加賀大観音

一条真也です。ブログ「加賀建設用地視察」に書いたように、29日午後に北陸入りし、石川県の加賀市に建設予定の新しい紫雲閣の用地を視察しました。


あれは観音像ではないか!



サンレー北陸の東孝則常務たちと土地の視察を終えて、ふと周囲の風景を見ると、のどかな田んぼの上に巨大な物体の姿を発見しました。よく見ると、観音像のようですが、かなり巨大であることがわかります。わたしたちは車に乗り込み、巨大観音像に近づくことにしました。


ユートピア加賀の郷」の中心に立っています



それは、加賀温泉駅の近くにありました。なんでもバブルの時代に完成した仏教系テーマパーク「ユートピア加賀の郷」の中心に建立された観音像だとか。ここには、観音像を中心とした「加賀寺」エリア、ジャングル風呂がある「観音温泉」、「ユートピアランド」という遊園地による複合施設だったそうですが、現在は閉鎖されています。


子どもを抱いた「慈母観音像」です



観音像ももともと黄金に輝いていたそうですが、今ではなんとなく色褪せているようにも思えます。でも、金ピカよりも、このほうが味わいがあって良いのではないでしょうか。ちなみに、観音像は、子どもを抱いている「慈母観音像」というタイプです。高さは、なんと73メートル。抱いている子供が奈良の大仏と同じ大きさ(ほんまかいな?)だというから、もうビックリ仰天!


かつては総ゴールドに輝いていた!
ブログ「加賀大観音」より)



ネットで調べてみると、観音像の内部には螺旋階段があり、その両側には、参拝者が奉納した短冊ほどの大きさの大量のパネルが貼られているそうです。一階は、西国、阪東、秩父日本三大観音霊場巡りが、二階は四国の八十八ヶ所の霊場巡りが短時間でできるように各霊場の本尊様を祀っているといいます。一番上には小部屋があり、外を眺めることができるとか。


「極楽」のジオラマブログ「加賀大観音」より)



観音像の裏手には「加賀三十三間堂」があり、これがまた凄かった! まず、建物の半分に「極楽」を模したジオラマが作られている。案内板には、「釈迦八相や仏教伝播の情景が薄明の中に浮き出され、中空に視線を転ずれば全長40メートルまさに世界最大のスクリーンが展開して、シンセサイザーによる荘重な音楽ときらめく光彩の饗宴による観音浄土が出現いたします」と書かれていました。


「加賀三十三間堂」(ブログ「加賀大観音」より)



建物の残り半分は、金色の観音像で埋め尽くされています。これぞ「加賀三十三間堂」というわけです。なんでも、全長約40メートル、最上段までの高さが13メートルというひな壇に、高さ1メートル60センチの千手観音立像が25段94列にわたって安置されています。その数、なんと1188体! しかも、対面がすべて鏡張りなので、実際には2倍に見えるというのです。
もう、凄すぎる! ぜひ、実物を見たかった!


すべてが黄金色に輝く世界(ブログ「加賀大観音」より)



さらに、梵鐘仏堂、金色堂、瑠璃光殿という3つの建物がありました。梵鐘堂には、「羅刹天」という鬼のような異形の仏に支えられた金色の大きな梵鐘が置かれています。 金色堂には、金色の五百羅漢像が円錐状にうず高く置かれています。円錐の麓には水が流れていて、噴水もあります。天井にはステンドグラスが貼られています。そして、吹き抜けの中央に金色の五重塔が置かれ、それをたくさんの仏像が囲んでいる瑠璃光殿があります。パンフレットによれば、「曼荼羅の世界を表現している」とか。「ユートピア加賀の郷」の往年の雄姿は、こちらを御覧下さい


観音像の真下まで来ました



それにしても、このスケールの大きさには驚かされます。
さすがは、加賀百万石の土地だけのことはありますね。同施設は、建売住宅で急成長し、関西を中心に不動産業や食品スーパー、レストラン、ゴルフ練習場などを経営し、41棟のものビルを所有していた「関西土地建物」という会社によって1987年にオープンしたそうです。まさにバブルの真只中ですが、総工費は280億円だったとか。


東常務と作戦会議をする・・・・・・



その後、「ユートピア加賀の郷」は「密教大本山豊星寺」と名前を変更し、一時はタレントの織田無道氏が住職を務めていたそうです。現在は、さらに「観音院加賀寺」と名前を変えています。わたしは、これだけの巨大観音像が放置されている現状を寂しく思いました。なんでも夜間は照明も点いていないので、小松空港に発着する飛行機にとって危険きわまりないそうです。
なんとか「加賀紫雲閣」をオープンする御縁で、この観音像を蘇らせるお手伝いができないものでしょうか。東常務に相談すると、「勘弁して下さいよ」と泣きそうな顔で答えました。そんなことを言わずに、ぜひ「陽にとらえて」前向きに考えていただきたい!


幸せであれ 平穏であれ 安らかであれ・・・・・・



わが社は、絶対に再開不可能といわれた「世界平和パゴダ」を再開するお手伝いもさせていただきました。「天下布礼」の旗を掲げ、「礼の社」をめざすわが社なら、何かできることがありそうな気がいたします。わたしは無意識のうちに合掌し、『慈経 自由訳』(三五館)の中の一節である「幸せであれ 平穏であれ 安らかであれ」という言葉を唱えていました。73メートルの巨大観音像を見上げると、その顔は慈愛に満ちており、わたしは「なんだか、ウルトラの母みたいだなあ」と思いました。


まるで、ウルトラの母のようです




2014年8月29日 一条真也拝