「リトルプリンス」からのメッセージ

一条真也です。
今日から12月です。今年も、もう残り1ヵ月ですね。
わたしは、 終活WEB「ソナエ」で「一条真也のハートフル・ライフ」を連載しています。「日本の心」や「心ゆたかな生き方」をテーマに月に2回、コラムをお届けしております。その第22回目が本日アップされました。



終活WEB「ソナエ」



第22回目のタイトルは「『リトルプリンス』からのメッセージ」です。
全国公開中の映画「リトルプリンス 星の王子さまと私を観ました。
1943年に出版されて以来、270以上の言語・方言に訳され、1億4500万部以上を売り上げたサン=テグジュペリ不朽の名作『星の王子さま』が初めてアニメ化され、スクリーンに甦りました。レベルの高い学校を目指し勉強漬けの日々を過ごす少女と、若いころ不時着した砂漠で出会った星の王子さまとの思い出を語る老飛行士の交流を、CGアニメとストップモーションアニメを駆使して描いた作品です。



『リトルプリンス』からのメッセージ



コラムには「映画から感じた2つのテーマ」「『死者』とともに生きている」「世界に『人間関係の豊かさ』という大輪を」の小見出しが添えられています。
この映画を観て、わたしが感じたことが主に2つあります。
1つは、この映画は「隣人」をテーマにした映画であるということです。
主人公の孤独な少女は、隣人である老飛行士と心の交流をします。そして、老飛行士が孤独死しそうな状況の中で、彼の命を救います。
わたしが社長を務める会社は、孤独死を防ぐために「隣人祭り」を行っています。その回数は、今や年間600回以上にも及んでいます。そして、その「隣人祭り」は、『星の王子さま』を書いたサン=テグジュペリの祖国フランスで始まったのでした。



また、この映画は「死者」への接し方をテーマにした映画でもあります。
ネタバレにならないように注意して書くと、王子さまがかつて愛したバラのもとへ戻ってみると、バラはすでに枯れていました。王子さまの愛する相手は死んでしまっていたのです。しかし、王子さまは「わすれない」「おぼえておく」ことによって、愛する者は死なないといいます。そして、それこそがメインテーマである「本当に大切なものは目には見えない」に通じるのでした。



涙は世界で一番小さな海』(三五館)が紹介されています



わたしは、かつて『涙は世界で一番小さな海』(三五館)という本を書きました。そこで、『人魚姫』『マッチ売りの少女』『青い鳥』『銀河鉄道の夜』『星の王子さま』の5つの物語は、じつは1つにつながっていたと述べました。ファンタジーの世界にアンデルセンは初めて「死」を持ち込みました。メーテルリンクや賢治は「死後」を持ち込みました。そして、サン=テグジュペリは死後の「再会」を持ち込んだのです。一度、関係をもち、つながった人間同士は、たとえ死が2人を分かつことがあろうとも、必ず再会できるのだという希望が、そして祈りが、この物語には込められています。わたしたちは、大切な人との再会の日までこの砂漠のような社会で生きてゆかねばなりません。ならば、砂漠に水をやり、大輪のバラを咲かせようではありませんか!


次回は12月15日にアップの予定です!



次回の「一条真也のハートフル・ライフ」は、12月15日(火)にアップされる予定です。タイトルは「古代エジプト人の『死』の文化に学ぶ」です。最近とても興味深い本を読みました。『古代エジプト 死者からの声』大城道則著(河出書房新社)です。古代エジプトといえば、ミイラ、ピラミッド、ツタンカーメン、極彩色に彩られた壁画や巨大な石造りの神殿・・・・・・そこには、どこまでも「死」のイメージがついて回ります。古代エジプトは大いなる「死」の文化が栄えていました。万人に必ず訪れる「死」を古代エジプト人たちはどのように考え、どのように受け入れていたのでしょうか。同じ多神教の国である日本をはじめとする他の文化・文明との比較によって、著者は古代エジプトの死生観・来世観の独創性を浮かび上がらせています。次回はそんなことを書きます。どうぞ、お楽しみに!


*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年12月1日 一条真也