さらば、ジャニーズ!

一条真也です。
どうしても、読者の皆様にお伝えしたいことがあります。ブログ「還暦祝いとグリーフケア」で紹介したように、今朝、ジャニーズ事務所の問題について話しました。


ジャニー喜多川

 

明日から、ついに「広島サミット」が始まります。しかし今、日本ではジャニーズ事務所の話題で持ち切りですね。そう、前社長であるジャニー喜多川氏による性加害問題です。イギリスのBBCが特番を組んでから国際社会で大きな問題となり、日本政府も無視できなくなったのでしょう。広島サミット前にジャニーズ事務所の現社長に謝罪をさせましたね。わたしはジャニー氏の性加害は事実であり、許されざる一大性犯罪であったと思っています。


ハートフルに遊ぶ』(東急エージェンシー

ハートフルに遊ぶ』(1988年)より

 

ジャニー喜多川氏は2011年に「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」「最も多くのNo.1シングルをプロデュースした人物」で、12年に「最も多くのチャート1位を獲得した歌手をプロデュースした人物」のギネス世界記録に認定されています。ブログ「ジャニーズ事務所について思うこと」でも書いたように、わたしはティーンの頃、ジャニーズ事務所のタレントが大好きでした。特に「トシちゃん」こと田原俊彦の大ファンで、大学時代は「たのきん研究会」というサークルに所属していました。今でも、トシちゃんのヒット曲の振り付けは完コピできます。「マッチ」こと近藤真彦も好きでした。というわけで、わたしはジャニーズ事務所には並々ならぬ関心を寄せていたのです。1988年に上梓した処女作『ハートフルに遊ぶ』(東急エージェンシー)の中にも「がんばれ!ジャニーズ事務所」という一章を設けたくらいです。

供養には意味がある』(産経新聞出版

供養には意味がある』(2023年)より

 

処女作だけではありません。わが最新作の『供養には意味がある』(産経新聞出版)の中には「ジャニー喜多川氏のグランド・フィナーレ」という一文があります。2019年7月9日に逝去したジャニー氏のお別れ会が7月12日に行われたこと、そこには所属のタレントたちが集結し、素晴らしい旅立ちのセレモニーであったことを賛美した内容です。もともとは「終活読本ソナエ」に掲載された文章なのですが、同書の刊行直後にBBCがジャニーズ問題を報道。その後、あっという間に大問題になってしまいました。わたしは40年以上にわたってジャニーズ事務所を応援してきましたが、ジャニー氏のことは「男の子が好きで仕方がない可愛いおじさん」ぐらいに思っていたのです。まさか少年たちに卑劣な性加害を行っていたとは! 彼の行為はLGBTQの流れに水を差すものであり、少年たちの魂を殺したことでもあり、絶対に許せません!













ジャニー喜多川の性加害の歴史を知ると、おぞましい気分になります。何よりもこれだけの未成年者への性犯罪事件が60年も継続し、しかもマスコミが無視していたことが恐ろしい。NHK大河ドラマの主演俳優をはじめ、現在売れているジャニーズ・タレントもジャニー氏の愛人であった者が多いようです。芸能界には「枕営業」という言葉がありますが、人気者になりたいタレントの卵が自らの意志でジャニー氏に抱かれるのはまだ理解できます。しかし、何も知らない無垢な少年を毒牙にかけるのは絶対に許せません。許せないどころか、国際的には最悪の犯罪行為です。また、後輩の少年たちがジャニー氏の毒牙にかかっているのに見て見ぬフリをしたり、「誰もが通る道だから」とか「スターになるための儀式だから」などと言っていた現在売れっ子のタレントたちもみな同罪です。ジャニーズ事務所は、反社会的な鬼畜集団だと言えるでしょう。













わたしはずっとジャニーズ事務所を応援してきましたが、SMAPの解散騒動のときから、ジャニーズからわが心は離れていきました。というのも、当時副社長だったメリー喜多川氏のあまりのパワーハラスメント体質に嫌気がさしたのです。姉はパワハラ、弟はセクハラ・・・・・・日本一のアイドル事務所は日本一のハラスメント会社でもありました。コロナになる直前、フォーリーブスの「ブルドッグ」や「踊り子」の動画をYouTubeで見つけて、そのパフォーマンスの完成度の高さに驚きました。わたしは、ジャニーズ事務所が生んだ最高のアイドル・グループはフォーリーブスだと確信します。ちなみに、史上最高のアイドルは田原俊彦だと思います。彼は真の天才でした。


平成のジャニーズはあまり好きではありませんでしたが、昭和のジャニーズは大好きでした。ジャニー喜多川が世界一のアイドル・メーカーであったことは認めますが、BBCが表現したように、その正体はプレデター(捕食者)でした。カトリック教会の性的虐待問題と同様、このような立場を利用した振る舞いには大きな怒りが込み上げてきます。それは「人間尊重」に最も反する鬼畜的行為だからです。こんな前代未聞の鬼畜事務所をマスコミも警察も検察もずっと無視してきたことは日本の恥だと思います。


オウム真理教などのカルト教団や広域指摘暴力団も反社会的勢力ですが、児童虐待を60年以上も続けてきた芸能事務所も超弩級の「反社」ではないでしょうか。60年前といえば、還暦を迎えたわたしが生まれた頃ではないですか。その事実の前には言葉もありません。もう、わたしがジャニーズを応援することは金輪際ないでしょう。あと、性被害によって深いグリーフを抱えた方々にとって「ジャニーズ事務所」という存在がある以上、安心や安全を感じることはないと思います。その存在が消滅することで、初めてこの方々のケアが可能となるように思います。ということで、わたしは、ジャニーズ事務所は解散すべきだと声を大にして訴えたいです。さらば、ジャニーズ!

 

2023年5月18日 一条真也