『死ぬまでにやっておきたい50のこと』

一条真也です。
81冊目の「一条真也による一条本」紹介は、『死ぬまでにやっておきたい50のこと』(イースト・プレス)です。「人生の後半を後悔しないライフプランのつくり方」というサブタイトルがついています。本書は、2017年1月27日の刊行です。

死ぬまでにやっておきたい50のこと

 

本書の帯には「新しい『終活』と『葬送』の形を提案してきた著者が発見した、『満足のいく人生』を全うするためのヒント」と書かれています。また、私淑する渡部昇一先生が「死への恐怖から解放される最善の法は、『生』を知り、幸福な晩年をイメージすること。一条さんの『死生観』は『教養』そのものだ」という推薦文をお寄せ下さいました。渡部先生には深く感謝しております。


渡部昇一先生の推薦文が記された本書の帯

 

アマゾンの「内容紹介」には、こう書かれています。
「自分の葬儀を具体的にイメージすることは、残りの人生を幸せに生きていくうえで絶大な効果を発揮します。友人や知人が弔辞を読む場面を想像する。そして、その弔辞の内容を具体的に想像してみる。そこには、あなたがどのように世のため、人のために生きてきたかが克明に述べられているはずです。自分の葬儀の場面というのは「このような人生を歩みたい」というイメージを凝縮して視覚化したものなのです。(本文より)」


本書の帯の裏

 

本書の「目次」は以下のようになっています。
はじめに 「これからの人生を悔いなく生き切るヒント」  
プロローグ  実りある人生をつくる
     「ライフサイクル」の考え方 

●人生の後半を豊かにする「三つの原則」
●「自分の葬儀」をイメージして生きる
●なぜ、日本では「若さ」が重視されるのか
●「老い」が尊重された江戸時代
●「青春」は若者だけのものではない
●老年期を前向きにとらえる
 「ライフサイクル」という考え方
●『論語』に学ぶ古代中国のライフサイクル
●老年期とは「実りの秋」である
ヒンドゥー教に学ぶ「林住期」「遊行期」の考え方

第1章  ライフサイクルづくりに必要な6のこと
01 「第二のライフプラン」を考える
02 何かを犠牲にしてでも好きなことをやり続ける
03 「人生の50のリスト」をつくる
04 人生に「締め切り」を設定する
05 「いつ死んでもいい」という覚悟を持つ
06 残りの人生を「日単位」で考える  

第2章  教養として身につけておきたい16のこと 
07 年齢を意識せず新しい趣味をつくる
08 成功した同級生をライバルと考える
09 学校に再入学する
10 「書斎」を持つ
11 過去に読んだ名著を読み返す
12 「こころの世界遺産」といえる本を読破する
13 地理や歴史を学んでから旅行する
14 観劇や展覧会ではガイドを聞く
15 テレビドラマを人生に重ね合わせて観る
16 目的意識を持って写真を撮る
17 「はひふへほの法則」を実践する
18 価値観の合う仲間に出会う
19 趣味は人を楽しませるためにやる
20 自分は「高齢者のなかでは若手」と考える
21 自分だけの「新しい哲学」を持つ
22 年齢差を障害と考えない  

第3章  最期まで楽しむためにやっておきたい11のこと 
23 ロマンを感じる場所に行く
24 自然の絶景に触れて「自分の小ささ」を知る
25 スポーツ観戦で「強い人間」の迫力に触れる
26 新しい飲食店を開拓する
27 「安倍総理が食べたカツカレー」を食べる
28 洋服は「量より質」で選ぶ
29 何歳になっても恋をし続ける
30 「もういいか」をやめる
31 「恥ずかしい」とは考えない
32 モノに執着しない
33 好きなことを成功するまでやり続ける 

第4章  世の中のためにやっておきたい10のこと 
34 「死に際」にお金を惜しまない
35 「お遍路さん」で日本の心に触れる
36 お墓参りをして「支えられていること」に感謝する
37 先に亡くなった大切な人に手紙を書く
38 個人的成功より社会的貢献をアピールする
39 「伊勢神宮」の荘厳さに触れる
40 「ありがとう」を口ぐせにする
41 お世話になった人に会いに行く
42 子や孫と料理をつくる
43 欧米の大富豪にならって「寄付」をする  

第5章  清々しい最期を迎えるために
    やっておきたい7のこと 

44 自分の葬儀に誰が来ているかを想像する
45 家族に迷惑をかける
46 年を取ることは「神に近づくこと」と考える
47 「長寿祝い」を盛大に行う
48 生前に自分の葬儀の計画を立てる
49 「自然葬」を選択肢に入れる
50 死とは「宇宙に還ること」と考える  
付録「一条真也が死ぬまでにやりたい50のこと   
おわりに
「死ぬまでに『夢をかなえる』ことの本当の意味」



