「あっぱれ」と「あはれ」

一条真也です。
16日の午後、東京から小倉に戻りました。
17日の早朝から、ブログ「春季例大祭」で紹介した神事が行われ、朝粥会が開かれました。その後、松柏園ホテルで恒例の天道塾が行われました。

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最初は、もちろん一同礼!

冒頭、挨拶をしました

 

神事の後は、恒例の「天道塾」です。この日は佐久間会長が欠席でしたので、最初にわたしが登壇して開塾の挨拶をしました。その後、わが社の社員教育を担当していただいている新井弘代先生の講演がありました。

講師の新井先生を紹介しました


マナー指導について講演する新井先生


講演を受講する人びと

わたしも聴きました

 

わたしが紹介をした後、新井先生が「管理職が知っておきたい部下のマナー指導」という講演を行いました。「こうせ・・ああせ・・教育」から「気づき教育」への転換ということで、管理職が最低限指導してほしいマナー教育についての話がありました。具体的には、「第一印象のポイント せめて足服くせ」や「マナーの良い人が浮かない職場風土 マナーの悪い人が居づらい職場風土醸成」「指導教育の原則」「教育のPDCAを回す」といった内容でした。目新しい最新情報ではなく、マナー教育の基本の復習といった印象でした。

桜模様の不織布マスク姿で登壇

続いて、わたしが、「春」を意識した桜模様の不織布マスク姿で登壇しました。わたしは、まず「いま、マナー教育についての話がありましたが、総じてわが社の社員はマナーへの意識は高いと思っています。礼儀正しい社員は、冠婚葬祭業にとって宝です。最近、会計の本をよく読むのですが、非常に感銘を受けた記述がありました。それは、ライオンや象は動物園の固定資産であり、ペンギンやイルカは水族館にとっての固定資産であるということです。ならば、わが社のような『礼の社』にとって、社員のみなさんこそは資産であると思いました。旧来の経済学では『人件費』として従業員を『コスト』として見る伝統がありますが、これに異を唱えて『社員はコストではなく資産である!』と喝破したのが経営学者のドラッカーでした。このドラッカーの考えのように、わたしは社員のみなさんを資産であると考えています」と言いました。

「WBC2023」の話をしました

 

それから、「昨日、東京から戻ってきました。13日から脱マスクの日常が始まりましたが、北九州はもちろん、東京でもノーマスクの人は少ないです。5月にコロナが5類に移行するまでは少ないような気がします」と言いました。それから、「WBC2023」の話をしました。昨夜は、侍ジャパンがイタリア代表に完勝しました。今日の夜、アメリカに出発するそうですが、本当に史上最強のチームですね。特に、大谷翔平選手は正真正銘のスーパースターです。十頭身のイケメンだし! 

マスクを外しました

大谷選手は、ベーブ・ルース以来の「二刀流」プレーヤーとして、メジャーリーグに大旋風を起こしました。これまでメジャーリーグで活躍した日本人としては、野茂英雄イチロー、村上正則、松井秀喜、上原浩二、田中将大岩隈久志ダルビッシュ有・・・・・・数々の名選手がいましたが、大谷翔平は史上最高のスーパースターではないでしょうか? 明日13日からマスクの着用も自由化されますし、「WBC2023」は春の訪れそのものであり、それに加えて長かったコロナ禍が明ける祝祭のイメージです。そして、その祝祭のシンボルこそ大谷翔平なのです。

ウェルビーイング」について



先月の天道塾では、「ウェルビーイング」と「コンパッション」について話しました。「ウェルビーイング」という考え方が生まれたのは1948年ですが、そこには明らかに戦争の影響があったと思います。また、ビートルズの「LET IT BE」のメッセージをアップデートしたものがジョン・レノンの「IMAGINE」であることに気づきました。つまり、ウェルビーイングには「平和」への志向があるのだと思います。実際、ベトナム戦争に反対する対抗文化(カウンターカルチャー)として「ウェルビーイング」は注目されました。現在、ロシア・ウクライナ戦争が行われていますが、このような戦争の時代に「ウェルビーイング」は再注目されました。

「コンパッション」について



一方、「コンパッション」の原点は、『慈経』の中にあります。ブッダが最初に発したメッセージであり、「慈悲」の心を説いています。その背景には悲惨なカースト制度があったと思います。ブッダは、あらゆる人々の平等、さらには、すべての生きとし生けるものへの慈しみの心を訴えました。つまり、コンパッションには「平等」への志向があるのだと思います。現在、新型コロナウイルスによるパンデミックによって、世界中の人々の格差はさらに拡大し、差別や偏見も強まったような気がします。このような分断の時代に、また超高齢社会および多死社会において、「コンパッション」は求められます。地球環境の問題は別にして、人類の普遍的な二大テーマは「平和」と「平等」です。その「平和」「平等」を実現するコンセプトが、「ウェルビーイング」「コンパッション」なのです。


CSHWのハートフル・サイクルについて


熱心に聴く人びと

 

