営業責任者会議

一条真也です。
9日の午後から、サンレー本社で サンレーグループ全国営業責任者会議が開催されました。16時半からは社長訓話の時間でした。

f:id:shins2m:20190909171758j:plain最初は、もちろん一同礼!

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表彰のようす

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営業責任者会議のようす

 

訓話に先立って、営業部門の各種表彰を行いました。わたしは感謝の念を込めて、表彰状や金一封を表彰の対象者の方々にお渡ししました。表彰式が終わると、わたしは60分ほどの社長訓話をしました。まず、ブログ「史上最大の『お別れ会』」で紹介したジャニー喜多川氏の「お別れ会」について話しました。東京ドームが会場でしたが、同所でお別れ会が開催されるのは初めてで、祭壇や遺影のサイズも巨大でした。二部制で合計約9万人が参列しましたが、空前のスケールといえよう。ジャニー氏はショービジネスを知り尽くした男ですが、「お別れ会」こそは人生最後にして最大のショーであることを再確認しました。

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家族葬」の定義が変わった! 

 

7月12日には、ジャニーズ事務所所有のビルで「家族葬」が行われました。ジャニー氏は、自らがプロデュースした約150人のタレントたちに見送られました。会場は、ジャニーズJr.の稽古場で、祭壇や照明、音響などはタレントたちやスタッフが出来る限り自らの手で準備したそうです。150人の「家族葬」ともいうのも前代未聞でしょう。そもそも「家族葬」などという言葉が誤解を招くもとになっていますが、故人は家族だけの所有物ではありません。友人や知人や周囲の人々との縁や絆があって、はじめて故人は自らの「人生」を送ることができるのです。ジャニー氏の「家族葬」は従来の「家族葬」の定義を一変する画期的なセレモニーでした。常に時代を創ってきた男が、最後に新しい「葬」のカタチを示してくれました。アメリカ文化の影響が強かった同氏にとっては、「家族」よりも「ファミリー」の方が大切だったのかもしれません。

f:id:shins2m:20190909164353j:plainコミュニティセンターについて

 

それから、ブログ「北九州市災害時支援協定調印式&記者会見」で紹介した北九州市と株式会社サンレーの間で結んだ「災害時における施設の使用に関する協定」についてお話しました。協定の締結は「NHKニュース」のトップでの報道をはじめ、ほとんどの全国紙でも大きく扱われました。北九州市民の方々の反響と期待も想像以上に大きいです。「葬儀をする施設」から「葬儀もする施設」へ。セレモニーホールからコミュニティセンターへ。互助会の理念である『相互扶助』の実現をめざして、そして地域に不可欠な施設としてこれからも地域に貢献させていただきたいと願っています。

f:id:shins2m:20190909165145j:plain「修活」について話しました 

修活読本 人生のすばらしい修め方のすすめ

修活読本 人生のすばらしい修め方のすすめ

 

 

それから、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが慶應義塾大学大学院で修活関連のサービスを作っているニュースを紹介し、ブログ『修活読本』で紹介した本の内容を説明しました。人生は100年を迎えています。高齢会員の多い互助会とは巨大な「修活クラブ」でもあります。わたしは、「終活」の代わりに「修活」という言葉を提唱しています。

f:id:shins2m:20190909165259j:plain死生観を持つお手伝いを! 

 

「修生」とは文字通り、「人生を修める」という意味です。そして、人生を修めるための活動が「修活」です。究極の「修活」とは死生観を確立することではないでしょうか。死なない人はいませんし、死は万人に訪れるものですから、死の不安を乗り越え、死を穏やかに迎えられる死生観を持つことが大事です。そのためのお手伝いをさせていただきたいものです。わたしは、『修活読本』を、ぜひ営業活動の参考にしてほしいと営業責任者のみなさんに訴えました。

f:id:shins2m:20190909174314j:plainグリーフケア」について話しました 

グリーフケアの時代―「喪失の悲しみ」に寄り添う
 

 

