渋澤健氏にお会いしました

一条真也です。
23日、佐賀に出張しました。
冠婚葬祭互助会のメモリードさんが経営するガーデンテラス佐賀ホテル&マリトピアで全互協九州ブロック研修会が開催されるのですが、講師である渋澤健氏と控室で面談しました。非常にフレンドリーな方で、わたしは3日前に発売されたばかりの最新刊『論語と冠婚葬祭』(現代書林)をお渡ししたところ、とても喜んで下さいました。


渋沢栄一の玄孫・渋澤健氏と


控室で『論語と算盤』にサインしていただく


ありがとうございます!


とても嬉しいです!


お互いの本を持って

 

渋澤健氏は1961年生まれ、「日本の資本主義の父」といわれる渋沢栄一の玄孫。コモンズ投信株式会社取締役会長。JPモルガン、ゴールドマン・サックスなど米系投資銀行でマーケット業務に携わり、1996年に米大手ヘッジファンドに入社、97年から東京駐在員事務所の代表を務めています。2001年に独立し、シブサワ・アンド・カンパニー株式会社を創業。07年、コモンズ株式会社を創業(08年にコモンズ投信株式会社に社名変更し、会長に就任)。経済同友会幹事。著書に、ブログ『渋沢栄一 100の訓言』で紹介した本など多数。


渋澤健氏の講演会のようす

心して拝聴しました

 

渋澤健氏の講演は14時からの開始でした。演題は「渋沢栄一の『論語と算盤』で未来を拓く~持続可能な社会と企業経営」でした。まさに、わたしが一番聴きたい話です。渋沢栄一が生きたのは、日本の社会が近代化に向けて大きく舵を切った変化の時代でした。当事者が好もうが好むまいが、変化は否応なく訪れるものです。そして、社会が変化する時代に、人々がかならずぶつかるのが、「本当に大事なものは何か?」という問いです。変化のなかで渋沢栄一が目指していたのは、国民が豊かに、機会平等な社会で暮らせることでした。また、当時の日本社会には、西洋に追いついたことで、おごりのようなものがあったと思われます。それを一度リセットし、なぜ自分たちが発展できたのかを見直し、原点回帰しなければ、子どもたちに豊かさをバトンタッチできないかもしれない・・・・・・そんな危機感も渋沢栄一にはありました。



渋沢栄一が抱いた危機感は、現代の日本にも通じることではないでしょうか。というのも、長年デフレデフレといわれながらも、日本人はかなりいい生活ができています。経済的にも、社会的にも、自然的にも豊かです。ただ、そこで思考停止してしまえば、その豊かさはいずれ失われます。そのことを目に見える形で示したのが、コロナ禍でした。自分や家族が大切なのはもちろんですが、家にこもっているだけでは社会が止まって大変なことになる。それを肌で感じた数カ月だったと思います。同時に、自分や家族を大切に思うからこそ、社会にも豊かさを還元しなければならない、ということも感じたのではないでしょうか。



渋澤健氏によれば、一人ひとりの行動、思いというものはけっして無力ではありません。ベクトルを合わせられれば、大きな時代変革を起こすことができるのです。今は、そんな時代の節目を迎えているのではないかと思っています。渋沢栄一が行ってきたことは、今の時代が必要としているものごとに見事にシンクロしています。だから『論語と算盤』は読み継がれ、今また、大きくクローズアップされることになったのです。時代が『論語と算盤』を呼び起こしたともいえます。


想いは受け継がれていく・・・・・・

 

渋澤健氏は渋沢栄一翁の玄孫(直系五代目)にあたりますが、じつは渋澤家が『論語と算盤』を代々受け継いできたというわけではないそうです。健氏自身、大学までアメリカにいたこともあり、40歳くらいまでは渋沢栄一といえば昔の人というイメージだったとか。しかし、実際に『論語と算盤』を読み始めてみると、今のことにあてはめて解釈すれば使えると気づいたのです。そこからブログなどで言葉を紹介しはじめ、現在は定期的に勉強会を開いておられます。渋澤健さん、本日は素晴らしい講演をありがとうございました。多くの学びを得ることができました。今後とも、どうぞ、よろしくお願い申し上げます!


渋澤健氏のサイン


論語と算盤』と『論語と冠婚葬祭

 

2022年5月23日 一条真也