一条真也です。
ハリウッドリポーター・ジャパン配信のヤフーニュースの記事で知ったのですが、俳優のトム・クルーズが現地時間12月11日、米ロサンゼルスのカルバーシアターにてブログ「国宝」で紹介した大ヒット日本映画の特別上映会を主催したそうです。上映会には李相日監督も登壇し、第98回アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品に選出されている「国宝」をアメリカの観客にお披露目しました。
ヤフーニュースより
映画の上映前には、トム・クルーズが「本当に並外れた作品です。大スクリーンで観るべき、非常に特別な映画ですよ」と熱弁。そして、「類まれなる才能をもった監督を紹介します」と呼びかけると李相日監督が姿を現し、クルーズと固い握手を交わしました。その後、トム・クルーズはかつて「ラスト サムライ」(2003年)で共演を果たし、「国宝」に歌舞伎の看板役者・花井半二郎役で出演している渡辺謙について、「彼は、すばらしい俳優です。非常に才能があり、とても寛大な方です」と絶賛しました。さらに、「僕は日本に何度も足を運んでいて、国の歴史についても学んでいます。歌舞伎の劇場にも訪れました」と語りました。
続けて、クルーズは観客に向けて「『国宝』の内容についてネタバレはしません。とにかく僕が伝えたいのは、李相日監督にはすばらしい才能があり、観客の皆さんは今から渡辺謙さんの圧巻の演技を目の当たりにするということです。本作に出演する俳優は、一人ひとりが際立っています。製作者の方々は、歌舞伎というすばらしい芸術の世界へと誘う本作のために、4年かけて準備をしました。渡辺謙さんは、この役のために非常に長い間準備をされています。僕自身は、『ラスト サムライ』のために2年を費やしました。そして、ヒロ(真田広之)さんや渡辺謙さんと数か月間ともに過ごしたんです。でも『国宝』の出演者の方々は、役のために18か月間かけて準備されました。本当に優れた日本の若手俳優の方々の演技に、目を見張ることでしょう」と語りました。
『「鬼滅の刃」と日本人』(産経新聞出版)
吉田修一原作の映画「国宝」は、上方歌舞伎の名門に迎えられた任侠の血を引く青年・喜久雄(吉沢亮)と、華麗なる血筋を継ぎ、将来を約束された御曹司・俊介(横浜流星)がライバルとして火花を散らし、互いの芸を磨き合いながら、それぞれの人生を劇的に変化させていくさまを描いた物語です。日本では2025年6月6日に公開され、11月24日までに興収173億7,739万4,500円を突破し、実写邦画の歴代興収1位にランクインする大快挙を達成しました。じつはわが最新刊『「鬼滅の刃」と日本人』(産経新聞出版)の中には「『国宝』と日本人」という一章があり、おかげさまで好評を頂いています。同書は発売と同時に増刷が決定し、まさに今日、増刷のゲラを校正し、「国宝」の興収についての情報もアップデートしたばかりでした。
トム・クルーズと渡辺謙が共演した「ラスト サムライ」は、エドワード・ズィック監督のアメリカ映画です。明治維新直後の日本。政府は軍事力の近代化を図ろうと西洋式の戦術を取り入れることを決断。一方で前時代的な侍たちを根絶させようと企んでいました。やがて、政府と発展著しい日本市場を狙うアメリカ実業界との思惑が一致、政府軍指導のため南北戦争の英雄ネイサン・オールグレン大尉(トム・クルーズ)が日本にやって来ます。彼はさっそく西洋式の武器の使い方などを教え始めるが、ある時、政府に反旗を翻す侍のひとり、勝元(渡辺謙)と出会いました。そして、彼ら侍たちの揺るぎない信念に支えられた“サムライ魂”を感じ取った時、オールグレンはかつての自分を思い出していきます。
トム・クルーズは渡辺謙からの手紙がきっかけで「国宝」を鑑賞したそうです。感動した彼は自主的にハリウッドで特別上映会を開いたのでした。2人の偉大な俳優の友情と映画愛には感銘を受けますが、もう1人忘れてはならない人物がいます。ブログ「さらば愛しの映画監督よ」で紹介した原田眞人監督です。原田監督は俳優として「ラストサムライ」に出演しているのです。日本の大臣で実業家でもあった大村松江を演じました。大村は正規の軍人ではなく農民だらけの軍隊の育成の契約をしに渡米したのですが、原田監督の演技は見事でした。今夜は、日本映画界が誇る名匠・原田眞人監督を偲んで「ラスト サムライ」をUーNEXTで観ようかと思います。それにしても、トム・クルーズと原田眞人の記事を同じ日に目にしたのは不思議。まさに、シンクロニシティ!
在りし日の原田眞人監督と
*よろしければ、佐久間庸和ブログもお読み下さい!
2025年12月13日 一条真也