「ふくおか経済」年末取材 

一条真也です。
6日の16時から、「ふくおか経済」の取材を受けました。金子大介さんが来社されました。取材のテーマは、年末恒例の「2023年の抱負」です。わたしは、ネクタイ、ポケットチーフ、不織布マスクをオレンジのコーディネートで臨みました。


本日の取材のようす

 

冒頭、翌7日に発売される110冊目の一条本となる『葬式不滅』(オリーブの木)について話しました。同書は、宗教学者で葬式無用論の代表的論客である島田裕巳氏の著書『葬式消滅』に対する反論の書です。当初、わたしは同書のタイトルを『葬式復活』にしようと考えていました。誤解のないように言うならば、葬式はけっして消滅していません。ゆえに復活させる必要はありません。では、なぜゆえ『復活』と考えたのか。それは、超高齢社会を迎えたわが国にとって、葬式も変わらなければいけないと思っているからです。

葬式不滅』について語りました

 

ましてや、コロナ禍の今、ポストコロナ時代を見据えて、葬式は変わらなければいけません。要・不要論ではなく、どう変化していくかです。わたしはそれを「アップデート」と呼びたいと思います。その結果、わたしは『葬式復活』ではなく、『葬式不滅』であると思い至りました。同書は、わたしにとって、『葬式は必要!』(双葉新書)、『永遠葬』(現代書林)に次ぐ「葬式三部作」の完結編となる書であり、使命と志の書でもあります。


コンパッション都市について

 

同書の中では、わたしが全互協の副会長時代に取り組んできたグリーフケア資格認定制度についても説明していますし、最後は「コンパッション都市」についても言及しました。今年5月に上梓した『論語と冠婚葬祭』(現代書林)とともに、葬式必要論の中核をなすと考えます。なお、『論語と冠婚葬祭』は12月10日付の「日本経済新聞」の葬式特集で、『葬式消滅』と一緒に取り上げられます。

心ゆたかな映画』について語りました

 

次に、現在話題の最新刊『心ゆたかな映画』(現代書林)について話しました。わたしは今年、100回以上映画館に足を運び、映画鑑賞しました。北九州市は人口1人当たりの映画館数が日本一の映画都市です。わが社は、市内のシネコンで全上映作品にCMを流しています。その北九州市でオールロケを敢行した日本映画「レッドシューズ」(雑賀俊朗監督)が北九州で先行上映されます。9日に行われる記念舞台挨拶で、わたしは主演女優の朝比奈彩さんに花束を贈呈する予定です。というのも、この映画に出演したからです。といっても、チョイ役です。セレモニーホールでのシーンに、主人公・真名美の親戚の役で出演しました。交通事故で亡くなった真名美の両親の葬儀のシーンですが、わが社の小倉紫雲閣で撮影されました。


最近の映画との関わりについて説明

 

小倉紫雲閣で撮影された映画といえば、2018年に公開された「君は一人ぼっちじゃない」(三村順一監督)でも舞台になりました。この映画では、松柏園ホテルでの宴席シーンも登場し、わたしは地元の富豪の佐久間社長(笑)に接待される経営者役で出演。「佐久間さん、今日はご馳走様。先にカラオケに行ってるからね」という間抜けなセリフもありました。映画といえば、拙著『愛する人を亡くした人へ』を原案とした映画「愛する人」(仮題)の製作が決定しています。驚くような有名俳優が出演する予定です。さらには、文部科学省の推奨を受けたグリーフケアドキュメンタリー映画の製作も決定しました。こちらにも、不肖わたしが出演します。


映画「愛する人へ」について

 

先日、旦過市場の大火で消失した老舗映画館の「小倉昭和館」のイベントを訪れました。無声映画活弁士付きで上映するイベントでしたが、高齢者の方々で満員だったので驚きました。映画好きの高齢者は多いということを痛感しました。コロナ前、わが社は互助会の会員様や高齢者の方向けに無料の映画上映会を行ってきました。紫雲閣の「セレモニーホールからコミュニティホールへ」の進化の一環です。最初は2018年7月21日に 小倉紫雲閣の大ホールで開催された「友引映画館」でした。この上映会は、葬儀や告別式の比較的少ない友引の日に、映画を通じて交流を深めていただこうという意味で「友引映画館」と名付けました。ステージには大スクリーンが掲げられ、通常の映画館と変わりない迫力で映画が楽しめます。


いろんな質問をお受けしました

 

2019年には友引映画館で「1939年映画祭」を開催しました。1939年は映画史における奇跡の年で、西部劇の最高傑作「駅馬車」、ラブロマンスの最高傑作「風と共に去りぬ」、ミュージカルおよびファンタジー映画の最高傑作「オズの魔法使」の三本が誕生しました。この三大名作が製作80周年を迎えた2019年に、わが社が3作を同時上映するという世界初の映画祭を開催したのです。多くの高齢者の方々が楽しんで下さいました。


さまざまな縁で「有縁社会」の再生を!

 

わたしは、同じ映画を観て心を通わせるというのは素晴らしい縁であり、映画の縁としての「映縁」だと思いました。映縁は永遠の心の結びつきとなります。映画による「映縁」、読書による「読縁」、囲碁による「碁縁」、俳句による「句縁」、温泉による「湯縁」、そしてグリーフケアによる「悲縁」・・・・・・わが社は、さまざまな「縁」づくりのお手伝いをして「無縁社会」を乗り越え、「有縁社会」を再生したいと考えています。


わが社の商品名は「おもいやり」

 

さらに、わが社は「悲しみを共にする共同体」としての「コンパッション都市」づくりに貢献したいと考えています。老い・病・死・死別の悲嘆をケアするコミュニティです。英語の「コンパッション」を直訳すると「思いやり」ですが、多くの著書で述べてきたように、思いやりは「仁」「慈悲」「隣人愛」「利他」「ケア」に通じます。なんと、わが社の互助会商品名は「おもいやり」というのです。わが社は、もともと、コンパッション都市ならぬコンパッション企業だったのです。


コンパッショナリー・カンパニーへ!

 

これまで、わたしの代名詞的な言葉であった「ハートフル」と「グリーフケア」の間をつなぐものも「コンパッション」であることに気づきました。ついに、究極のキーワードに巡り合った思いです。これからのサンレーは、「コンパッショナリー・カンパニー」を目指しますが、「ミッショナリー」から「アンビショナリー」、そして、「コンパッショナリー」へ。わが社が目指す企業コンセプトのアップデートの歴史はまるで大河ドラマのようです!

「ふくおか経済」2022年新年号

 

2022年12月6日 一条真也