悲しき加賀大観音像

一条真也です。
1月4日になりました。正月休みも終わりです。
4日の10時から松柏園ホテルの神殿で「新年祈願祭」、10時半から同ホテルのバンケットサンレーグループの「新年祝賀式典」が行われます。


ヤフーニュースより

 

さて、3日の早朝、当ブログに大量のアクセスが集中していることに気づきました。その数が尋常ではないので、「すわっ、新年早々に炎上か?!」と思って調べたところ、ブログ「加賀大観音像の中へ!」の記事が原因であることが判明。それは、今年の6月22日に ブログ「加賀大観音」で紹介した日本一の巨大観音像の関係者とお会いし、観音像の中に入ったことを紹介する内容の記事でした。さらに調べると、「危険な“巨大観音像”が全国に・・・老朽化で住民悲鳴『負の遺産』 10年放置の内部は? 解体・修繕に“億単位”費用」というネット記事の影響で当ブログへの流入者が多いことがわかりました。


ネット記事はFNNプライムオンラインのもので、どうやら2日に記事の内容にあるような巨大観音像についての報道がテレビで流れたようです。記事は、淡路島にある高さ100mの巨大観音像の解体ニュースに触れた後、「管理不足が招く“危険な観音像”は全国各地にある。街のシンボルが一変し、厄介もの扱い。危険な観音像の実態を取材した。取材班が向かったのは、石川・加賀市の住宅街。住民から不安の声があがっていたのが、住宅の間にそびえ立つ観音像。JR加賀温泉駅のすぐ近くにある、高さ73mの『加賀大観音』だ。この観音像は1988年、バブル期に不動産実業家が建てたもの。遊園地やホテルなどの施設もあって、総工費は約300億円といわれた。当時は、年間50万人の観光客で賑わう人気スポットだった。しかし、バブルの崩壊とともに会社が倒産。レジャー施設は閉鎖された。その後、施設の権利を誰が引き継ぐかをめぐり争いがおきたものの、一向に決まらず。施設はそのまま放置され、老朽化が進んだ」と書かれています。


また、加賀大観音像の近隣住民の声として、「この街の繁栄にはいいかなと思っていましたけど。地震とかが起きた時に、壊れて倒れたりするとちょっと怖い」「デメリットばっかり。メンテナンス、何もしてないもん」「もう20年くらいほったらかしだよ。負の遺産だわ」といった意見が紹介されています。仮にも観音様の姿をした建造物に対して「負の遺産」という意見があるのはショックでした。この人だけでなく、地元の意見は批判的なようですね。確かに、「石川県は地震が少ない」という幻想を2007年の能登地震が消し去って、地震による巨大観音像の倒壊が不安なのだろうと思いました。


加賀大観音像の前で

 

それにしても、観音像を建立するというのは観光目的ではなく、慰霊や鎮魂などが重要な目的であったはずです。加賀大観音像は「慈母観音」を造形化したものですが、まさに多様なグリーフの受け皿なのです。それが地元の人々から「負の遺産」などと言われる現状は本当に悲しいです。心なしか、観音像の顔が泣いているように思えます。ブログ「朝倉未来襲撃に思う」では、底辺乞食系YouTuberの煉獄コロアキの一連の炎上パフォーマンスが、国民的人気作品である「鬼滅の刃」の登場人物の中でも最も高い人気を誇る煉獄杏寿郎のイメージを甚だしく損なっている事実を指摘しました。同じように、加賀大観音像の現状は、観音信仰ひいては仏教そのもののイメージを甚だしく損なっているように思います。ここは行政だけでなく、仏教界にも立ち上がっていただき、加賀大観音像の未来が良い方向に向かうことを願うばかりです。合掌。


良い方向に向かいますように・・・

 

2023年1月4日 一条真也