一条真也です。2月になりました。1日の午前8時45分から、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールにて、サンレー本社の総合朝礼を行いました。
総合朝礼前のようす
最初は、もちろん一同礼!
社歌斉唱のようす
登壇して社長訓示を行いました
一同礼の後、全員で社歌を斉唱しました。
その後、社長訓示の時間となり、わたしが登壇しました。わたしは、まず、「この前、年が明けたと思ったら、もう2月です。本当に時間が過ぎるのは早いですね。一昨日の1月30日、黒崎紫雲閣が新しく生まれ変わりました」と言いました。それから、「たった今、嬉しいLINEメッセージが届きました。本屋大賞作家の町田そのこ先生が吉川英治文学賞の候補になられたのです。わが社にも町田ファンが多いですが、これはみんなで受賞を祈りましょう」と言いました。それから、以下のような話をしました。阪神・淡路大震災から30年目となる1月17日は、待ちに待った映画「君の忘れ方」の全国公開日でした。わたしが18年前に書いた『愛する人を亡くした人へ』を原案とした、グリーフケアのドラマ映画です。主演が坂東龍汰さん、ヒロインが西野七瀬さんと、当代一の人気コンビが熱演し、各地で大きな話題を呼んでいます。
グリーフケアについて語りました
サンレー本社のある北九州では、公開翌日の1月18日に、シネプレックス小倉で上映会&舞台挨拶が行われました。ありがたいことに、同館オープン以来の超満員だったそうです。18年前に『愛する人を亡くした人へ』を書いたときは誰も「グリーフケア」という言葉を知りませんでした。でも、今は知らない人は少ないです。あのとき、わたしは孤独でしたが、今は孤独ではありません。「わたし」から『わたしたち』へといった大きな変化を感じています。また、「わたしたち」というのは生きている人だけではありません。亡くなっている死者も含みます。わたしたちは、死者によって支えられ、死者とともに生きています。昨年9月20日に佐久間名誉会長が亡くなりましたが、この映画が完成することを楽しみにしていました。きっと、上映会では一緒に映画を観たことと思います。
「月あかりの会」について語りました
熱心に聴く人びと
舞台挨拶では、原案者であるわたしが登壇。MCを務めた映画プロデューサーの益田さんが「映画の中にも登場した『月あかりの会』は、実際に存在されているとも伺いました」との発言がありました。わたしは、「サンレーでは2010年に遺族の会 『月あかりの会』を発足させ、連動して集いの場所『ムーンギャラリー』を開設しました。グリーフケアには、 同じ思いの人たちが集まれる場が提供されることが大切で、同じように大切な方を亡くされた方々と安心して安全に語り合うことが重要です」と言いました。
同じ体験をした方々の集う場所を提供
延べ17502名様の会員数となった「月あかりの会」には、わが社で葬儀をされた方を中心に参加していただき、アロマテラピーやカウンセリング、ヒーリングミュージックなど「癒し」のお手伝いをしています。合同慰霊祭や体操、カラオケなどのカルチャー教室をはじめ、セミナーや講演会などを企画・実施する「学び」。バスハイクなど、旅行やレクリエーションを通し、和やかに楽しむ「遊び」などを行います。遺族の会では愛する人を亡くしたという同じ体験をした遺族同士の交流の中で少しでも自分の「想い」や「感じていること」を話すことが出来る場を提供することが出来ました。
愛する人のいない生活への適応を
ひとりひとり喪失の悲嘆に対しての感じ方は異なりますが、同じ体験をしたという共通点を持ち、お互いに尊重しあい、気づかう関係性となっています。また交流を行う場の提供により「愛する人を喪失した対処から、愛する人のいない生活への適応」のサポートにもなっていると感じています。施設の中ではそれぞれが交流しやすいようにフラワーアレンジメントや囲碁や将棋など趣味や興味のあることが行えるようにしており、それぞれが交流しやすい場となっています。この「月あかりの会」は、上場企業である燦ホールディングズの公益社さんの「ひだまりの会」に多くを学ばせていただきました。その感謝の想いを込めて、わたしは同社の播島社長に手紙をお出ししました。
「月あかりの会」の存在意義について
熱心に聴く人びと
「月あかりの会」は、すでに15年もの活動を続けていますが、最初の頃に参加された方は新しく参加された方へのケアのお手伝いをしたいなど新しい目標を見つけ、生きがいとなっている方も増えてきています。葬儀の現場を見てみても、地方都市においては、一般的に両親は地元に、子息は仕事で都市部に住み離れて暮らす例が多く、夫婦の一方が亡くなって、残された方がグリーフケアを必要とれる状況を目の当たりにすることが増えています。この他には亡くなった方を偲び、供養のお手伝いとして毎年地域ごとに分かれセレモニーホールを利用して慰霊祭を行い、一周忌・三回忌を迎える方に参加していただいています。
いま、新しい「縁」が生まれている!
「月あかりの会」を運営して気づいたのは、地縁でも血縁でもない、新しい「縁」が生まれていることです。会のメンバーは、高齢の方が多いので、亡くなられる方もいらっしゃいますが、その際、他のメンバーはその方の葬儀に参列されることが多いです。楽しいだけの趣味の会ではなく、悲しみを共有し、語り合ってきた方たちの絆はそれだけ強いのです。「絆(きずな)」には「きず」という言葉が入っているように、同じ傷を共有する者ほど強い絆が持てます。たとえば、戦友や被災者同士などです。「月あかりの会」のような遺族の自助グループには、強い絆があります。そして、それは「絆」を越えて、新しい「縁」の誕生をも思わせます。
最後に道歌を披露しました
この悲嘆による人的ネットワークとしての新しい縁を、わたしは「悲縁」と呼んでいます。寺院との関係が希薄になっているいま、紫雲閣を各地に展開するわが社は、コミュニティホールの機能を担うことができますし、また、担っていかなければいけないと思います。そして、そのコミュニティを支えるものは「悲縁」となるのです。そして、わたしは以下の道歌を披露しました。
亡き人を想ふ集ひの月あかり
悲しみこそが絆となれり(庸軒)
「今月の目標」を唱和
最後は、もちろん一同礼!
その後は「今月の目標」を全員で唱和し、最後はもちろん「一同礼」で総合朝礼を終えました。この後は、恒例の北九州本部会議を行います。コロナ禍以降も、わが社は黒字の確保はもちろん、ベストを尽くして走ってきました。おかげさまで昨年は創業以来最高益を出すことができました。今年も、1月から全部署が予算達成という好調なスタートを切ることができました。全社員の「こころ」を1つにして、このまま最後まで前向きに走り抜きたいです!
2025年2月1日 一条真也拝