一条真也です。
漫画家の楳図かずおさんの訃報にネットで接しました。わたしは楳図さんの漫画の大ファンでしたので、大変驚きました。88歳で亡くなったと知り、またも驚きました。9月20日に亡くなった父と同い年だったからです。ということは、アラン・ドロンとも同い年ということですね!
ヤフーニュースより
「『ホラー漫画の神様』楳図かずおさん、ギャグ、SFと幅広く魅了 新作制作中で無念の訃報」という記事には、「「ホラーやSF、ギャグなど、幅広いジャンルで奇才を発揮した漫画家の楳図かずおさんが死去した。楳図さん自身も独特な感性で人気を博し、漫画の枠にとらわれない活動でファンを魅了してきた」と書かれています。
楳図さんは小学4年の時から漫画を描き始め、高校3年でデビュー。少女漫画誌を中心にホラー漫画の連載を続けました。わたしは、小学生時代に楳図さんおホラー漫画の大ファンで、多くの作品を貪るように読みました。『まだらの恐怖』とか『赤んぼ少女』などの長編も好きでしたが、『おろち』『恐怖』『怪』などの短編アンソロジーはもっと好きでした。一番好きだったのは、異色短編集と銘打たれた『イアラ』です。小学館のコミックス全6巻を読みましたが、ものすごく衝撃を受けました。長じては、『わたしは慎吾』『神の左手 悪魔の右手』『14歳』といった大長編にも魅了されました。
楳図さんの漫画は、細い線を重ねた密度の高い描き込みによって、迫力を出す独特の画風でした。昭和47年に小学生が文明の滅んだ未来にタイムスリップするサバイバルホラー漫画『漂流教室』が人気となり、昭和50年に第20回小学館漫画賞を受賞。フジテレビが平成14年に同作を原作としたドラマを放映しています。楳図さんは平成26年には映画の初監督を務め、平成31年に文化庁長官表彰を受けるなど、芸術分野での幅広い活動で知られます。「ホラー漫画の神様」といわれる一方、昭和51年に連載開始のギャグ漫画『まことちゃん』がヒット。主人公の幼稚園児のまことちゃんのシュールなギャグがさまざまな世代に受けました。指を折り曲げる「グワシ」の指サインは社会現象となりました。
私生活では、赤と白のボーダー模様に並々ならぬこだわりをみせました。楳図さんは産経新聞の取材に「子供のころ海賊にあこがれていた」と答えています。手塚治虫の『新宝島』に登場した海賊が赤白のボーダー姿だったといいます。30~40着以上のボーダーシャツを持っているといわれ、「気が大きくなると線が太いものを着て、気が小さくなると幅が狭まっていく」と語っていました。東京・吉祥寺の自宅は外壁が赤白のボーダーで「まことちゃんハウス」と呼ばれ近隣住民やファンから愛されていました。偉大なる「ホラー漫画の神様」である楳図かずおさんの御冥福を心よりお祈りいたします。合掌。
2024年11月6日 一条真也拝