月への送魂 

月への送魂」を背景に

 

一条真也です。
6日の夜、ブログ「リメンバー・フェス」で紹介したように、盆踊りの後、わたしは浴衣姿で櫓の上にあがり、ご来場のお客様に主催者挨拶をしました。


櫓の上で主催者挨拶していると・・・

 

すると、MCから「「社長、この後は“月への送魂”も行っていただけると伺いましたが・・・・・・?」の言葉がありました。そうです。今夜、盆踊りの後に行われるのが、このフェスの“クライマックス”とも言えるセレモニー、「月への送魂」です。夜空に浮かぶ月を目指して、故人の魂をレーザー(霊座)光線に乗せて送る新時代の「月と死のセレモニー」です。故人への想いを“光の矢”に乗せて月へと届ける儀式であり、宗教や形式にとらわれず、誰でも気持ちを届けられる「新しい供養のかたち」です。


父の話をしました

 

わたしは、「今夜、みなさまの想いと一緒に、わたしたちがとくに月に光を送りたい人が2人がいます。1人は、昨年9月20日に亡くなった、わたしの父であり、サンレーの創業者である佐久間進名誉会長です。『人を大切にすること』『感謝をかたちにすること』を生涯貫いた人でした。ときに厳しく、でも心の奥はとても優しく、社員や地域の人々を家族のように想っていました。まさに“太陽のような存在”でした。父が旅立って、まもなく1年になります。このフェスも、本当は父と一緒に見たかったです。今夜は、このフェスを見せてあげるつもりで、感謝とともに光を月へと送ります」と言いました。

鎌田先生の話をしました

 

また、わたしは「そして、もう1人は、今年の5月30日に亡くなられた、京都大学名誉教授で日本を代表する宗教哲学者の鎌田東二先生です。わたしの師であり、同志であり、魂の義兄弟でした。サンレー社歌を作って下さった方です。鎌田先生が提唱する『明るい世直し』を目指して共に歩んでまいりました。また、『死を明るく語ること』『亡き人を想い、祈ることが、いまを生きる力になる』といった考え方を、先生は伝えて下さいました。鎌田先生も旅立たれ、本当に寂しくなりました。しかしながら先生から頂いた数々の教えは、これからもわたしたちの光となり、道しるべとなると信じています。今夜、わたしは先生への『ありがとう、ずっと忘れません』という深い感謝の想いも、しっかりと光に込めて送ります」と言いました。

大切だった人を思い浮かべて下さい!

 

そして最後に、わたしが「会場にいらっしゃるみなさまへ、お願いです。どうか今、この場で、あなたにとって大切だった人を、心の中でそっと思い浮かべて下さい。『ありがとう』でも、『会いたいよ』でも、なんでもいい。その気持ちを、夜空に向けて、光に込めていただけたらと思います。この後に行われる『月への送魂』では、皆さんの想いが光となって、夜空に放たれます。きっと、月の向こうにいる“あの人”に届くと信じています。このあとは、どうぞご一緒に、光の祈りである『月への送魂』をご覧ください。本日は、ありがとうございました!」と言うと、盛大な拍手が起きました。



それにしても、なぜ、月に魂を送るのか? 
この質問は、これまで数え切れないほど受けてきました。その答えは、月は死者の霊魂が赴く死後の世界だからです。多くの民族の神話と儀礼において、月は死、もしくは魂の再生と関わっています。規則的に満ち欠けを繰り返す月が、死と再生のシンボルとされたことは自然です。

月への送魂」ムービーを上映


月は「死」と「再生」のシンボル

月は「魂の理想郷」である!

