一条真也です。11月になりました。
かなり寒くなりました。1日の午前8時45分から、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールで、サンレー本社の11月度総合朝礼を行いました。
11月度総合朝礼前のようす
最初は、もちろん一同礼!
社歌斉唱のようす
わたしが登壇しました
続いて、わたしが社長講話をしました。この日は大ホールに大規模な社葬が入っていたため、いつものようにステージ上ではなく、ステージ下で話しました。最初に「おはようございます。11月です。ここ最近、一気に寒くなってきました。どうか、インフルエンザなどにかからないように気を付けて下さい。今年もあと2ヵ月ということで、各部門も仕上げの準備をしているようですね。18日は、創立59周年記念式典が行われ、60周年までいよいよ1年となります」と言ってから、以下のような話をしました。10月15日、わたしが理事長を務める一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団の理事会終了後、創立10周年記念の歴代理事長座談会に参加しました。座談会では、わたしが司会進行も務めることになりました。
『儀式論』について話しました
座談会の会場は、冠婚葬祭総合研究所の図書室でした。わたしがこれまでに書いてきた「一条本」のほとんどが置かれていました。こんなに心強い用心棒はいません。その中でも、10年前の2015年に上梓した『儀式論』(弘文堂)の存在が大きかったですね。600頁の大作ですが、重厚なケースの帯には「人間が人間であるために儀式はある!」と大書され、続けて「儀式とは何か? 有史以来の大いなる謎に挑む、知の大冒険! 儀式が人類存続のための文化装置であることを解明し、儀式軽視の風潮に警鐘を鳴らす、渾身の書き下ろし!」と書かれています。
『RITUAL』について話しました
座談会では、わたしは「最も新しいものはAIですが、最も古く、最も普遍性のあるものは儀式です」と発言しました。みなさん、頷いて下さいました。じつは現在、世界的に「儀式」が注目されています。最近、『儀式論』と内容が非常によく似た本を読みました。ブログ『RITUAL 人類を幸福に導く「最古の科学」』で紹介した本です。著者のディミトリス・クシガラタスは、コネチカット大学・実験的人類学研究室長。認知人類学者。南ヨーロッパとモーリシャスでフィールドワークを行った後、プリンストン大学、オーフス大学で役職を歴任し、マサリク大学・宗教実験研究研究所の所長を務めました。
儀式は「最古の科学」である!

熱心に聴く人びと
『RITUAL』のアマゾン内容紹介には、「世界を変えるための『最古の科学』が「儀式」だった――。生活や価値観が猛スピードで変化する現代。昔からある『儀式』は単調で、退屈で、無意味にみえる。でも、ほんとうに? 認知人類学者の著者は熱した炭の上を歩く人々の心拍数を測り、インドの祭りでホルモンの増減を測定。フィールドに実験室を持ち込んで、これまで検証されてこなかった謎めいた儀式の深層を、認知科学の手法で徹底的に調査する。ハレとケの場、両方にあふれる「儀式」の秘密と活用のヒントを探究する空前の書」と書かれています。
儀式は太古から人々に必要とされた!

