金沢蓄音器館

一条真也です。金沢に来ています。
29日の夕方、一度見学してみたかった場所を訪れました。
金沢蓄音器館というミュージアムです。「未来医師イナバ」こと東大病院の稲葉俊郎先生のブログ記事「泉鏡花記念館 金沢蓄音器館」を読んでから、一度来てみたいと思っていたのです。


金沢蓄音器館の外観

金沢蓄音器館の前で

泉鏡花記念館に隣接します



金沢蓄音器館は、金沢の名所・東茶屋街の程近くにあります。
ブログ「泉鏡花記念館」で紹介した施設に隣接した尾張町に位置します。施設の外観は、大正ロマンを感じさせるレトロな雰囲気があります。
公式HPにはミュージアムの概要について次のように紹介しています。
「初代の館長は、音楽を通じて地域文化に貢献したいと、戦前から蓄音器店を開いてきた八日市屋浩志氏です。次第に手回し式の蓄音器が姿を消していった昭和50年代のある日、無造作に捨てられている蓄音器を見て心を痛め、「直せばまだ鳴る…」と、そのときから収集をはじめ、修理し、気付けば蓄音器540台、SPレコード2万枚もの山蓄コレクションとなりました。その後金沢市が譲り受け、2001年7月金沢蓄音器館が開館しました」


ミュージアムは3Fから構成されています。
3Fから見学する流れになっています。
それぞれのフロアには「テーマ」があります。
公式HPの案内を要約しておきます。
●3F 蓄音器の世界に誘う
・明治、大正、昭和の各時代に活躍した蓄音器の数々を展示
・ コンピューターで蓄音器の情報や技術年表が検索可能
・リスニングコーナーでは、LPレコードの試聴も可能
●2F 蓄音器の試聴とレコードコレクションの展
エジソンの発明した蓄音器をはじめ、
 異なる蓄音器を聴き比べが出来る実演コーナー
・ 時代を彩ったレコードを実物と映像、グラフィックで紹介
●1F 多目的フロア
・月に数回、テーマに沿ったSP盤鑑賞会やミニコンサートなどを開催
・1927年米国製のメイソン&ハムリン・アンピコの展示
(名ピアニストの演奏を再現する自動再演ピアノ)
ミュージアムショップ


金沢蓄音器館の入口にて

入口のビクターのワンちゃんたち



ミュージアムでは、なんと約600台が収蔵されており、常時150台ほどが展示されています。1901年(明治34年)に開発された米国の蝋管用蓄音器「エジソン スタンダードB型」など希少なものも多く、見応え十分です。


レコードも展示されています


1877年にトーマス・エジソンが録音・再生の実験に成功します。
その後、蝋を使った筒状のレコードが利用され、主に通信の手段として使われていましたが、レコードもやがて平円盤式となり、蓄音器の性能や音質が向上していくのですが、いまやCDの全盛期も過ぎ、音楽もダウンロードする時代になりました。


珍しい蓄音器を観賞しました

金沢蓄音器館にて



世の中、ずいぶんと便利になってきました。
しかし、いったん享受した利便性は、それが使用できなくなる異様なほど不便を感じるようになります。時代は不可逆的とはいえ、アナログの世界はデジタルとは異なり、こころを豊かにしてくれる文化の香りがあります。
レコードの黎明期に思いをはせながら、手段とはいえ、デザインの美しさや多用性など蓄音器の魅力を堪能させていただきました。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2017年5月29日 一条真也