北陸本部総合朝礼  

一条真也です。金沢に来ています。
14日の朝は前日の雨がウソのように素晴らしい晴天。早朝は気温11度と寒かったですが、太陽が昇るにつれて次第に気温も上昇していきました。サンレー北陸の総合朝礼および北陸本部会議に参加してから、北陸新幹線で東京に入ります。東京はコロナの新規感染者が増加中というので、ちょっと心配です。「第8波」の声も出ているとか。


今朝の金沢


朝食をしっかり頂きました

 

この日の朝、ホテルの朝食を食べました。
金沢は観光ブームのようで、今回は定宿が確保できませんでした。それでいつもとは違うホテルに宿泊したのですが、なかなか快適でした。疲れていたせいもあって、久々にぐっすり眠れました。朝食も洋食のバイキングは混んでいましたが、和食の店は空いていたので、加賀の食材をふんだんに使った和定食を美味しく頂きました。


扉が開かれ、入場しました


4カ月ぶりの総合朝礼です

 

11時からは、金沢紫雲閣で、サンレー北陸の総合朝礼を行いました。もちろん、ソーシャルディスタンスに配慮して人数を制限し、マスク着用です。わたしは気持ちを引き締めて、入場しました。

最初は、もちろん一同礼!


社歌斉唱のようす♪



今回は、7月6日以来の4ヵ月ぶりの北陸総合朝礼です。わたしは太陽みたいなレッドのコーデで参加しました。次第に気合が入ってきます。まず、総務課の伊藤課長による「開会の辞」に続いて全員で国旗・社旗拝礼の後に社歌をマスク越しに小声で斉唱しました。

「経営理念」および「S2M宣言」の唱和

わたしもマスク越しに唱和しました

 

それから営業推進部の梅田ブロック長によって「経営理念」および「S2M宣言」を小声で唱和しました。コロナ前は応援団のような大きな声で唱和していたものですが、これは仕方ないですね。何よりも感染防止が第一です!


登壇時に一礼しました


マスク姿で登壇しました

 

そして、いよいよ「社長訓示」です。
まず、わたしは「毎日、お疲れ様でございます。早いもので、今年も残すところ、あと1ヵ月半ですね。コロナ禍も3年目が終わろうとしていますが、互助会業界は良い会社と悪い会社が二極化してきたようです。コロナ禍で甚大な被害を受けた互助会業界ですが、徹底した経費節減や施設売却などの結果、コロナ前よりも利益率が高くなった互助会が全体の3分の1もあるといいます。そして、サンレー北陸もその1つです」と言いました。


マスクを外しました

 

それから、わたしは「石原慎太郎氏、稲盛和夫氏と、今年は本当にわたしが尊敬していた方がよく亡くなられます。『燃える闘魂』ことアントニオ猪木さんもその1人です」として、以下のように述べました。猪木さんの通夜・告別式は、戒名、祭壇、遺影、赤い闘魂タオル、BGM、出棺、猪木コール・・・まさに『アントニオ猪木さんらしい』お別れでした。さらに、猪木さんは、日本人の死生観にも大きな影響を与えたように思います。難病の「全身性トランスサイレチンアミロイドーシス」と闘い、その様子を公開することでファンのみならず一般の人々にも元気を届けました」と言いました。


猪木さんの葬儀について

 

その猪木さんは生前、その行動の真意とも言える「死についての考え」をスポーツ紙のインタビュー取材で独白していました。大ヒット日本映画「おくりびと」を引き合いに「これからは『死と向かい合う』っていう、そういうことへのメッセージを送らないといけないと思っています。『おくりびと』って、一時期はやったと思うんだけど、いわば『おくられびと』というね」と、決意表明ともとれる言葉を口にしました。「おくりびと」といえば、映画の原案者である作家・青木新門さんの「お別れの会」が富山で開かれ、わたしも参加いたしました。

おくりびと」について


熱心に聴く人びと

 

映画「おくりびと」が第81回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞してから、ずいぶん時間が立ちましたが、あの興奮は今でも憶えています。日本映画初の快挙でした。青木さんの著書『納棺夫日記』を原案とした映画「おくりびと」が公開されたことは葬祭業界においても非常に大きな出来事でした。映画の中での美しい所作と儀式は、お客様が望む葬儀の在るべき姿を映画というメディアで表現してくれました。ご遺族が大切にしている方をこうも優しく大事に扱ってくれるということはグリーフケアの上でも大切なことでした。『納棺夫日記』と「おくりびと」のおかげで葬祭スタッフに対する社会的地位も変わったのではないかと感じるところもあります。何よりも、自分の仕事へのプライドを彼らに与えてくれました。


青木新門さんについて

 

映画「おくりびと」の原案は、青木新門さんの『納棺夫日記』です。その青木さんの「お別れの会」が10月17日に富山で開かれ、わたしも参加いたしました。会場には、故人の書斎が再現されていましたが、その書棚の中には『唯葬論』や『永遠葬』をはじめ、多くの一条本があり、感動しました。青木さんは生前、島田裕巳さんの『葬式は、要らない』が出たとき、『葬式は、要る』という本を出される計画があったとお聞きしました。その後、青木さんとお会いしたとき、『葬式は絶対になくなりませんよ』と言われていました。その青木さんの遺志を継ぎ、わたしは島田さんの最新刊『葬式消滅』への反論書である『葬式不滅』を書き上げました。年内に刊行予定です。

「コンパッション」について

 

さて、今月18日、わが社は創立56周年を迎えますが、わが社のこれまでの歩を象徴するようなキーワードに出合いました。「コンパッション」という言葉です。大正大学宗教学者島薗進先生が行われた特別講義で初めて「コンパッション都市」というものを知りました。それは、「老、病、死、喪失を受けとめ、支え合うコミュニティ」であり、一言でいえば「悲しみをともにする共同体」です。その概念は、1986年の「健康づくりのためのオタワ憲章」(WHO)の原則に基づきながらも、それを人生最終段階ケアに適用し、共同体の責任としたものです。


「コンパッション都市」をつくろう!