熱心に聴く人びと
同書の第一章「儀式のパラドックス」では、「儀式は私たちの社会的慣習のほぼすべての根本にある」として、著者は「小槌を振る裁判官や、就任宣誓をする新大統領を思い浮かべてみるだけでもわかるだろう。軍隊でも政府機関でも企業でも、入所式やパレードというかたちで、また忠誠を誓うためにより手間のかかるかたちで儀式が執り行われる。重要な試合でいつも同じソックスを身に着けるスポーツ選手や、高額な賞金がかかるとサイコロにキスしたり幸運のお守りを握りしめたりするギャンブラーもいる。日々の生活のなかで、私たちはみな儀式を行っている。乾杯のときにグラスを掲げ、卒業式に出席し、誕生日会に参加する。儀式は、太古から人々に必要とされ、これから見ていくように人類の文明のなかできわめて重要な役割を果たしてきた」と具体例を挙げています。
また、わたしたちがこんにち享受している快適さが近い将来脅かされることはないと考える根拠はないといいます。それどころか、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、現代の人間の存在がどれほど脆弱なものかを浮き彫りにしました。これらの事実を踏まえて、著者は「これは、激動の時代が始まる予兆にすぎないのかもしれない。さらに、持続不可能な成長と地球資源の過剰利用、気候危機、政治的失敗が拍車をかけている。もしそのとおりなら、来るべき暗黒の時代は、これまで以上に儀式の力に頼ることになるかもしれない。心を平安にして連帯を育み、そしてこの世界は意義があり継続していくという感覚を生み出すためだ」と述べています。拙著『心ゆたかな社会』(現代書林)の帯に使った「コロナからココロへ」というキャッチコピーを思い出します。
『「儀式」で職場が変わる』を紹介
また、『「儀式」で職場が変わる』というクルシャット・オゼンチ&マーガレット・ヘイガンの共著も話題になっています。「働き方をデザインするちょっとヘンな50のアイデア」というサブタイトルがついています。目に見えない組織文化は、儀式で日々の習慣に落とし込めるという内容なのですが、スタンフォード大学の注目研究が紹介されています。日常に儀式を取り入れるとオフィスが創造と協働の場に変わるとして、50の具体例が紹介されています。アマゾンには「世界のトップ企業も実践する独自の儀式!」「より良い職場文化(ワークカルチャー)を創造するための儀式を個人・チーム・組織、シチュエーション別に提案」「働き方の多様化・個別化がますます進むなかで、職場での場作りやコミュニティ形成のヒントが詰まった一冊!」との内容紹介がありますが、どうやら世界的に「儀式」が注目されています。これは面白くなってきました!
「ハートフル」とは「礼」のことだ!
わが造語「ハートフル」は「礼」という意味なので、セレモニー・カンパニー・イズ・ハートフル・カンパニー! わが社の伝統になっている「一同礼」「S2M宣言唱和」「和のこえ」「末広がりの五本締め」・・・・・・その他にも、わが社にはオリジナルの儀式がたくさんあります。『「儀式」で職場が変わる』には、わたしが思いもしなかったユニークな儀式がたくさん紹介されていました。もちろん、アメリカの企業向けの本なので、そのまま日本の企業に導入するのは難しいものも多いでしょう。でも、儀式によって職場が変わり、生産性が向上して、業績がアップするというのは事実です。なぜなら、儀式ほどそこにいる人々の「こころ」を1つにし、チームを強化させるものはないからです。
「礼の言霊」の動画を拡散しよう!
財団の歴代理事長座談会では、座談会では、ある歴代理事長が「これからの冠婚葬祭に必要なものは哲学だ」と言っていました。それなら、わが社のお家芸であります。最近、わたしがこれまで世に送り出してきた多くのハートフル・キーワード、いわば「礼の言霊」を二分間ほどの動画にしてYouTubeにアップしています。「儀式の意味や重要性がわかりやすく説明されている」と、冠婚葬祭業界をはじめとして話題となっているようです。

最後は道歌を披露しました
じつはこの動画、生成AIで作成しています。
AIという最新の科学を駆使して、儀式という最古の科学の重要性を訴えているわけです。これは非常にユニークなことだと思いますね。「天下布礼」のためにも、「礼の言霊」のAI動画をどんどん拡散して下さい! わたしは「それでは、あと2ヵ月、一同礼の魔法で「こころ」を1つにして今年を力いっぱい駆け抜けていきましょう!」と述べてから、以下の道歌を披露しました。
儀式なる最古の科学説くために
天下布礼のAI動画 庸軒
「今月の目標」を唱和
最後は、もちろん一同礼!
その後は「今月の目標」を全員で唱和し、最後はもちろん「一同礼」で総合朝礼を終えました。この後は、恒例の北九州本部会議を行います。コロナ禍以降も、わが社は黒字の確保はもちろん、ベストを尽くして走ってきました。おかげさまで昨年は創業以来最高益を出すことができています。今月も全社員の「こころ」を1つにして、このまま最後まで前向きに走り抜きたいです!

*よろしければ、本名ブログもお読み下さい!
2025年11月1日 一条真也拝




