4月度総合朝礼

一条真也です。
左目の瞼に膿が溜まり、昨日、切開しました。瞼に並んでいる涙腺の細菌感染である「麦粒腫」という病気で、通称が「ものもらい」ですね。気分が沈みがちですが、「何事も陽にとらえる」精神で、桜をイメージしたピンクの手作り眼帯をつけて出社しました。

小倉紫雲閣の桜は満開!


左目に桜の花びらを付けました

この日、ついに4月になりました。
1日の朝は素晴らしい晴天、小倉紫雲閣の桜も満開です! 午前8時45分から、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールにおいて、サンレー本社の総合朝礼を行いました。長く改装工事中だった同ホールですが、3月末に工事も終了し、新しく生まれ変わりました。

新しく生まれ変わった小倉紫雲閣大ホール

最初は、もちろん一同礼!

社歌斉唱のようす

春マスク&アイパッチ姿で登壇しました

 

全員マスク姿で社歌の斉唱は黙唱を行った後、社長訓示の時間となりました。わたしが春を呼ぶピンクの不織布マスク姿で登壇しました。まず、わたしは「桜が満開ですが、散るときを想うと、死生観の大切さがわかります。今日は4月1日です。新入社員のみなさんをお迎えします。わが社は、サービス業からケア業への進化を図っています。そして、ウェルビーイングとコンパッションの『むすび』を目指しています。それは人間尊重思想としての『礼』を中心とする礼業でもあります。これから、若い人たちと一緒に新しい時代を創っていきましょう!」と言いました。

何事も陽にとらえて目には桜を!

春マスクを外しました

 

続いて、わたしは日本人の供養の問題について話しました。高齢化が進み地縁や血縁が薄れる中、引き取る人がいない死者が増えている問題で、総務省が初めて自治体への実態調査をし、3月28日に発表したそうです。2021年10月に全国の市区町村で管理・保管していた「無縁遺骨」は約3万柱あったことが確認されました。報告書によると、身元がわからない遺骨は約6千柱で、残りは身元が判明しています。


日本人の「供養」について話しました

 

無縁遺骨は市区町村の執務室のキャビネットや倉庫、納骨堂、遺品整理業者の倉庫などに保管されているそうです。また、身寄りがなく経済的に困窮して亡くなった人の葬祭費を行政が負担するケースが増えているそうです。厚生労働省によると、2021年度は全国で4万8622件(速報値)と過去最多となり、この10年で約1万件増加しました。


葬儀の平均価格が低下している


熱心に聴く人びと

 

地域や血縁のつながりが薄れる中、高齢化で年間140万人が亡くなる「多死社会」が到来しており、引き取り手のない「無縁遺骨」が増えているのです。取り扱いに苦慮しているようですね。さらに、2022年の調査における葬儀の平均価格は110万7000円と過去最少となりました。2020年と比較して、実に73万6000円も下落しています。


「墓じまい」の流れも加速する!

 

これまで主流だった一般葬を行う方が減少し、家族葬や一日葬、直葬・火葬が増加したことが挙げられます。それに加え、コロナ禍を経て少なからず価値観の変化が生じ、葬儀は大々的に行うよりも身内や親しい人たちでひっそりと行う、といった流れが強まっていることも想定されます。そして、「墓じまい」の流れは加速する一方です。


日本人の「こころ」に地殻変動が・・・

 

このように、日本人の葬儀やお墓をめぐる「供養」の問題は混迷をきわめています。単価が下落したのは消費者にとっては喜ぶべきことなのでしょうか? 価格という表面的なものよりも、故人を弔い追善し感謝するという「こころ」の深いところに大きな地殻変動が起こっているように思えます。多くの日本人が「供養には意味がない」と考えているのかもしれません。このような混迷の時代に、わたしは『供養には意味がある』(産経新聞出版)を上梓いたします。日本初の終活専門誌である『終活読本ソナエ』(産経新聞出版)に連載した原稿を収録した本です。わたしは、供養とはあの世とこの世に橋をかける、死者と生者のコミュニケーションであると考えています。


供養の本質とは何か?


熱心に聴く人びと

 

供養においては、まず死者に、現状を理解させることが必要だ。僧侶などの宗教者が「あなたは亡くなりましたよ」と死者に伝え、遺族をはじめとした生者が「わたしは元気ですから、心配しないで下さい。あなたのことは忘れませんよ」と死者に伝えることが供養の本質だと思います。


日本人にとっての「供養」とは?

 

古代から、日本人は、人は死ぬとその霊は肉体から離れてあの世にいくと考えていました。そして、亡くなった人の冥福を祈る追善や供養を営々と続けてきました。盆には仏壇に精進料理を供え、お寺の迎え鐘を突いて精霊を迎え、精霊流しをして帰すといった先祖供養を行ってきました。日本人は、古来、先祖の霊によって守られることによって初めて幸福な生活を送ることができると考えていました。盆行事に代表される供養は、仏教の僧侶によって執り行なわれます。

最後に道歌を披露しました

 

「葬式仏教」と呼ばれる日本仏教への批判の論調が盛り上がったこともあります。しかしながら、これまでずっと日本仏教は日本人、それも一般庶民の宗教的欲求を満たしてきたことを忘れてはなりません。そして、その宗教的欲求とは、自身の「死後の安心」であり、先祖をはじめとした「死者の供養」に尽きるでしょう。「葬式仏教」は、一種のグリーフケアの文化装置だったのです。最後に、「わたしたちは、日本人の供養のお手伝いをし、日本人の心をゆたかにしていきましょう!」と述べてから、わたしは以下の道歌を披露しました。

 

散る桜 次はわれとぞ思ひつつ

   亡き人しのぶ心うるはし  庸軒

 

「今月の目標」を唱和

最後は、もちろん一同礼!

 

この日に行われた人事発令では、新しい部長や式典長が誕生しました。みなさん非常に優秀で、わが社の最高の資産であると思っています。今後の活躍に期待いたします。総合朝礼の終了後は、松柏園ホテルで新入社員の辞令交付式を行います。明日は、本部会議と新入社員への社長訓話を行います。コロナ禍の3年間はなんとか黒字で乗り切りましたが、いよいよコロナ終息も見えてきた今年は正念場を迎えています。全員の力を合わせ、これまでにない高みを目指して、最後まで走り抜きたいです!

 

2023年4月1日 一条真也