日経新聞取材

一条真也です。
文月晦日となる7月31日、「日本経済新聞」の取材を受けました。
14時半、日本経済新聞社の編集局生活情報部の編集委員である嶋沢裕志さんと、同社の北九州支局長である青木志成さんとカメラマンの方が3人でサンレー本社にお越しになり、貴賓室でお会いしました。


日経新聞の取材を受けました



嶋沢さんとは、じつに20年ぶりの再会です。最初にお会いしたのは、たしか1994年頃でした。嶋沢さんが北九州支局長から東京本社の経済解説部キャップへ異動され、お母さまが亡くなられた直後に、「エコノ探偵団」の取材で都内のオフィス(西麻布にあったハートピア計画)へ「宇宙葬」の話を聞きに来られたのです。『ロマンティック・デス〜月と死のセレモニー』(国書刊行会)を上梓した直後でした。いやあなつかしかったですね!


嶋沢さん、お久しぶりです!



先日、東京で「宇宙葬のカリスマ」ことエリジウム・スペース社のトーマス・シベCEOの来日記者会見が行われましたが、嶋沢さんも参加されたそうです。そこでトーマスCEOの口から「一条真也氏の本に大変感銘を受けた」という話題が出て、たいそう驚かれたとか。そして、この日の取材と相成ったわけですが、本当に「縁は異なもの」という言葉が浮かびます。
まさに、「この世は有縁社会だ!」ということを痛感しますね。


「こころのページ」について説明を受ける



日本経済新聞では、毎週土曜日付の夕刊で「こころのページ」というユニークなページが掲載されています。8年前にシニアをコア読者層に想定してスタートしたそうですが、若い男女にも結構読まれているとか。デスク(編集長)もインタビュアーも各コラムの筆者もカメラマンも、みんなシニア記者というのが特徴ですが、好評につき今年4月の紙面改革では夕刊地区のみならず、朝刊だけ発行している地区でも読めるようになりました。


写真撮影のようす

写真撮影のようす



今回、わたしがインタビューをお受けしたのが、「こころのページ」の売り物である「トップインタビュー」(知識人に聞く)です。紙面の右半分を丸ごと、さまざまな分野で活躍されている人たちへのロングインタビューにあて、人生や家族、社会、政治、経済、文化、芸術、スポーツ、歴史、宗教、哲学、科学、自然など森羅万象について、読者に「考えるきっかけ」を提供することを狙っておられるとか。嶋沢さんは、これまで経営者の牛尾治朗氏、作家の椎名誠氏、女優の壇ふみ氏、宇宙飛行士の山崎直子氏といった方々をインタビューされ、記事を書かれています。


2時間にわたって大いに語りました

宇宙葬」についても意見を述べました



今回はインタビューでは、「死と向き合う心」とか、「弔いのあり方」とか、死と精神に関わるテーマが中心でした。具体的には、「無縁社会」「葬式は、要らない」「東日本大震災」「宇宙葬」といったキーワードをめぐって、わたしは自分の意見を述べました。いずれも、わたしがいつも考えているテーマばかりであり、いくらでも言いたいことはあります。
2時間話しても、すべてを言い尽くすことはできませんでした。


嶋沢さんから、さまざまな質問を受けました



嶋沢さんは、現在は日本経済新聞社の生活情報部というセクションでさまざまなコラムを書かれています。これまで「孤独死」や「無縁社会」の問題にも取り組んでこられたそうで、「孤独死の防人」こと常盤平団地自治会長である中沢卓実さんにもお会いになられています。



『絆の風土記』を読む



また3・11の直後には、嶋沢さんは「高齢化ニュータウン」として知られる兵庫・明舞団地に実際に住んでみたそうです。その体験記を「こころのページ」の連載ルポ「住んでみるシリーズ」にも書かれ、『絆の風土記』(日本経済新聞出版社)という単行本にも収録されました。この本は立ち上がる人々のドキュメンタリーで、「列島各地で観た社会再生の芽生え」というサブタイトルが付けられています。「無縁社会」のような単なるネガティブ・キャンペーンではなく、実際に社会を再生するにはどうすべきかという提言の書であり、その内容には大きな意義を感じました。同書を嶋沢さんから頂戴しましたので、これからじっくり読ませていただきます。


嶋沢さん(左)、青木支局長(右)と



嶋沢さん、わざわざ北九州までお越しいただき、ありがとうございました。20年ぶりにお会いできて、わたしは本当に嬉しかったです。また、新聞の良心そのものである「こころのページ」の取材も嬉しかったです。
掲載紙を読ませていただくことを楽しみにしています!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2014年8月1日 一条真也