それから、 ブログ『グリーフケアの時代』で紹介した本の内容を説明し、グリーフケアについての基本的な話をしました。「グリーフケア」とは一般に「悲嘆からの回復」という意味で使われます。「悲嘆」といっても、さまざまな種類がありえます。上智大学グリーフケア研究所の特任前所長である髙木慶子氏は、以下のように「悲嘆を引き起こす七つの原因」というものを紹介しています。1.愛する人の喪失、2.所有物の喪失、3.環境の喪失、4.役割の喪失、5.自尊心の喪失、6.身体的喪失、7.社会生活における安全・安心の喪失。以上の7つです。

f:id:shins2m:20190909170349j:plain「悲嘆を引き起こす7つの原因」

 

わたしたちの人生とは喪失の連続であり、それによって多くの悲嘆が生まれています。東日本大震災の被災者の人々は、いくつものものを喪失した、いわば多重喪失者です。家を失い、さまざまな財産を失い、仕事を失い、家族や友人を失ってしまいました。しかし、数ある悲嘆の中でも、愛する人の喪失による悲嘆の大きさは計り知れないといえるでしょう。グリーフケアとは、この大きな悲しみを少しでも小さくする行為です。

f:id:shins2m:20190909170436j:plain多重喪失者について

 

わたしたちの人生とは、ある意味で「出会い」と「別れ」の連続であり、別れに伴う「悲しみ」も影のように人生についてまわります。愛する人を亡くすか、あるいは、それを予期しなければならない立場に立たされた人は、必ずといっていいほど、「悲嘆のプロセス」と呼ばれる一連の心の働きを経験させられます。死にゆく人の家族は、愛する人の死を予期したときから、「準備的悲嘆」と呼ばれる一連の悲しみを経験します。そして、実際に死別に直面したのち、さらにいくつかの段階を経て、その衝撃から立ち直ってゆくのです。

f:id:shins2m:20190909165730j:plainグリーフ・エデュケーションについて

 

死生学の第一人者として知られる上智大学名誉教授で哲学者のアルフォンス・デーケン氏は、「悲嘆教育」と訳されるグリーフ・エデュケーションを提唱しています。愛する人を亡くしたとき、どういう状態に陥ることが多いのか、どんな段階を経て立ち直ってゆくのか、悲嘆のプロセスを十分に商家できなかった場合はどんな状態に陥る危険性があるのかなど、人間として誰もが味わう死別の悲しみについて学ぶのがグリーフ・エデュケーションです。

f:id:shins2m:20190909180325j:plainデーケン氏による「悲嘆のプロセス」

 

デーケン氏による「悲嘆のプロセス」の12段階は以下の通りです。1.精神的打撃と麻痺状態、2.否認、3.パニック、4.怒りと不当惑、5.敵意とルサンチマン(うらみ)、6.罪意識、7.空想形成、幻想、8.孤独感と抑うつ、9.精神的混乱とアパシー(無関心)、10.あきらめ―受容、11.新しい希望―ユーモアと笑いの再発見、12.立ち直りの段階―新しいアイデンティテの誕生。
ただし、デーケン氏自身も述べているのですが、悲嘆の感情の変化はこのプロセス通りに推移するわけではありません。それでも悲しみというものを処理していくうえで大いに参考になる考え方だと言えます。

f:id:shins2m:20190909180934j:plain葬儀の5つの役割について

 

それから、「葬儀をあげる意味」について話しました。 葬儀には、主に5つの役割があるとされています。それは、社会への対応、遺体への対応、霊魂への対応、悲しみへの対応、さまざまな感情への対応です。さまざまな感情とは「怒り」や「恐れ」などです。具体的には、「どうして自分を残して死んでしまったのだ」という怒り、あるいは葬儀をきちんと行わないと「死者から祟られるのではないか」という恐れなどですね。しかし、残された人々のほとんどが抱く感情とは「怒り」でも「恐れ」でもなく、やはり「悲しみ」でしょう。「悲しみへの対応」とは、遺族に代表される生者のためのもの。遺された人々の深い悲しみや愛惜の念を、どのように癒していくかという対応方法のことです。

f:id:shins2m:20190909172129j:plain物語の癒しによって、世界を完全にする

 

