「教場 Requiem」

一条真也です。
東京から北九州に戻った20日の夜、この日から公開された日本映画「教場  Requiemをローソン・ユナイテッドシネマ小倉で鑑賞しました。ブログ「教場  Reunion」で紹介したNETFLIX映画の後編です。君塚良一の脚本が過剰に素晴らしく、安定の面白さでした!

 

「MOVIE WALKER PRESS」の「解説」には、「数々のミステリー賞に輝く長岡弘樹による小説『教場』シリーズを原作に2部作として映画化。TVドラマシリーズの主演:木村拓哉×監督:中江功×脚本:君塚良一が再集結し、2026年1月1日よりNetflixにて配信開始の前編『教場  Reunion(リユニオン)』に続く後編。木村拓哉演じる風間教官と対峙する第205期生徒キャストに『ネムルバカ』の綱啓永、『#真相をお話しします』の齊藤京子、『ナミビアの砂漠』の金子大地、『リライト』の倉悠貴ほか」と書かれています。

 

「MOVIE WALKER PRESS」の「あらすじ」は、「内部が決して公になることのない、警察学校の実態をリアルに描く同名ミステリー小説を原作とする『教場』シリーズの劇場版2部作の後編。未来の警察官を育てる学校、教場に入学した第205期の生徒たちは、冷酷無比な鬼教官、風間公親による厳しい訓練に耐えていた。それぞれが抱える闇と秘密が暴かれ、退校する生徒が出てくるなかで、風間による生徒への追及は続く。真鍋、洞口、木下の三角関係や、追い詰められた妹を庇う初沢、怪しげな行動をする氏原など学校内で様々な動きがある一方、囚われた十崎の妹の行方を追う風間教場の卒業生たちは、誘拐犯が第205期生の卒業式でなにかを起こそうと企んでいることを突き止める」となっています。

 

「教場  Requiem」は、警察学校の内部を描いた長岡弘樹の小説を原作としたドラマシリーズの映画版の2部作の後編です。前編となる「教場  Reunion」では、警察官を育成する教場を舞台に、どんなささいなうそも見抜く教官・風間公親のもとで第205期生徒が鍛え上げられる一方で、風間の身に危機が迫ります。未来の警察官を育成する学校である教場。教官の風間公親(木村拓哉)は生徒たちのどんなささいなうそも見抜き、門田陽光(綱啓永)や矢代桔平(佐藤勝利)、星谷舞美(齊藤京子)ら第205期生徒たちの前に立ちはだかります。しかしそのころ、風間の身にある危機が迫っていたのでした。

 

「教場」は2020年1月4日・5日に2夜連続で、フジテレビ開局60周年特別企画としてドラマ版がフジテレビ系列で放送されました。登場人物は原作の同名人物の設定を踏襲しながらも、年齢や性別の変更、別の人物の設定を取り入れるなど、原作とは異なる部分が多かったです。2021年1月3日・4日に続編「教場Ⅱ」が「新春ドラマスペシャル」枠で放送。2023年4月10日から6月19日まで、フジテレビ開局65周年特別企画として「風間公親 教場0」と題し、連続ドラマが「月9」枠で放送。風間公親の警察学校赴任の前日譚が描かれました。その後、6月26日に特別編が放送さています。そして、2026年に映画『教場III』として、前編がNETFLIXで、後編が劇場公開されたわけです。最近では、珍しいメディア・ミックスですね。

 

 

木村拓哉が演じる主人公・風間公親(かざまきみちか)は、神奈川県(原作ではT県)の警察学校の教官です。40代半ばで警察学校に異動後、初任科第94期短期課程の担当教官を務めました(第6作『新・教場』)。50代のとき、初任科第98期短期課程で病気のため休職した植松に代わり、途中から担当教官になりました(第1作『教場』)。白髪、右目は義眼。道場の裏手にある花壇で百日草をマメに世話しています。地域警察の授業を担当。原作では物腰が柔らかく、学生を恫喝するようなことはしないのですが、ドラマではそうでもないですね。彼観察力に優れ、学生の動向を良く見ています。警察学校に来る前は、T県警本部刑事部で刑事指導官をしていました(第3作『教場0 刑事指導官・風間公親』)。「風間道場」と呼ばれる育成システムで、多くの優秀な刑事を育てました。

 

「教場  Requiem」には、第205期の生徒役で綱啓永、齊藤京子、倉悠貴、佐藤勝利、猪狩蒼弥、中村蒼らが出演するほか、2020年放送の「教場」から第198期卒業生役の大島優子、川口春奈、三浦翔平、味方良介、21年放送の「教場Ⅱ」から第200期卒業生役の濱田岳、福原遥、目黒蓮、23年放送の「風間公親 教場0」から風間道場門下生役の赤楚衛二、白石麻衣、染谷将太、風間の“裏のバディ”である柳沢役の坂口憲二が再登場しています。これ以上ないほど豪華な出演陣ですが、30分ほどの短いドラマが4つか5つ重なった感じで、まったく飽きません。

 

「教場」は、基本的にはミステリー・ドラマです。なので、ネタバレになるのを防ぐため詳しいストーリーは書きません。でも、この「教場  Requiem」がシリーズ最終作かと思ったら、ラストがまたまた不穏な終わり方でした。この先も続くことが示されて、ちょっと驚きました。終盤には、卒業式のシーンが登場します。厳しかった風間教官が卒業する1人1人と敬礼し合い、握手するところは泣けます。風間が1人1人にかける言葉の内容にも温かさを感じました。この感動的な卒業シーンを見て、わたしはアメリカ映画「愛と青春の旅だち」(1982年)で描かれた海軍士官学校の卒業式を思い出しました。卒業式ほどドラマティックなものはありません。ちなみに、わたしは葬儀を「人生の卒業式」だと考えています。葬儀といえば、ブログ「ほどなく、お別れです」で紹介した日本映画が本作と同時上映されていますが、ともに東宝の作品ですね。



「教場  Reunion」を観たときと同様、警察学校における礼儀の描写が興味深かかったです。警察学校は軍隊のように規律を重んじるのですが、そこで交わされるお辞儀が非常に浅いのです。生徒が教官とも会釈のような浅い礼を交わすのですが、わたしのようにホテルや冠婚葬祭の仕事をしていると、かなり違和感をおぼえました。これには、いくつかの理由が考えられます。1つは、警察学校という厳しい訓練環境で、効率を重視しているためです。また、通常の式典などで行われる「最も丁寧な敬礼」とは異なる、訓練や日常業務における「簡略化された敬礼」が用いられているためです。

イラストでわかる 美しい所作・振る舞い

 

警察学校の訓練では、常に時間との戦いです。1つ1つの動作を素早く、正確に行うことが求められます。そのため、敬礼も「型崩れせず、かつ迅速に」を重んじているのではないかと思われます。警察学校では、敬礼の角度や動作について厳しく指導されますが、それは「美しさ」よりも「実用性」を重視するはずです。実際の現場での迅速な対応を想定し、素早い動作を重視するのです。そこでは反復練習が重視され、何度も繰り返す訓練の中で効率的な動きが定着します。わたしは礼法家だった父の影響でお辞儀にはうるさく、イラストでわかる 美しい所作・振る舞い(メディアパル)という監修書もありますが、「教場」シリーズで描かれた警察礼式は違和感をおぼえつつも、興味深く感じました。

 

 *よろしければ、佐久間庸和ブログもお読み下さい!
https://tenkafurei.hatenablog.com/

 

2026年2月21日  一条真也