「お別れの会」の動画

一条真也です。
今日、京都大学名誉教授で宗教哲学者の鎌田東二先生のYouTube動画にブログ「佐久間進『お別れの会』」の動画がUPされていることに気づきました。「京都面白大学第309講「故佐久間進サンレー名誉会長お別れの会」 2024年11月1日 北九州市小倉 松柏園ホテル」という長いタイトルの動画です。

 

「お別れの会」では、鎌田先生が「心より敬愛する故佐久間進 サンレーグループ名誉会長のお別れの会に際し、國學院大學文学部の後輩鎌田東二が謹んで弔辞を奏上申し上げます」と言われ、弔辞を読んで下さいました。


鎌田先生が弔辞を読まれました




鎌田東二先生の「弔辞」全文)
昭和十年という大激動の時代に、房総安房の国に誕生された名誉会長は、太平洋を望む雄渾の地で、つねに「心如大海」(心は大いなる海の如し)の精神を育まれ、長じて國學院大學に学んで、折口信夫らが切り拓いた日本民俗学を学び、この「生活の古典」であり、「日本人の幸福の探求の学」である民俗学を、人々の日常生活の中に活かす互助会の活動を始められました。それが、株式会社サンレーの始まりであったと聞いております。これは、まごうことなく、「古典の生活化」、つまり、伝統的な精神性と儀礼を日常の社会生活の中に接続し、実際に活かす道であったと思います。その意味で、佐久間進名誉会長は一貫して「日本民俗学」を実践的に生きぬき、國學院の伝統をその篤い心に受け継いでその生涯をかけて実現した國學院のお手本であり誇りであります。

名誉会長が、國學院大學の学生であった頃、夏休みに郷里に帰ると、山中で滝に打たれている一人の修行者がいました。名誉会長はその修行者と言葉を交わすうちに、将来を見込まれ、「宇宙一元神霊教」の聖典を授けられました。昨年の八月二十九日に名誉会長にお会いし、松柏園ホテルの皇産霊神社讃礼殿の大前で、名誉会長の病気平癒祈願をフリーランス神主としてお祈りさせていただいた折に、初めてそのことを知って大変驚きました。そして、はっきりと思いました。「ああ、この方は、すでに青年時代に神さまに見込まれ、神さまの道を歩いていくべき未来を予知予言されていたのだ」と。そしてそれが、礼(ゐや)びのみわざとしての「八美道」や株式会社サンレーの「天下布礼」の実践につながっていったのだ、と。それは、妣なる太平洋から流れ込む大いなる朝日と黒潮に浄められた自然の息吹をたっぷりと吸い込んで、人として慎ましくも品性豊かに毅然として生き抜いていく「人間尊重の精神」となって具体的かつ公共的な互助活動に活かされたのだ、と。そしてそれを、なりわい、ビジネスとして成り立たせ、多くの有為の方々を雇用し、育成し、冠婚葬祭業界の発展に全身全霊で尽力されたのだ、と。 その進みゆく歩みの軌跡は尊くも傑出した神業であったとおどろくほかありません。それこそ、佐久間進名誉会長が歩まれた「神の道」「神ながらの道」であったと心より尊敬申し上げます。

二ヶ月前、ご自宅にお見舞いにお伺いした折、名誉会長は私に、「人生の目的は何ですか?」と心のど真ん中をまっすぐに射抜く質問をされました。身震いしながら私は、「人を面白く、楽しく、愉快に、豊かにして、創造性の窓を開く『楽しい世直し』をすることです」と答えました。すると名誉会長は続けるように、「聖徳太子が日本の基礎を作った」と言われました。私は「その通りと思います」と同感し、「しあさって、聖徳太子の御廟のある大阪磯長の叡福寺に対談の仕事で行くので、名誉会長の分もよくお参りし、お祈りしてまいります」と答えました。 名誉会長は、日本のいしづえを築いた人物として憲法十七条において、神仏儒と礼の道を明晰に説いた聖徳太子を深く篤く尊敬・讃仰され、皇産霊神社の境内に聖徳太子像を建立されました。そして、聖徳太子が信仰していた浄土である「天寿国」に旅立たれ、ご昇天されました。ここに、その尊く見事なご生涯を讃え、三首の歌を奉唱申し上げます。

進みゆく 礼(ゐや)びのみわざ 八美道
 神のみこころ伝え行く道

進みゆく 礼(ゐや)びのみわざ 八美道 
 神のみこころ伝え咲く真道(佐久間道)

進みゆく 礼(ゐや)美の道の その果てに 
 ついに至りし やすらぎの郷 

最後に、佐久間進大人命のみたまに、衷心よりわが三種の神器である石笛・横笛・法螺貝を奉奏申し上げます。

     令和六年十一月一日 鎌田東二


鎌田先生の追悼歌(その1)

鎌田先生の追悼歌(その2)

鎌田先生の追悼歌(その3)


石笛を奏上する鎌田先生


横笛を奏上する鎌田先生


法螺貝を奏上する鎌田先生

 

鎌田先生が奏上された三種の神器の音色は父が憧れ続け、四十九日の後に向かうであろう天寿国へと通じているかのようでした。ブログ「父の通夜&葬儀の動画」で紹介した2本の動画に続き、今回の「お別れの会」の動画で3部作の完成です。儀式の記録映像としても貴重だと思います。

 

鎌田先生には通夜式、葬儀告別式、お別れの会のすべてにご参列いただいたばかりか、葬儀告別式の最後には父へ素晴らしい追悼歌を捧げて下さいました。火葬場まで同行され、棺に火を入れる直前に鎮魂の笛を奏上して下さいました。笛の音が心に沁みわたりました。さらには収骨にも立ち会っていただきました。そして、「お別れの会」では弔辞を読み、追悼歌を詠み、三種の神器を奏上して下さったのです。本当に、言葉にできないほど感謝の気持ちでいっぱいです。鎌田先生に心より御礼を申し上げます。


鎌田先生、ありがとうございました!

 

わたしが報告を兼ねてブログ「四十九日」をお送りしたところ、本日、鎌田先生は「お父上を亡くされた喪失感やかなしみとともに、共に過ごされた60年余の人生の重みと有難さと充実感と、そのかけがえのなさをしみじみと味わわれている時かとおもいます。天寿国に旅立たれたお父上のみたまのやすらかさを心より祈念申し上げます」とのメールを送って下さいました。また、わたしの「昨夜、父の夢を見ました。亡くなってからずっと夢に出て来なかったのですが、昨夜、初めて出てきました。父はニコニコ笑っていました。そして、わたしに『よくやってくれた』『いろいろ、ありがとう』と言ってくれました。嬉しかったです」という一文に対して、「こころにしみます」と言って下さいました。鎌田先生、どうか、長生きされて下さい。今度は、わたしが京都に会いに伺います!

鎌田先生、どうか、長生きされて下さい!

 

2024年11月4日  一条真也拝owakarenokai