「利他」と「互助」の時代

一条真也です。
29日の小倉は最高気温35度の暑さでした。
この日は、朝から母校・小倉高校の評議員会議に出席しました。会議で、学校側から今後の教育方針などを聴く中で、「難関大学を受験する高い志を持った生徒の育成」といった言葉が出ました。それを聴いたわたしは、「それは志とは呼びませんよ」と言わせていただきました。


小倉高校の評議員会議に参加しました

 

わたしの持論ですが、夢と志は違います。一流大学や一流企業に入りたいというのは個人の「夢」に過ぎませんが、一流大学を卒業して社会的影響力のある仕事に就き、社会を良くしたいというのは立派な「志」です。後輩となる高校生のみなさんにはぜひ「志」を持って学び、生きていただきたいと申し上げました。隣に同じく評議員のお寺のご住職がおられましたので、「志は、仏教の利他の精神に通じますよね」と言ったら、ご住職は大きく頷かれました。


「利他」といえば、最近、YouTubeで感動系アニメが流行しています。ブログ「利他の精神と互助会」で紹介した「極貧少女とラーメンおやじ」や「同級生に、お弁当を分けてあげた私→20年後、火事から私を救ってくれたのは、なんと・・・」などが代表的ですが、今日も面白い動画を見つけました。「一文無しの老婆に寿司をごちそうしたら→俺の店がとんでもないことになった【スカッとする話】」というタイトルで、51万回以上再生されています。実話ではなく、フィクションです。話がちょっと極端ではありますが、「わらしべ長者」のような仏教説話の趣があります。登場する老婆は神仏の化身のように思えました。商売にとっての優先順位もうまく説明されています。「安売りして集客する」「SNSの積極利用」「ライバルの悪評を書き込む」・・・どこかの葬儀社や仲介業者のようなクズマが最後にジ・エンドとなったのは、まさに「因果応報」ですね。ワタル店主の「人を助けることは、自分を助けることだね」という言葉は、「利他から互助へ」の大いなる流れを示していると思いました。


しかしながら、ネットの世界は玉石混交。前の動画もちょっと極端なストーリーでしたが、さらに極端過ぎる動画を見つけました。「【漫画】廃業寸前のラーメン屋に5円だけ持ったボロボロの貧乏姉妹が来店。姉妹に5円でラーメンを満腹食べさせてあげた・・・20年後、店が潰れてホームレスになった俺の前に大人になったあの時の二人がやってきて・・・」というタイトルです。ここまでくると、やり過ぎで、逆効果ではないかと思いました。それに、どう見ても、「極貧少女とラーメンおやじ」のパクリのように思えてしまいます。それにしても、こんな一種のトンデモ動画が短期間で110万回以上も再生されていることに仰天。世の中が「利他」や「互助」を求めていることは間違いないようです。そう、コロナ禍を経て、「利他」と「互助」の時代が到来したのかもしれません。互助会であるわが社は、社会を良くするという大志(アンビション)を抱いて歩み続けていきたいと思います!

 

 

2022年6月29日 一条真也