CSHWのハートフル・サイクルは、かつて孔子ブッダやイエスが求めた人類救済のための処方箋となる可能性があるのではないかと思います。「平和」と「平等」といえば、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生と18年間も意見交換し続けているテーマです。3月7日の夜は満月でした。この夜、わたしは「シンとトニーのムーンサルトレター第216信がUPされました。2005年10月18日の夜にわたしが第1信を投稿して以来、ムーンサルトレターはなんと18年目。翌8日、鎌田先生が 松柏園ホテルにお越しになられました。

鎌田東二先生との対談について

 

このたび、鎌田東二先生とわたしは「神道と日本人」をテーマに対談し、その内容は単行本化されることになっています。これまでにも鎌田先生とは何度か対談やトークショーやパネルディスカッションなどで御一緒しています。最初は、『魂をデザインする』に収録されている1990年11月でした。そのときに初めて鎌田先生にお会いしたので、わたしたちの親交も33年になります。わたしたちは大いに意気投合し、義兄弟の契りを結びました。今回の対談は、三分の一世紀を共に生きてきたわたしたち魂の義兄弟の1つの総決算となりました。対談は、松柏園ホテルの貴賓室で行われました。

「陰陽の宇宙」について

 

対談は5部構成で、1「神道とは何か」、2「神道と冠婚葬祭」、3「現代社会と神道」、4「神話と儀礼」、5「注目すべき人々との出会い」となっています。じつに多様なテーマで自由自在、縦横無尽に思考を巡らせ、言葉を紡ぎましたが、、現在のわたしのメインテーマである「ウェルビーイング」と「コンパッション」についても意見交換をしました。わたしは「陰陽の宇宙」について話しました。ブログ「大川隆法氏、死す!」で紹介したように、「幸福の科学」の大川総裁の逝去には驚きました。故人とわたしの間には多くの共通テーマがありました。でも、そのテーマの追求方法と実現方法がまったく異なりました。わたしは今、幸福を追求するキーワードとして「ウェルビーイング」と「コンパッション」に注目しています。


「太極図」を使って説明しました

 

幸福の正体は、ウェルビーイングだけでは解き明かせません。また、コンパッションだけでも解き明かせません。陰陽の2本の光線を交互に投射したとき、初めて幸福の姿が立体的に浮かび上ってくるように思います。それは、「死」があるからこそ「生」が輝くことにも通じています。太極図では、陰と陽が1つの円を作っています。陰陽は相反するものでなく1つのものが見せる異なったように見える姿です。陰と陽の光があたり、1つの円が見えてくるという感覚です。言い換えると、陰と陽がないと円は見えてきません。そして陰陽が繋がることによって神道でいう「産霊」が起動するように思います。わたしは、喜びと悲しみ、冠婚と葬祭、平和と平等、そしてウェルビーイングとコンパッションを繋ぎ、産霊の力によって「幸福」というものを実現したいと思いました。


「銭湯の宇宙」について

「会計の宇宙」について


男湯と女湯は別世界ですが、両者を繋ぐものとして「番台」の存在があります。BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)も別世界の指標ですが、両者を繋ぐものとして「利益」があります。同様に、ウェルビーイングとコンパッションを繋ぐものは「ケア」であると気づきました。ケアの中でもグリーフケアは、闇に光を射すことであり、天の岩戸開きに通じます。岩戸開きは「天晴(あっぱれ)」という言葉を生みました。鎌田先生いわく、この「天晴(あっぱれ)」こそは神道ウェルビーイングだそうです。また、「天晴(あっぱれ)」と同じ語源を持つものに「あはれ」があります。「もののあはれ」の「あはれ」です。鎌田先生いわく、この「あはれ」こそは神道的コンパッションだそうです。コンパッションは、キリスト教では「隣人愛」、仏教では「慈悲」、儒教では「仁」、そして神道では「あはれ」だというのです。これを聴いて、わたしは非常に感動しました。

「あっぱれ」と「あはれ」について

最後に、近刊著書の告知をしました

 

そして、ウェルビーングとコンパッションが神道的視点では同源だという事実には衝撃を受けました。ウェルビーイングが「天晴れ(あっぱれ)」で、コンパッションが「あはれ」、そのどちらも太陽光(SUNRAY)と深く関わっている・・・・・・すべてがサンレーの理念や活動と一糸の矛盾もなく繋がっていると悟りました。鎌田東二先生との対談は『古事記と冠婚葬祭~神道と日本人』のタイトルで今秋刊行予定です。また、『ウェルビーイング?』と『コンパッション!』の2冊が5月に同時刊行されます。さらには、『供養には意味がある』(産経新聞出版社)が4月に刊行されます。それから、詩人でもある鎌田先生の「春だ 春だよ 春だから 身も心も魂も 軽くなるのだよ」という最新の詩を紹介し、最後に「今日、春季例大祭も行いました。みなさん、春は近いです。わが社の春も近いです!」と笑顔で述べてから、わたしは降壇しました。

わが社の春も近いです!

最後は、もちろん一同礼!

 

2023年3月17日 一条真也