本書では、死ぬまでにやっておきたいことを50個考えることを提案します。死の直前、人は必ず「なぜ、あれをやっておかなかったのか」と後悔します。 さまざまな方々の葬儀のお世話をさせていただくたびに耳にする故人や遺族の後悔の念・・・。そのエピソードを共有していけば、すべての人々の人生が、いまよりもっと充実したものになるのではないかと考えました。


講演で死生観の重要性を訴えました

 

わたしが経営する冠婚葬祭会社は、これまで多くの方々の葬儀のお世話をさせていただいてきました。そして、わたしは「終活」や死生観に関する本を何十冊も執筆してきました。いろいろな方の最期に立ち会い、「生」と「死」に関する古今東西の文献をひもとき、書きとめてきた経験を踏まえ、後悔のない人生を生き、そして「最期の瞬間を清々しく迎えるための50のヒント」をご紹介したいと考え、本書を上梓することにしました。あなたが老後を豊かにするために、やっておきたいことは何ですか?


夢だった映画出演は実現しました

 

わたしの場合、たしかにいろいろやっておきたいことはあります。50では足りないかもしれません。でも、それらはあくまでも「わたし個人がやりたいこと」でしかありません。たとえば、わたしは映画や格闘技が大好きなので、やりたいことには、それらに関するものが多いわけです。でも、そんな、ごく私的な希望を挙げたとしても、果たしてどれだけの共感を得られるか・・・・・・。読者のみなさんも、わたし同様に具体的なテーマをそれぞれにお持ちのことだと思います。わたしは本書では、具体的なことより考え方を語りました。しかし、抽象論に陥るのも避けたいので、できるだけ実例を交えながら語りました。


カツカレーを食べる安倍元首相

 

本書の27番目には、「『安倍総理が食べたカツカレー』を食べる」です。ブログ「安倍首相のカツカレー」で紹介したように、今月8日に亡くなられた安倍元首相の食事といえば、カツカレーが有名でした。2012年9月26日、東京・ホテルニューオータニで行われた安倍晋三自民党総裁選決起集において総裁選に「勝つ」ための験担ぎの食事としてカツカレーを食したのです。3500円のカツカレーでしたが、それをMBSテレビ情報番組「ちちんぷいぷい」が取り上げたために、ネットユーザーの間で注目を集めました。

安倍元首相のカツカレーを食べる

 

その数日後のある日、ニューオータニで打ち合わせがあったわたしはホテル内のレストラン「SATUKI」に入って、安倍首相のカツカレーを注文しました。わたしは、大きな声で「安倍首相が食べたことで有名になった、あのカツカレーをお願いします!」と言いました。注文を受けた男性は動じずに「あのカレーは宴会場で出されたものですが、それと同じものをお持ちいたします」と言いました。当時は、「安倍首相のカツカレーを」という注文が相次いだようですね。


すきやばし次郎本店」で食事する日米両首脳

 

あのブログ記事は2014年4月23日に書かれたものですが、その冒頭には「昨夜、銀座の寿司店すきやばし次郎本店』に安倍晋三首相がオバマ大統領を招待し、至高の寿司に舌鼓を打ったことが各メディアで報道されていますね。『すきやばし次郎本店』は、『ミシュランガイド』(東京版など)において、7年連続三つ星評価を受けた名店です。店主の小野二郎氏(88)は『三つ星の寿司職人』として外国人観光客にも知られています。小野二郎氏はドキュメンタリー映画二郎は鮨の夢を見る』にも出演しています。この映画は世界30カ国以上で公開され、各国から絶賛されました。特にヒットしたのがアメリカで、またたく間に全米で口コミによって評価を広げ、最終的には全米興行収入250万ドル超というドキュメンタリー映画としては異例の大ヒットとなりました。おそらくは、オバマ大統領も二郎氏のことを知っていたのではないでしょうか。オバマ大統領は寿司好きだそうで、店内ではカウンターで安倍首相と肩を並べて寿司をつまんだそうです。食事終了後、大統領は『おいしい寿司だった』と感想を述べたとか」と書かれています。

すきやばし次郎本店」の前で、小野二郎氏と

 

ブログ「『すきやばし次郎』で鮨を食らう」で紹介したように、昨日2022年7月27日の夕方、わたしは「 すきやばし次郎本店」を訪れ、ついに至高の寿司を心ゆくまで味わいました。96歳になられる店主の小野二郎氏が自ら握って下さり、最後は店の前で記念撮影にも応じて下さいました。「すきやばし次郎本店で寿司を食らう」ことは、わたしの死ぬまでにしたい50のことには入っていませんでしたが、じつは密かな願いでした。近々、あといくつかの願いも叶うような予感がしています。人生、頑張っていれば、たまにはご褒美もあるものですね!



2022年7月28日 一条真也