儒教ビル街

一条真也です。シンガポールに来ています。
24日の日曜日の午後、わたしは前日から宿泊している「コンラッド・センテニアル・シンガポール」の近くに奇妙なビルを発見しました。なんと、エントランスに大きく「仁」とか「禮」とか書かれているのです。


サンテックシティ

「仁」の文字が見えるビル



そこは「サンテックシティ」というエリアで、国際会議場、多くの企業が入居する高層オフィスビル5棟、巨大ショッピングセンター、レストラン街、映画館、世界最大級の噴水などが入る、大型複合施設だそうです。
わたしは早速、「サンテックシティ」を歩いて訪れました。まず「仁」と見えるビルにたどり着きました。


「仁」のオフィスビル

「義」のオフィスビル

「禮」のオフィスビル

「智」のオフィスビル


すると、なんとその横には「義」「禮」「智」とエントランスに書かれたビルもありました。わたしはコーフンして、次から次にビルを訪れました。それにしても、最先端のオフィスビルの入口に「仁義礼智」と書くとは・・・・・さすがは、儒教国家シンガポールです!


「智」の文字が覗くビル



あと「信」があれば、「仁義礼智信」の「五常」が揃うのですが、どうしても「信」と書かれたビルを見つけることはできませんでした。オフィスビルは5棟あるそうなので、わたしが見落としたのかもしれません。しかし、いくら探し回ってもありませんでした。シンガポールに「信」はないのでしょうか?



しかし、もともと儒教の最重要徳目とは「仁義礼智」の4つです。
孟子の四端説における「仁義礼智」の四徳に対し、前漢董仲舒五行説にもとづいて「信」を加え、「五常」が生まれました。日本では江戸時代に「忠信孝悌」の4つを加えて『南総里見八犬伝』で有名になった「仁義礼智忠信孝悌」が誕生しました。ですから、孔子孟子が重んじたのは、あくまでも「仁義礼智」なのです。



わたしは「佐久間庸和の天下布礼日記」に「こころの一字」を書いています。そこで、「」、「」、「」、「」についても、それぞれ自分の考えを述べています。わたしは、日本でも、このようなハートフル・キーワードを冠したビルが登場すれば素敵だなと思いました。
もし、わたしがオフィスを構えるなら、どのビルへの入居を希望するかですって? もちろん「禮」のビルに決まっているではありませんか!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年5月24日 一条真也