会や発表会、趣味の会などに無料開放したしますので、ぜひお申し出下さいませ。
さて、記念すべき第1回『友引映画館』の上映作品は、北九州市を舞台に小倉出身の三村順一監督がオール北九州ロケで撮影して昨年春に公開されました『グッバイエレジー』です。主演の大杉漣さんが今年2月に急逝したのを受け、映画にも登場した小倉昭和館で5月に追悼再公開が行われたばかりです。大杉さんのほか、石野真子さん、吉田栄作さん、藤吉久美子さんらも出演しています。監督の私小説的な映画で、夢をかなえようと上京して数十年ぶりに北九州に帰郷した監督が、自らの人生を振り返るとともに郷土愛や映画への思いを再認識する人間ドラマです。北九州市内の名所が次々と出てきますので、お見逃しなく!」
さらに、わたしは「上映後には三村監督の舞台挨拶を予定しておりますが、その際には、特別ゲストもお連れいただくことになっております。というのも、次回作である『君は一人ぼっちじゃない』が小倉で撮影中なのです。現在、映画に出演する役者さんたちもみな小倉におります」と言いました。巨大スクリーンの前に立ち、多くのお客様を相手に話をしていると、なんだか自分も舞台挨拶をしているような気分になってきました。
今度は、スクリーンでお会いしましょうね!
一礼して降壇しました
ブログ「映画出演」でも紹介した「君は一人ぼっちじゃない」には、恥ずかしながら、わたしもチョイ役で出演しています。一言だけですが、セリフもあります。わたしがお客様に「今度は、スクリーンでお会いしましょうね!」と言うと、笑いが起きました。最後に「それでは、みなさま、本日はごゆっくりとお楽しみ下さい!」と言ってから、わたしは降壇しました。
映画終了後には三村監督、それから「君は一人ぼっちじゃない」に出演している女優の鶴田真由さんが浴衣姿で来場されました。満員の観客から大きな歓声が上がったのは言うまでもありません。本当は主演の的場浩司さんも来場予定だったのですが、体調不良のため不参加となりました。的場さんにお会いできなかったのは残念でした。
今日の「友引映画館」ですが、さすがに本格的なスクリーンだけあって、小倉紫雲閣の大ホールが立派な映画館に完全に変身。これからも、新藤兼人監督の「裸の島」をはじめとした日本映画の名作、「風と共に去りぬ」「オズの魔法使」「駅馬車」の三本立てによる“1939年映画祭”、「老い」と「死」の映画を一気に上映する“修活映画祭”、さらには死別の悲嘆が癒される作品を集めた“グリーフケア映画祭”など、さまざまな企画が目白押しです。
『死を乗り越える映画ガイド』(現代書林)
拙著『死を乗り越える映画ガイド』(現代書林)にも書きましたが、映画には「死を乗り越える」魔力があります。
古代の宗教儀式は洞窟の中で生まれたという説がありますが、洞窟も映画館も暗闇の世界です。暗闇の世界の中に入っていくためにはオープニング・ロゴという儀式、そして暗闇から出て現実世界に戻るにはエンドロールという儀式が必要とされるのかもしれません。
そして、映画館という洞窟の内部において、わたしたちは臨死体験をするように思います。なぜなら、映画館の中で闇を見るのではなく、わたしたち自身が闇の中からスクリーンに映し出される光を見るからです。闇とは「死」の世界であり、光とは「生」の世界です。つまり、闇から光を見るというのは、死者が生者の世界を覗き見るという行為にほかならないのです。つまり、映画館に入るたびに、観客は死の世界に足を踏み入れ、臨死体験するわけです。わたし自身、映画館で映画を観るたびに、死ぬのが怖くなくなる感覚を得るのですが、それもそのはず。わたしは、映画館を訪れるたびに死者となっているのでした。ということで、世界初の試みである「友引映画館」に、大いにご期待下さい!
2018年7月21日 一条真也拝