死を乗り越える中村天風の言葉

 

明日に死を迎えるとしても、
今日から幸福になって
遅くないのです。(中村天風

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、異色の哲学者として知られた中村天風(1876年~1968年)の言葉です。彼は、実業家、ヨーガ行者、自己啓発講演家としても活躍しました。「天風」という号は、彼が最も得意とした随変流抜刀術の「天風」(あまつかぜ)という型からとられたものです。



異色の哲学者である中村天風は、政治高官をはじめ、多くの経営者が迷ったときに、意見を求めた人です。それゆえにフィクサー、影の首相などとも呼ばれていました。この天風の言葉を接すると、彼によってどれだけ勇気づけられたリーダーたちがいたのかと納得させられる気がします。



「老い」というと、将来がないという負のイメージかもしれませんが、幸福というものを追い求める気持ちは年齢に関係ないことを、この言葉は教えてくれます。では、どうすれば幸福になれるのかというと、感謝というものが大切です。天風は、生涯を通じて感謝の重要性を説きました。

 

 

「ありがとう」という気持ちを持ち続けていれば、不平、不満、怒り、怖れ、悲しみなどは自然に消えてなくなると訴えたのです。究極のポジティブ・シンキングですが、「とにかく、まずはじめに感謝してしまえ」という言葉を遺しています。わたしたちは、感謝すべき出来事があって、その後に感謝するのが普通です。しかし、いまここに「生きている」というだけでも、大きな感謝の対象になるというのです。こんな感謝の気持ちを持てば、幸福になれるに違いありません。この中村天風の言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2022年8月10日 一条真也