通夜、葬儀、告別式、その後の法要などの一連の行事が、遺族に「あきらめ」と「決別」をもたらしてくれます。葬儀とは物語の力によって、遺された人々の悲しみを癒す文化装置です。わたしは、「葬儀というものを人類が発明しなかったら、おそらく人類は発狂して、とうの昔に絶滅していただろう」と、ことあるごとに言っています。ある人の愛する人が亡くなるということは、その人の住む世界の一部が欠けるということ。欠けたままの不完全な世界に住み続けることは、必ず精神の崩壊を招きます。不完全な世界に身を置くことは、人間の心身にものすごいストレスを与えるわけです。まさに、葬儀とは儀式によって悲しみの時間を一時的に分断し、物語の癒しによって、不完全な世界を完全な状態に戻すことにほかなりません。

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稲盛和夫氏の『心。』を紹介しました

心。

心。

 

 

今後、葬儀のスタイルもさまざまに変わっていくでしょうが、原点、すなわち「初期設定」を再確認したうえで、時代に合わせた改善、いわば「アップデート」を心がける努力が必要です。もともと、約7万年前にネアンデルタール人が死者に花を手向けた瞬間からサルがヒトになったともいわれるほど、葬儀は「人類の精神的存在基盤」とも呼べるものなのです。わたしは「葬儀なくして人類なし」と大きな声で言いました。 最後に、昨夜読んだばかりの稲盛和夫氏の新著『心。』(サンマーク出版)を紹介しました。

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中村天風の言葉を贈りました

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最後は、もちろん一同礼!

 

わたしは、『心。』で知った中村天風の言葉をみなさんに送りました。稲盛氏は日本航空(JAL)の再建に成功しましたが、二次破綻も指摘される中、どうしてもJALを再建したいという強い思いから、会長就任の挨拶で中村天風
「新しい計画の成就はただ不屈不撓の一心にあり。
さらばひたむきにただ想え、気高く、強く、一筋に」
という言葉を紹介したそうです。計画達成はくじけず強烈に思い続ける心にかかっています。この言葉を、わが社の営業責任者のみなさんに贈りました。

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懇親会のようす

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カンパ~イ!

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大いに盛り上がりました

 

社長訓話が終わった後は、松柏園の「長浜」で懇親会が開かれました。最初に佐久間会長が挨拶し、「営業のみなさんはよく頑張っていますが、もう少しだけ高い目標を持って前進していただきたい」と述べました。続いて、わたしも挨拶しましたが、「令和の時代は、互助会の時代です。あらゆる時代の流れを見ると、わたしにはそうとしか思えません。営業責任者のみなさんもグリーフケアについての知識を深め、セレモニーホールをコミュニティセンターに転換できたとき、サンレーの大躍進が始まります。これほど世のため、人のためにある事業はありません。ともに頑張りましょう!ともに頑張りましょう!」と呼びかけました。それから、玉中常務の音頭で乾杯しました。

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最後は、 末広がりの五本締め

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これが、 サンレー・コンパだ!!

 

各地から参集したみなさんは、お酒や料理を楽しみながら会話の花を咲かせました。最後は、沖縄の瀬名波部長による中締めの挨拶でした。瀬名波部長は、 サンレー・オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。これをやると、みんなの心が本当にひとつになる気がします。その後も、松柏園のラウンジで二次会を開催。北陸の岸部長の乾杯の音頭で幕を開けました。こうして、わが社のコンパは和気あいあいと続いたのであります。

 

2019年9月9日 一条真也