死を乗り越える松下幸之助の言葉

 

私は死の直前まで、
運命に素直に従いたい。
松下幸之助

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、松下電器産業(現パナソニック)創業者である松下幸之助(1894年~1989年)の言葉です。彼は、和歌山県生まれ。一代で世界的な総合家電メーカーに育て上げ、「経営の神様」と言われました。『道をひらく』『人間を考える』など著書多数。94歳没。



「経営者」というジャンルの最大のスーパースターが松下幸之助です。「金ない、健康ない、学歴ない」の〝三ない〟人間であった彼の成功の軌跡は太閤秀吉と比べられますが、晩節を汚すところなく現在のパナソニックを育てあげ、日本の高度成長に尽力した功績は色あせることはありません。松下幸之助ほど言葉の力を知っていた経営者はいないでしょう。多くの著作を遺しました。わたしが本を書くようになったのも松下幸之助の影響が大きかったです。

 

 

さらに松下幸之助がすごいところは、出版社まで作ったことです。メディアを持ち、そこから後世に残る本(製品)を作りました。PHP研究所というその出版社は、絵本から文庫・新書に至るまで、総合出版社として日本の文化の一役を担っています。PHPとは、「Peace and Happiness through Prosperity」であり、ここには「平和」と「幸福」、そして「繁栄」が謳われています。



「平和」と「幸福」だけなら、どんな思想家でも宗教家でも訴えます。しかし、松下幸之助は物心両面の調和ある「繁栄」を投通して「平和」と「幸福」を実現しようと考えました。ここが思想家としての松下幸之助の独創性であったと指摘したのは、「知の巨人」と呼ばれた故渡部昇一先生でした。なぜPHP研究所を作ったのかと問えば、きっと松下幸之助は「それが運命だから」と言ったことでしょう。なお、この松下幸之助の言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2023年1月26日 一条真也