政治家と礼

一条真也です。24日、高市早苗新首相が就任後初となる所信表明演説を衆参両院の本会議で行いました。高市首相は「責任ある積極財政」で暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済を作る決意を強調。日本維新の会との新たな連立政権で、「政治の安定」をもたらし、広範な政策合意へ各党と柔軟に、真摯に議論する姿勢を示しました。


所信表明演説を行う高市早苗首相

 

高市首相のメッセージは力強く、素晴らしいものでした。残念なのは、所信表明の演説中にヤジが飛んだことです。自民党少数与党ですが、演説が始まる際には「よーし」「頑張れ」など、自民党席から大きな声援や拍手が起きる一方、野党席からは「今まで何をやってきたんだ」「えーー」などのヤジが飛び交い、議場が騒然となる場面が何度もありました。与党席から「静かにしろ!」と野党のヤジを諫めるような声も出て、高市氏が少し演説を止める場面もありました。



新首相の所信表明演説中のヤジに批判の声が高まる中、立憲民主党小西洋之参院議員は25日までに自身のX(旧ツイッター)を相次いで更新。ヤジの必要性を訴え、波紋を広げています。小西議員は「ヤジは非常に重要な国会議員の議会活動です」と主張。別の投稿では「これぞ、議会政治であり、このヤジを放った議員は国民代表として称賛されるべきだと思います」と持論を展開しました。これは言語道断ですね! これに対してSNSを中心に立憲民主党の議員ではないかと批判があがっている他、日本維新の会の吉村洋文代表が自身のSNSで「あのやじが仕事になる。国会議員の定数大幅削減だよ」とコメントしていました。



日本維新の会の創設者である橋下徹氏も25日に更新したXで、小西氏の「このヤジを放った議員は国民代表として称賛されるべき」などとつづったポストを引用。単刀直入に「ダメだこりゃ」と書き出しました。続けて「多くの国民に支持されないことに気付いていない。組織は指導部が放つ匂いに染まる。令和の時代、安住さんの色を変えなきゃ。ここはトップの野田さんの役割」と綴りました。政治団体「再生の道」の石丸伸二前代表も、25日更新のXで「人が話している時はちゃんと聞かないといけません、と改めて子供達には教えてあげましょう。言論の場が荒みます」と綴りました。



この問題に立憲民主党野田佳彦代表は25日午後、静岡第一テレビの取材に対し、「昨日の場合は新首相が誕生して、所信表明の出だしでどういう話をするのか、まずはしっかりと受け止めるというところから始めなければいけなかった」と話し、ヤジをした議員の名前は明かさなかったものの、注意したことを明らかにしました。注意された議員は「礼節を守ります」と答えたそうです。野田代表が注意をしたわけですからヤジを飛ばした人物は立憲民主党の議員であったことは確定ですが、野田代表が注意をしたという点だけは救われた思いがしました。さすがは安倍晋三元首相の国葬儀で弔辞を述べた方です。松下政経塾の出身ということもあり、野田代表は「礼」をわきまえた方であると思っています。

 

安倍元首相といえば、平成25年2月12日の衆議院予算委員会の質問で、石原慎太郎氏から靖国参拝について「私は行かなくていいと思いますよ。これは、あなたが行くと結局政治問題になる。ならば、そのかわりに、国民を代表して、あなたが一つのことをお願いしてもらいたい。それは、ぜひ国民を代表した総理大臣として、ことしは天皇陛下靖国神社に参拝していただきたい。これは決して政治的行為じゃありませんよ、文化的行為だ。宗教的な問題でもない。さっき言ったみたいに、神道という人間の情念の結晶の、その代表者である、象徴である天皇陛下が、戦争で亡くなった人を悼んでお参りをされるということは、これは祭司として当然のことで、これに異議を唱える国はないと思うし、天皇がそういう行動をとられることで、あの戦争を肯定することにも否定することにもならない。」と述べられました。そのときの動画を今日たまたま目にしました。感動し、涙が出ました。

供養には意味がある』(産経新聞出版

 

拙著供養には意味がある産経新聞出版)にも書きましたが、安倍氏も石原氏も真剣に国を憂いた方です。そして、先の戦争で犠牲となられた英霊への「礼」を大切にする方でした。安倍元首相を深く尊敬されている高市新首相も、英霊への「礼」を重んじられる方とお見受けいたします。本当は高市首相時代に全国会議員の靖国参拝義務化を決めてほしいぐらいですが、新首相の所信表明の際に品のないヤジを飛ばす無礼な議員がいるくらいですから難しいでしょうね。拙著死者とともに生きる産経新聞出版)が「戦後80年記念出版」と謳われているように、日本人だけで310万人もの方々が亡くなられた、あの悪夢のような戦争が終わってから、今年で80年目を迎えました。そんな節目の年に誕生した高市早苗首相を、わたしは心から応援したいと思います。もともと「礼」は古代中国において「葬礼」から生まれ、発展していった概念です。高市首相、どうか、「礼」を重んじる国・日本を再建して下さい!

死者とともに生きる』(産経新聞出版
 

 

*よろしければ、佐久間庸和ブログもお読み下さい!

 

2025年10月25日  一条真也