やったぜ、村田諒太!

一条真也です。
日本列島は台風と衆議院議員選挙の話題で持ち切りです。
選挙のほうは自公で3分の2議席を獲得しそうな勢いです。
わたしが応援していた先生方も、みな当選確実で良かったです。
しかし今夜は、それよりももっと嬉しいことがありました。
村田諒太WBA世界ミドル級チャンピオンになったのです。


村田諒太が世界王者に!(フジテレビより)



21日、両国国技館において、日本の格闘技ファンにとって驚くべき出来事がありました。なんと、アントニオ猪木の生前葬が行われたのです
翌22日の夜、同じ両国国技館で日本の格闘技ファンが待ちに待った出来事がありました。ロンドン五輪ミドル級金メダリストで、同級1位の村田諒太(31)=帝拳=が、王者アッサン・エンダム(33)=フランス=とのダイレクトリマッチに臨み、7回終了TKOで王座を獲得したのです。中継していたフジテレビが7回終了TKO勝ちする直前にCMを挟んだため、勝利の瞬間がよく分かりませんでしたが、とにかく村田の悲願がかなって良かったです。


今日の村田は落ち着いていました(フジテレビより)

そして気迫で勝っていました(フジテレビより)



ブログ「村田戦は無効試合にすべし!」に書いたように、5月20日に有明コロシアムで行われた前戦では、世界初挑戦の村田が序盤から重い右ストレートを武器に圧力をかけ、4回に右カウンターでダウンを奪いました。その後も右ストレートでエンダムをぐらつかせるなど優位に試合を進めたと思われましたが、フルラウンドを終えて下されたジャッジは意外にも1−2でエンダムの勝利でした。テレビ観戦していたわたしは、怒り狂いました。


果敢に攻める村田(フジテレビより)



この結果には、WBAヒルベルト・メンドサ会長も納得できず、再戦指令を出しました。メンドサ会長は自身のツイッターで、自身がつけた採点表を公表しました。そこで、117―110で村田の勝ちとし、「DIRECT REMATH(再戦)」と書き添えています。そして、「私は公正な採点が下すことができないスポーツに怒りと不満を覚える。私の採点では村田が117―110で勝っていた。村田諒太帝拳プロモーション、日本のボクシングファンにお詫びしたい。ひどい判定がもたらすダメージをどう回復させたらいいか、言葉が見つからない。私はチャンピオンシップ委員会に再戦を要求する」と声明を発表しました。その結果、通常では認められていないダイレクトリマッチが行われることになったのです。


日本人初の金メダル世界王者に!(フジテレビより)



5カ月ぶりの再戦で村田は初回からボディーを打ち、エンダムにプレッシャーをかけました。4回あたりからは村田の右ストレートがヒットし始め、6回には右ストレートでエンダムをぐらつかせました。
そして7回終了後、エンダム陣営が棄権を申し出たのです。
日本ジム所属選手がミドル級世界王座を獲得するのは1995年12月にWBA世界同級王座を獲得した竹原慎二以来2人目です。なお、日本の五輪メダリストがプロ転向後に世界王座を獲得するのは村田が初めてです。本当に素晴らしい快挙です。


ボクシング史に残るレジェンドになってくれ!(フジテレビより)



ブログ「村田諒太はいい!」にも書いたように、わたしは村田のファンです。2014年2月22日にマカオで行われた村田がカルロス・ナシメント(ブラジル)と戦ったミドル級ノンタイトルマッチ8回戦をTV観戦して、わたしは「ボクシングって面白いなあ」としみじみと思いました。そして、「村田は華があるなあ」とも思いました。とにかく入場時も退場時もインタビューの間もニコニコしている姿が新鮮でした。まるで「おひさま」のような明るさを持った選手です。ぜひ防衛を重ねて、彼にはボクシングの歴史に残るレジェンドになってほしいです。


「スポーツ報知」10月23日号



2017年10月22日 一条真也