「日本人を幸福にする方法は何か」 柳田国男の志

一条真也です。
昨日、東京から北九州に戻ってきました。明日また東京に行きます。
このように、もう「師走」を迎える前から慌ただしい毎日を送っていますが、日本経済新聞電子版の「ライフ」に連載中の「一条真也の人生の修め方」の連載第19回目となるコラムがアップされました。今回のタイトルですが、「『日本人を幸福にする方法は何か』 柳田国男の志」です。



日本経済新聞電子版「ライフ」トップページ



トップ画面には「『日本人を幸福にする方法は何か』 柳田国男の志」が紹介されています。読書の秋に、1冊の興味深い本を読みました。『日本人とはなにか』柳田国男著(河出書房新社)という本です。「日本民俗学の父」である柳田国男の全集未収録文集です。わたしは柳田のほとんどの著作を読んでいますが、初めて読む作品の数々はどれもスリリングでした。そして、日本人が幸せに生きるための智恵を学びました。



『日本人を幸福にする方法は何か』 柳田国男の志



柳田が創設した日本民俗学は「祭」とか「先祖」とか「家」の問題などを研究しながら、日本人の血縁や地縁の意味を問うていく試みでした。それゆえに「無縁社会を克服し、有縁社会を再生」するヒントの宝庫であるわけですが、そこには「幸せな結婚をさせる」「離婚をさせない」、さらには「親子心中をなくす」といった志さえ込められていたのです。



もともと柳田の学問の原点には、日本一小さな家に幾組もの家族が同居していることによって生じる不幸だとか、若くして見た絵馬の図柄の、わが子を間引く母親の姿から受けた衝撃といったものがありました。結局、柳田国男という人は、「日本人の幸福」というものを生涯考え続けた人なのでしょう。『日本人とはなにか』という同書の書名は『日本人を幸福にする方法とは何か』という意味でもあるのです。



昨年11月11日、わたしは柳田ゆかりの國學院大学で「冠婚葬祭」についての特別講義を行いました。これからも、柳田の遺した偉大な学問に触れつつ、日本人を幸せにするお手伝いがしたいです。日本文化の中には、人々が平和に暮らし、幸せに人生を送るヒントがたくさんあります。その宝庫こそ冠婚葬祭であると思っています。



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なお、第20回目のアップは12月8日(火)で、タイトルは「バリ島で葬儀の本質に気づく」です。先日、インドネシアのバリ島に行ってきました。わたしが会長を務める冠婚葬祭の業界団体の研修視察として、じつに四半世紀ぶりの訪問でした。現地では、風葬の村を訪れ、壮麗なヒンドゥー寺院で火葬の文化に想いを馳せました。そして、わたしは葬儀の本質に気づいたのです。次回は、そんな話を書きます。どうぞ、お楽しみに!



次回も、どうぞお楽しみに!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年11月24日 一条真也