言葉の花束

一条真也です。
ブログ「デビュー25周年」に書いたように、5月20日はわたしの25歳の誕生日でした。それを記念して、「ベスト50レビュアー」こと不識庵さんが、アマゾンにわが処女作である『ハートフルに遊ぶ』のレビューを書いてくれました。かなり長文のレビューですが、それを読んで、わたしは胸がいっぱいになりました。そう、一条真也がハートフルになったのです!



アマゾンにアップされた『ハートフルに遊ぶ』のレビュー



さらには、同時刻にアップされたブログ「不識庵の面影」でも、『ハートフルに遊ぶ』を取り上げてくれました。冒頭には、次のように書かれています。
「最近は週末を中心にブログを書いているのですが、本日はアマゾンのレビュー公開と同時にアップする初の試みです。以下、文章は『同時公開』という性格上、同一です(苦笑)。レビュー自体の読みやすさは、アマゾンをオススメ。視覚的には『不識庵の面影』で!という企画です。あしからず」
この一文を読んで、わたしは非常に驚きました。
そして、感謝のあまり思わず両手を合わせました。


不識庵の面影」より



不識庵さんのアマゾン・レビュー&ブログは、次の書き出しで始まります。
「平成の博覧強記といえば、その書棚が書籍で紹介されている立花隆氏、松岡正剛氏・・・読書を愛する方には、それぞれに偉大な先達がいらっしゃることでしょう。私にとっての『読書の先達』こそ、本書の著者・一条真也氏です。正確を期せば、『読書によって心豊かな人生を歩んでおられる先達』です。その一条氏の代名詞といえば、『ハートフル』の一語に尽きるといっても過言ではないでしょう。この『ハートフル』という言葉は、耳に馴染んだ言葉ですが、一条真也氏が創造された『造語』だということを知る人は意外と少ないのでは・・・。1988年5月20日に上梓された一条氏の処女作である本書の出版以前には、この『ハートフル』という言葉は世界に存在していなかったのです」


不識庵の面影」より



さらに不識庵さんは、次のように書かれています。
「本日、出版から実に満25年、四半世紀という歴史を積み重ねたことになります。もっとも、私の「『一条本』デビューは『ロマンティック・デス〜月と死のセレモニー』に始まります。国書刊行会から上梓された、この「衝撃的な啓蒙書」との邂逅が、私の人生観に計り知れない影響を未だに与え続けています。
ハートフルに遊ぶ』から、ハレー彗星のような『ロマンティック・デス』まで、一条氏の駆け抜けるような執筆活動は、『魂をデザインする〜葬儀とは何か』(対談集/1992年6月)の出版後、突然擱筆されてしまいます。
その後、約10年間の休筆期間を経て、一条氏が執筆活動を再開されたことは周知のとおり。その健筆ぶりには『目を瞠る』ものがあります。
この休筆期間こそ、更なる高みへ飛翔するための『孵化期間』であったことは、執筆再開後の作品自体が雄弁に物語っています」



ハートフルに遊ぶ』について、不識庵さんは、次のように述べます。
「本書から教えられたことは数え切れないほどありますが、
個人的にはp231〜232で紹介されているエピソードこそ、
いま、一条氏が精力的に執筆されている、その原点を垣間見るようでした。
一筆啓上賞で有名な『日本一短い手紙』という企画がありますが、
この一条氏のエピソードには、おそらく日本で、いや・・・もしかしたら、
世界で一番長い『恋文』について綴られています」
あいやー! なつかしいなあ、そのエピソード。
もう、本人もすっかり忘れていましたよ。(笑)
でも、書くという行為に対するわたしの原点は、たしかにあのエピソードにあったかもしれませんね。はい。


不識庵の面影」より



不識庵さんは、新しい本の企画まで提案してくれました。以下の通りです。
「『一条真也』誕生の記念日にあたり、本書を再読しながら、いずれ一条氏に書いていただきたいテーマが浮かびました。
まず、『ハートフル・ブックセルフ〜人間尊重の本棚』(仮称)
博覧強記の書斎公開を兼ねたこころを豊かにする読書案内。
それと、『日光と月光 人間尊重の経営』(仮称)
正しい事業継承のあり方をテーマとした実践的経営論。
魂をデザインする〜葬儀とは何か』の続編が出版されるならば、もう、望外の喜びです。人選を想像するだけで、もうワクワクしてきますね」



稀代の読書家である不識庵さんならではの感性豊かな企画です。わたし自身、大変参考になりました。ぜひ、前向きに検討させていただきます。
ただ、もうすぐ刊行される『死が怖くなくなる読書』(現代書林)は、『ハートフル・ブックセルフ』的な要素があります。つい先程、初校ゲラをチェックしたばかり。
そして、『魂をデザインする〜葬儀とは何か』の続編ですが、これももう少しで、『命には続きがある』(PHP)が刊行されます。東大大学院教授で東大病院部長の矢作直樹氏とわたしの「死」と「魂」と「葬」をめぐる対談本ですが、矢作氏1人で10人分のインパクトがあります。矢作氏とわたしのタッグは、けっこう強力ですよ。プロレスならば、スタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディの「超獣コンビ」といったところでしょうか・・・・・。(笑)


これが謎のレビュアー・不識庵だ!!



プロレスといえば、謎のレビューである不識庵さんは、「仮面貴族」の異名を持つミル・マスカラスですね。その仮面を取った素顔について明かすことはできませんが、一度写真を見せていただいた奥様はすごい美人でした。なんでも奥様は当ブログを愛読されているそうで、不識庵さんが日付が変わる前に就寝してしまう場合、翌朝、彼よりも先に当ブログの最新記事をチェックされているとか。
ブログ「シュガーマン 奇跡に愛された男」を読まれたときは、上映期間終了間近の映画を観るべく、奥様は大の苦手の渋谷の街に出掛けて、夫婦で観賞してくれたそうです。そんな話を聞くと、かたじけなさに涙こぼるる思いです。それにしても、あんな心ゆたかな映画を夫婦一緒に鑑賞するとは、羨ましいかぎりですな。そんなハートフルで仲良しな御夫妻に名言ブログ「プラトン(1)」で紹介した「愛は完全になりたいという願いである」という言葉をお贈りします。



不識庵さんの心あるアマゾン・レビュー&ブログ記事は、どんなに大きくて美しい薔薇の花束にも負けない2つの言葉の花束でした。ちなみに、これまで最もわたしの心に響いた言葉は、ブログ「ブログを休みます」をアップした直後にメールで頂戴した「ハートフル・ブログの2000本の記事は、わたしにとって2000本の薔薇の花束です」という言葉でした。心に沁みました・・・・・。あの一言がなければ、わたしはブログを再開しなかったかもしれません。これからも、一条真也はハートフルな御夫妻に1本でも多くの言葉の薔薇をお届けするべく頑張ります。不識庵さん、いつも本当にありがとうございます。奥様にも、どうかよろしくお伝え下さいね。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年5月21日 一条真也