熱心に聴く人びと

 

この共同体モデルでは、死にゆく人と非公式の介護者が社会的ネットワークの中心に置かれているという図を見ることができます。都市としては「コンパッション都市」と呼ばれますが、まさに互助会が創造すべきコミュニティのモデルだと思います。英語の「コンパッション」を直訳すると「思いやり」ですが、思いやりは「仁」「慈悲」「隣人愛」「利他」「ケア」に通じます。「ハートフル」と「グリーフケア」の間をつなぐ概念も「コンパッション」です。最近、米国バーモント大学臨床教授で医療社会学者のアラン・ケレハーの著書『コンパッション都市』が慶應義塾出版会から翻訳出版されました。わたしはブログで同書を要約・解説しました。


「コンパッション企業」を目指そう!

 

『コンパッション都市』の冒頭には、「生命を脅かす病気、高齢、グリーフ・死別とともに生きる市民がいます。また家庭でケアを担う市民がいます。そんな境遇にあるすべての市民を手助けし、支援するために組織される地域コミュニティ、それがコンパッション都市・コミュニティです」と書かれ、この用語の中心には、互恵性(reciprocity)と具体的行動(action)という考え方があります」と書かれています。「互恵」とは「互助」ということでもあり、互助共生社会の実現のために具体的行動を続けるわが社にとって、「コンパッション」はまさにドンピシャリの究極のキーワードであると思います。

ウェルビーイング」を超えるもの

 

現在、「SDGs」が時代のキーワードになっていますが、これは二〇三〇年で終わります。その後、「ウェルビーイング(wellbeing)という言葉が主流になると言われていますが、わが社ではすでに40年も前から使っていた言葉です。「ウェルビーイング」は健康についての包括的概念ですが、じつは決定的に欠けているものがあります。それは「死」や「死別」や「グリーフ」です。これらを含んだ上での健康でなければ意味はなく、まさにそういった考え方が「コンパッション」なのです。つまり、「ウェルビーイング」を超えるものが「コンパッション」であると言えます。


最後に道歌を披露しました

 

コンパッション都市の主体となるのは、地方自治体、葬儀会社、グリーフや緩和ケアに携わる組織だといいます。また、コンパッション都市実現のための具体的行動案として、「移動型の死への準備教室」「ご近所見守りパトロール」「コンパッション関連書の読書クラブ」「死を描いた映画の上映会」などが挙げられています。わが社の活動そのものです。これからのサンレーは、「コンパッショナリー・カンパニー」を目指しますが、「ミッショナリー」から「アンビショナリー」、そして、「コンパッショナリー」へ・・・わが社が目指す企業像のアップデートの歴史はまるで大河ドラマのようだと述べてから、わたしは以下の道歌を披露しました。

 

老いと死と死別と病
  受けとめし
悲しみの街 
    幸せの道(庸軒)

 

挨拶する東専務

東専務の話を聴きました

挨拶する岸事業部長


挨拶する青木部長

挨拶する山岸支配人

 

それから、北陸本部長である東専務の挨拶がありました。東専務は「変革」の重要性を訴えました。続いて、今年から北陸事業部長となった岸事業部長の挨拶がありました。緊張しながらも情熱的なメッセージから、岸事業部長のやる気を強く感じました。その後は、青木部長と山岸支配人が挨拶しました。

1級葬祭ディレクター試験合格者を表彰

みんなで合格者を祝福しました

 

その後、1級葬祭ディレクター試験合格者の表彰を行いました。今回は、3名の合格者に表彰状を渡しました。わが社には業界でも1・2を争う数の1級葬祭ディレクターが在籍しています。上級グリーフケア士およびグリーフケア士と併せて、人材の素晴らしさがわが社の最大の強みであると思っています。

これが「和のこえwithコロナ」だ!

ガンバロー✖3回

最後は、もちろん一同礼!

退場のようす


また、会いましょう!

 

最後は、全員で手をつないでの「和のこえ」のはずでしたが、手を腰に当てて「ガンバロー!」と3回唱和するウイズ・コロナ・スタイルとしました。金沢紫雲閣の浜辺支配人の音頭で、全員の心が1つになりました。こうして、明るい未来を拓くためのセレモニーを無事に行うことができました。みんなで力を合わせて、このコロナ禍を乗り切りたいです。その後、北陸本部会議を行ってから、わたしは金沢駅に向かいます。そこから、北陸新幹線で「第8波」のリスクを顧みずに東京に向かいます。コロナだろうが、台風だろうが、地震だろうが、「天下布礼」に休みなし!

 

2022年11月14日 一条真也