 

わたしは慈経 自由訳(現代書林)も上梓しましたが、「月の経」の別名を持つ「慈経」を重視するミャンマーなどの上座部仏教の国々では今でも満月の日に祭りや反省の儀式を行います。仏教とは、月の力を利用して意識をコントロールする「月の宗教」だと言えるでしょう。仏教のみならず、神道にしろ、キリスト教にしろ、イスラム教にしろ、あらゆる宗教の発生は月と深く関わっています。

慈経 自由訳』(現代書林)



科学的事実から見てみ、わたしたちの肉体とは星々のかけらの仮の宿です。入ってきた物質は役目を終えていずれ外に出てゆく、いや、宇宙に還っていくのです。宇宙から来て宇宙に還るわたしたちは、宇宙の子なのです。そして、夜空にくっきりと浮かび上がる月は、あたかも輪廻転生の中継基地そのものではないでしょうか。人間も動植物も、すべて星のかけらからできています。その意味で月は、生きとし生ける者すべてのもとは同じという「万類同根」のシンボルでもあります。かくして、月に「万教同根」「万類同根」のシンボル・タワーである「月面聖塔」を建立し、レーザー(霊座)光線を使って、地球から故人の魂を月に送るという計画をわたしは思い立ち、実現をめざして、各所で構想を述べ、賛同者を募っています。


あの月に魂を送る!

月への送魂」が始まる!


第一子を授かった瀬津神職が登場!


庸軒道歌が披露されました

 

月への送魂」のプレ・ムービーが流れた後、皇産霊神社の瀬津隆彦神職が登場、魂弓(たまゆみ)を射って、送魂の儀を行いました。「魂弓を祈りを込めて引きつらむ 光の矢をば月に送らむ」という庸軒道歌が披露されました。そして、第一子を授かったばかりの瀬津神職が持つ神弓から発せられたレーザー(霊座)光線が夜空の月に到達すると、満場のお客様から盛大な拍手が起こりました。


父と鎌田先生の遺影とともに

矢に魂を込めて月を射る!

 

月への送魂」は、21世紀にふさわしいグローバルな葬儀の“かたち”であると思います。何より、レーザー光線は宇宙空間でも消滅せず、本当に月まで到達します。わたしは「霊座」という漢字を当てましたが、実際にレーザーは霊魂の乗り物であると思います。「月への送魂」によって、わたしたちは人間の死が実は宇宙的な事件であることを思い知るでしょう。「月への送魂」の終了後は、多くの方々から「月も綺麗だったけど、儀式が本当に素晴らしかった」「月が死後の世界というイメージが素晴らしい!」「これで寿命が延びた」「なつかしい故人に会えた気がした」などの言葉を頂戴し、わが胸は熱くなりました。


思わず拍手しました!


父の遺影を持って


鎌田先生の遺影を持って


月に向かって祈りました

 

新時代のセレモニーである「月への送魂」は、ロマンティック・デス〜月と死のセレモニー国書刊行会)、ロマンティック・デス~月を見よ、死を想え幻冬舎文庫)をはじめとして、葬式は必要!ご先祖さまとのつきあい方(ともに双葉新書)、決定版 終活入門実業之日本社)、墓じまい・墓じたくの作法(青春新書インテリジェンス)、永遠葬』(現代書林)、『唯葬論(三五館、サンガ文庫)、宗教学者島田裕巳氏との共著葬式に迷う日本人(三五館)、人生の修め方日本経済新聞出版社)、人生の四季を愛でる毎日新聞出版)、葬式不滅オリーブの木)、供養には意味がある産経新聞出版)でも、昨年33年ぶりに復活を遂げたロマンティック・デス 死をおそれないオリーブの木)でも、戦後80年の記念出版である今年8月刊行の死者とともに生きる産経新聞出版)でも紹介。今では、すっかり多くの人たちに知っていただきました。

 

 

月への送魂」の終了後は、多くの方々から「月も綺麗だったけど、儀式が本当に素晴らしかった」「月が死後の世界というイメージが素晴らしい!」「これで寿命が延びた」「なつかしい故人に会えた気がした」などのお言葉を頂戴し、わたしの胸は熱くなりました。父と鎌田先生も、きっと喜んでくれたのではないかと思います。わたしは、「死は不幸ではない」ことを示す「月への送魂」の普及に、死ぬまで、そして死んだ後も尽力したいです。


これが「月への送魂」だ!!

 

2025年9月7日 一条真也