死を乗り越える日野原重明の言葉

 

一分一秒、長く生きることが
希望ではない。
いつか命は尽きるけれど、
与えられた時間を人のために使い、
最後の瞬間まで神様に用いられることが希望。
日野原重明

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、日野原重明(1911年~2017年)の言葉です。彼は、医師で聖路加国際病院理事長を務めました。105歳没。生涯を通じ、患者参加の医療や医療改革に向けての提言、終末医療など、多くの実績を残しています。



日野原重明先生に与えられた時間は105年間に及ぶものでした。先生の生涯は、まさに波乱万丈といえるものでしたが、その何倍も充実したものだったのではないかと推察します。年に一度、包括的な健康診断を行う人間ドックを導入したり、成人病という言葉を生活習慣病という表現に変え、定着させたり、また東京メトロオウム真理教サリン事件が発生したときには、聖路加国際病院で患者を受け入れました。12人以上の死者と数千人の負傷者が出ましたが、日野原先生の準備のおかげで、大勢の患者に対処できたといいます。

 

生きかた上手

 

88歳のときにはミュージカルの脚本を手掛け、『生き方上手』という本では一〇〇万部を超えるベストセラーになりました。どのジャンルをとって見ても、先生の活動は超一流でした。「一分一秒、長く生きることが希望ではない。いつか命は尽きるけれど、与えられた時間を人のために使い、最後の瞬間まで神様に用いられることが希望」という言葉を知り、わたしは人生に引退などないということを確信しました。



もちろん、日野原先生のように生きられるかどうか確証は持てません。しかしながら、それを目指すことはできます。ぜひ、このような堂々とした死生観を持ちたいものですね。なお、この本田宗一郎の言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2023年2月28日 一条真也