「日経おとなのOFF」に登場しました

一条真也です。
今日、「日経おとなのOFF」4月号が届きました。
以前は、檀蜜や橋本マナミあたりを表紙に「美女と行く秘密の温泉」を特集するような妖艶なイメージがあった同誌ですが、現在は女性編集長のもと、すっかりクリーンな印象の雑誌に変貌しています。(微苦笑)
今月号でも「持たない暮らし入門」がメインの特集で、「玄侑宗久に学ぶ『ないがまま』の生き方」などの興味深い記事が掲載されています。


「日経おとなのOFF」4月号の表紙



そしてサブの特集が「40代、50代から知っておきたい葬儀、墓、老前整理、介護・・・大切な人の『イザ』に備える手続き」となっています。18ページにも及ぶ力の入った特集ですが、各分野の専門家がアドバイザーとして登場しています。その顔ぶれは、伊藤寛子さん(整理収納アドバイザー・遺品整理士)、おちとよこさん(ジャーナリスト・高齢者問題研究家)、馬養雅子さん(オフィス・カンノ代表)、市川愛さん(葬儀相談員・終活普及協会理事)、山田静江さん(ファイナンシャルプランナー・WINKS代表取締役)、井戸美枝さん(社会保険労務士)、大高陽子さん(アニコムパフェ・かぞくサービス企画チーム課長)、そして不肖わたくし一条真也の計8人です。
なんと、わたし以外は全員女性であることに軽い衝撃を受けました。いまや葬儀や墓や介護といった「終活」関連のテーマは完全に女性たちの分野になっている観がありますね。男ももっと頑張らないと!
とはいえ、何を、どのように頑張ればいいのか?(苦笑)


「日経おとなのOFF」4月号より



わたしの登場する記事は「『家』の墓から『個人』の墓へ 親と自分の墓支度」というタイトルで、なんと「日経おとなのOFF」の行武知子編集長が直々に書いて下さっています。まことに光栄であります。
「お墓を継ぐ人が減り、実家や自分の墓をどうしたらいいのか迷う人が増えている。一方で、墓石のない埋葬方法も増え、お墓の在り方も変わってきた。これからの『お墓』問題と向き合う方法を考えてみよう」というリードに続き、わたしが「童話『青い鳥』でチルチルとミチルが訪れた“思い出の国”。そこで兄妹は亡くなった祖父母に出会いますが、その思い出の国を形にしているのが『お墓』だと思います」と発言しています。



また、記事には以下のようにも書かれています。
「『残された人が亡くなった人をしのぶ場所としての「墓」があることで、気持ちを切り替えられ、心のバランスが取れるのでは』と、一条さんは考えている。だから『墓は要らない』という風潮は憂えるが、墓の在り方を今の時代に合うよう変える必要性も感じている。
一口に『墓』といっても、今やその選択肢は広い。『自分のお墓をどうしようと考えるようになったのは、そんなに古いことではありません。以前は先祖代々の墓があり、そこに自分も入れば、死後も供養され続けるというのが大きな安心感となってきたからです』。しかし、地域や家意識が希薄になったこと、自分らしい墓や埋葬方法など『個』を重んじるようになったことに合わせて、選択肢が増えてきた。墓の承継者がいなかったり、墓が普段の生活圏とかけ離れたところにあるため、先祖代々の墓に参りたくてもできなかったりという事情も絡む」



さらに、記事には以下のように書かれています。
「墓や埋葬方法の形態の違いは費用にも跳ね返る。一条さんは『お金をかけるかどうかより、気持ちが大切。ただ、墓や納骨堂のような拝む対象がない場合は、何をお参りしたらいいのかという心のよりどころが曖昧になりやすい』と注意を喚起する。これからの埋葬の在り方として、一条さんは『月面葬』を挙げる。『月に遺骨を置くことが可能になり、世界中どこからでも夜空の月に手を合わせれば理想の供養になる』からだ。
親と自分の墓を考えるとき、『残された人に迷惑をかけたくない』と思う人も多いが、『残される側の気持ちもあるので、最初は意見が食い違っても話し合うしかない』と一条さん。まず自分がどんな墓が欲しいかを考えると、親にも話を聞きやすくなる。『墓について考えることは面倒で無駄に見えて、自分のルーツに思いをはせるきっかけにもなります』」


月面葬を実現するエリジウム・スペース社のトーマスCEOと



「日経おとなのOFF」で「月面葬」の話をしてしまいましたが、ビジネスマンを中心とする読者は驚かれたかもしれません。
しかし、ブログ「月へ届ける」でも紹介したように、これまでは荒唐無稽と思われていた月面葬がようやく実現する時代となったのです。



月を見よ、死を想え」(日本経済新聞電子版2015年9月29日)



また、日経といえば、ブログ「月を見よ、死を想え」で紹介したように、昨年9月29日にアップされた日本経済新聞電子版の「ライフ」に連載している「一条真也の人生の修め方」に「月を見よ、死を想え」というコラムを掲載したところ、思いもかけぬ大反響で、なんとアクセス・ランキングで1位になりました。「月面葬」はまさに時代に刺さった葬法であると再認識した次第です。


アクセス・ランキングで1位になりました!



さて、「日経おとなのOFF」4月号には、拙著『墓じまい・墓じたくの作法』(青春新書インテリジェンス)が紹介されています。
墓にしろ、葬儀にしろ、わたしは死者を偲ぶ「こころ」さえあれば、その「かたち」は何でもありだと思っています。そこで、これからは既存のスタイルにとらわれず、自分らしいお墓について考えるということが大切になってきます。先祖代々のお墓を引っ越さなければならないという「墓じまい」や、新たにお墓を造るという「墓じたく」も大切な問題です。この本では「お墓」をテーマにして、その過去、現在、未来に触れながら、「どのようにお墓と付き合うか」という作法についても紹介しました。まだ未読の方は、ぜひ御一読を!


*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年3月7日 一条真也