秋季例大祭&天道塾

一条真也です。
お盆休みは終わりました。
18日、早朝から松柏園ホテルの顕斎殿で秋季例大祭を行いました。わが社は「礼の社」ですので、コロナ禍にあっても祭礼や儀式を重んじるのです。もちろん、全員マスクを着けた上でソーシャルディスタンスを十分に配慮しましたが、心が洗われるようでした。

最初は、もちろん一同礼!

秋季例大祭のようす

ソーシャルディスタンスを取って

 

わが社の守護神である皇産霊大神を奉祀する皇産霊神社の瀬津隆彦神職が神事を執り行って下さいました。祭主であるサンレーグループ佐久間進会長に続いて、わたしは参列者を代表して玉串奉奠しました。参列者のみなさんの健康・幸福、社業の発展、そして新型コロナウイルス感染の終息を祈願させていただきました。猛暑が続いた今年の夏ですが、この秋季例大祭でいよいよ秋の訪れを感じるのでしょうか。

玉串奉奠する佐久間会長


わたしも玉串奉奠しました

最後は、もちろん一同礼!

 

秋季例大祭の後は、例年は朝粥会が開かれるのですが、今年は感染状況の悪化のために中止になりました。同じコロナ禍であっても、一昨年および昨年は実行したのに、まことに残念です。この後は、恒例の「天道塾」が開催されました。


天道塾でも一同礼!


佐久間会長が訓話をしました

天道塾では、最初に佐久間会長が登壇して、訓話をしました。会長は、「『終戦の日』から3日が経ちましたが、あの戦争が終わってから77年目でした。世界に平和が訪れることを願うばかりです。今日は、各事業部から半期を振り返っての報告をしてもらいます。コロナの感染状況の影響で1ヵ月遅れの報告になりますが、よろしくお願いします」と言いました。


未来について語る佐久間会長

 

それから佐久間会長は、「未来の年表」に言及し、「2024年から、団塊の世代が75歳以上になります。高齢者の5人に1人が認知症、男性の3人に1人が生涯独身という厳しい現実が待っていますが、なんとか明るい未来を拓きたいものです」と述べてから、降壇しました。


オンライン会議のようす

半期の報告を聴く


北九州本部は東専務が報告


康弘社長が「まとめ」の発表

 

続いて、「今年の半期を振り返って」として、インターネット会議が行われました。サンレーの北陸・沖縄・大分・宮崎・北九州の順で業績や活動の報告がありました。それぞれの地の本部長や事業部長が今年の総括と来年の展望について語りました。その後、サンレー沖縄の佐久間康弘社長が「まとめ」の発表を行いました。

最後に、わたしが登壇しました


マスクを外しました

 

それから、わたしが登壇して、総括をしました。
総括を終えた後、わたしは「毎日、本当に暑いですね。特に、北陸は記録的な大雨の後に猛暑が続いているようです。その北陸から、悲しいニュースが届きました。6日午前8時52分、詩人で作家の青木新門さんが肺がんで亡くなられたのです。心より御冥福をお祈りいたします。青木さんは、日本映画の名作『おくりびと』の原案として知られる『納棺夫日記』(文春文庫)の著者です。映画『おくりびと』といえば、第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞、第81回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞してから、ずいぶん時間が立ちましたが、あの興奮は今でも憶えています。日本映画初の快挙でした。この映画で主演の本木雅弘さんは、『ある本』に出会って大いに感動し、映画化の構想をあたためていたそうですが、その本こそ『納棺夫日記』。平成5年(1993)に単行本として桂書房から出版されベストセラーになった名作で、文春文庫にも入っています。


映画「おくりびと」について

 

納棺夫日記』を原案とした映画「おくりびと」が公開されたことは葬祭業界においても非常に大きな出来事でした。葬祭スタッフがお客様と話をする際に「おくりびと」という共通の話題と認識があることは、葬儀を担当する上でどれだけ助けられたことでしょうか。映画の中での美しい所作と儀式は、お客様が望むことを映画というメディアで表現してくれました。ご遺族が大切にしている方をこうもやさしく大事に扱ってくれるということはグリーフケアの上でも大切なことでした。『納棺夫日記』と「おくりびと」のおかげで葬祭スタッフに対する社会的地位も変わったのではないかと感じるところもあります。何よりも、自分の仕事へのプライドを彼らに与えてくれました。


青木新門さんの思い出


熱心に聴く人びと

 

青木さんには、富山で一度、お会いしました。そのとき、オークスさんのホテルで御馳走になりました。青木さんは「月への送魂」にご感心があると言われました。わたしは、その年の「隣人祭り 秋の観月会」にご招待させていただきたいと思っていました。しかし、諸般の事情から実現せず、まことに残念でした。一度、「月への送魂」を青木さんに見ていただきたかった! その他にも、青木さんから貴重なアドバイスもたくさん頂戴しました。青木さんとの会食は、わたしにとって、葬儀の意味を改めて学ぶことができた有意義な時間となりました。最後に青木さんは「葬儀は絶対になくなりませんよ」と言われました。「『葬式は、要らない』じゃなくて、『葬式は、なくならない』ですよ」とも言われました。


『葬式復活』の執筆を宣言!


熱心に聴く人びと

 

青木さんが訴えられた葬儀の意義と重要性は、日本の葬祭業界のみならず、日本人の死生観に広く影響を与えられました。青木さんは、島田裕巳氏の著書『葬式は、要らない』『0葬』に対する反論書を本当は自分でお書きになられたかったと思います。しかし、わたしのような若造が先に『葬式は必要!』と『永遠葬』を書いてしまいました。それでも、青木さんは「良い本を書いてくれました」と喜んで下さいました。まことに、感謝の気持ちに耐えません。今、三たび、島田裕巳氏は『葬式消滅』を発表されました。前の2冊と比較しても、今度の本が一番強力のように思います。わたしは、その反論書『葬式復活』を書くことを決意しました。本が完成したら、青木さんの霊前に捧げさせていただきたいと存じます。

葬儀は絶対になくならない!

 

また、映画プロデューサーの志賀司さん(セレモニー社長)と「青木さんの供養のためにも、『おくりびと』を超えるグリーフケア映画を作りましょう!」と誓い合いました。青木さんが言われた「葬儀は絶対になくなりませんよ」という言葉が、わたしの心の中で何度も繰り返されています。最後に、わたしは「納棺夫としての青木さんの葬儀への想いや死者への祈り、さらにはご遺族への思いやりは、いま、日本各地で続々と誕生しているグリーフケア士たちにも確実に受け継がれています。改めて、業界の偉大なる先達である青木新門氏の御逝去に哀悼の意を表します」と言って降壇しました。この後は、宗教哲学者の鎌田東二先生との打ち合わせ、および業界の会合に出席するために、京都に出張です!「天下布礼」に休みなし!


最後は、もちろん一同礼!

 

2022年8月18日 一条真也