武内市長誕生!

一条真也です。
2月5日、任期満了に伴う北九州市長選が投開票され、無所属新人の元厚生労働省室長、武内和久氏(51)が初当選確実となりました。わたしは武内氏を応援していましたので、喜んでいます。16年ぶりに北九州市に新しい市長が誕生します。武内さん、本当におめでとうございます!

 

武内氏は、1971年(昭和46年)、大分県中津市杵築市出身の両親の下、佐賀県に生まれました。父親の転勤に伴って幼少期は佐賀県に始まり大分県熊本県、福岡県と九州各地で過ごしました。福岡県久留米市の私立久留米大学附設中学校・同高校から東京大学法学部に入学。1994年(平成6年)、厚生省(現在の厚生労働省)入省。その後一貫して医療・介護・福祉・子育て・年金・雇用分野を中心にキャリアを積んできました。武内氏は2019年の福岡県知事選にも出馬しましたが、氏の福祉を重んじる政策に共感したわたしは松柏園ホテルで開催された「励ます会」で応援演説を買って出ました。北九州市長選への出馬が決まった直後、サンレー本社を訪れた武内氏と大いに意気投合。北九州市を「コンパッション都市」にするという構想をお話ししたところ、「素晴らしい考えですね。ぜひ、やりましょう!」と言って下さいました。

サンレー本社の貴賓室で武内和久氏と


佐久間会長とのスリーショット

 

今年、その北九州市が誕生60周年を迎えます。門司・小倉・戸畑・若松・八幡の旧5市が合併に最終合意し、その調印式会場に選ばれたのが、わが 松柏園ホテルでした。わたし自身も60年前に松柏園で生まれたことから、「北九州市と自分は同い年の兄弟だ」と思ってきました。北九州市は、全国の政令指定都市の中でもっとも高齢化が進んでいます。世界一の高齢化率であることを考えると、北九州市は世界一高齢化が進んだ街と言えるでしょう。人口が100万人を切ったことから、北九州市の衰退が叫ばれています。しかし、わたしはつねづね、「高齢者が多いことは北九州の強み。それを悪いことと思い込んできたことが意気消沈してきた原因」と語っています。配偶者の死が自殺の要因となるケースも多いため、わが社は、近くで接する遺族の立ち直りを支援するグリーフケアを推進してきました。またNPO法人を設け、地域の独居高齢者らが集う「隣人祭り」を開き、孤独死防止を図ってきました。すべては、コンパッションに基づいた企業活動です。

毎日新聞」2022年10月30日朝刊

 

血縁や地縁の希薄化がみられる中、わが社では趣味などの新たな縁作りの手伝いにと、囲碁や俳句大会も開催しています。さらに、「ともいき倶楽部」「笑いの会」なども開催。こうした取り組みはコンパッション都市作りに通じます。全国で独居老人が増えていますが、わたしは、北九州市を高齢者特区にして、高齢者向けのショッピングセンターや娯楽施設、医療も受けやすくすることを提唱しています。孤独死しない隣人都市を作り、全国から独居老人が北九州に集まってくれば人口も増えます。さらに、困窮者やシングルマザー支援も充実させ、「困ったら北九州に行ってみよう」という街にする。そうすれば、北九州市は世界一のコンパッション都市となるでしょう。それは、そのまま互助共生社会の実現でもあります。武内新市長が強いリーダシップで北九州市を世界一の「コンパッション都市」にしてくれることを心から期待しています。もちろん、「コンパッション企業」を目指す サンレーはいかなる協力も惜しみません!

「財界九州」2023年新年号

 

高齢者も大事ですが、当然ながら都市の持続には若者も必要です。かつての八幡製鉄のような大企業がなくとも、北九州市に魅力ある中小企業がたくさんあれば、若者の働き方への考えが変化している中で、学生を引き留められるように思います。その意味で、市には企業の誘致や育成への努力が求められます。そして、北九州はコンパッション都市を目指すべきです。わがサンレーはコンパッション企業を目指します。北九州市は同い年の兄弟のような存在ですので、どちらが先に志を果たすか競争したいです。

 

2023年2月5日 一条真也