冠婚責任者会議

一条真也です。
11日の11時から、松柏園ホテルバンケットザ・ジュエル・ボックス」で冠婚責任者会議を行いました。いつもは同じ会場に全国の責任者たちが所狭しと一同に会するのですが、新型コロナウイルスの感染防止に最大限に配慮し、福岡県以外の冠婚責任者たちはオンラインで参加。


会場に入るとサプライズが・・・・・・


誕生日を祝う花束をいただきました!


川俣副支配人と


「おめでとう!」と拍手の嵐!

 

わたしが会場に入ると、最初にサプライズがありました。そこにいた参加者全員で「お誕生日おめでとうございます!」と声を合わせて祝ってくれたのです。しかも、松柏園ホテルの川俣副支配人が素敵な花束を渡してくれました。さすがは祝うことのプロ集団です。このサプライズに、わたしは感激しました。川俣副支配人といえば、わが社のウェディングプランナーを代表的存在で、ブログ「ウェディング・ハイ」で紹介した映画に登場する篠原涼子演じるプランナーみたいな頼りになる姐さんです。


最初は、もちろん一同礼!


今日はグリーンのマスクで

 

松柏園のエバーグリーンを意識したコーディネートのわたしは、まず、「コロナ時代も3年目を迎えますが、結婚式の方はずいぶん増えてきたように思います。結婚して家族を作ることは人類が持続していくために最も重要なことであり、最大のSDGsであると言えます」と言いました。それから6月5日に長女も結婚式を迎えることに触れ、改めて「結婚とは何か」「結婚式はなぜ行うか」について考えていると告白しました。


「結婚とは何か」を問いました


マスクを外しました

まず、結婚とは何でしょうか。哲学者の内田樹氏は、 ブログ『困難な結婚』で紹介した本で「結婚しておいてよかったとしみじみ思うのは『病めるとき』と『貧しきとき』です。結婚というのは、そういう人生の危機を生き延びるための安全保障なんです。結婚は『病気ベース・貧乏ベース』で考えるものです」と述べていますこれを読んで、わたしは、基本的に内田氏の発言に賛同しつつも、夫婦の本質である「安全保障」を別の四文字熟語で置き換えたいと思いました。それは「相互扶助」です。二文字に縮めれば、「互助」となります。そう、互助会の「互助」です。そういうふうに考えれば、「夫婦は世界で一番小さな互助会」であるということに気づきます。

夫婦は世界で一番小さな互助会

 

次に、結婚式はなぜ行うか。それは、ずばり、離婚を防いで、夫婦という「世界で一番小さな互助会」を解散させないためです。 ブログ『結魂論』で紹介した拙著で詳しく述べましたが、日本の結婚式には離婚をしにくくさせるノウハウが無数にありました。仲人や主賓の存在、結納という儀式、文金高島田の重さや痛さ、大人数の前でのお披露目。どれも面倒でストレスのかかることばかりです。もうこんな大変なことは二度とやりたくない、それが安易な離婚の抑止力になっていたのです。昨今は(といってもコロナ以前)カジュアルな合コンの延長のような感覚で結婚パーティーを開いてしまうから、簡単に離婚してしまうのではないかとさえ思っています。


論語と冠婚葬祭』を紹介

 

わが社の冠婚部門が、これまで目指してきたのは、離婚発生率の低い結婚式場の運営です。結婚式場はいわば「夫婦工房」ですから、その作品である夫婦が離婚するということは、不良品や粗悪品を製造していることにほかなりません。離婚しない夫婦を作ることは最もお客様の利益、幸福につながるのです。 そして、離婚しない夫婦を作るためには、やはり儀式が大切です。お客様に儀式の大切さをしっかりとお伝えしなければなりません。ブログ『論語と冠婚葬祭』で紹介した、わが国における儒教研究の第一人者である大阪大学名誉教授の加地伸行先生とわたしの対談本がついに刊行されます。同書では、加地先生と「礼」について大いに語り合わせていただきました。

冠婚責任者会議のようす


熱心に聴く人びと

 

加地先生との対談では、ブログ『礼記』で紹介した、『論語』と並んで儒教の最重要聖典とされている書物の話題になりました。『礼記』の「昏義篇」には、「婚礼は敬しく慎んで重々しくまちがいなく進められていってそして夫婦が相親しむのである。それは婚礼がすべての礼の根本になる要素を持っているからである。そしてまたこのようにていねいに行なうことによって、男女が互にけじめを守って接するべきものであること、またこれが夫婦の間の義をたてることになることを教えている」(下見隆雄訳)と書かれています。これは非常に重要な記述です。


礼記』における婚礼について


熱心に聴く人びと

 

続けて、『礼記』には、そもそも男女の間にけじめがあってこそ夫婦の正しい結びつきは生じ、「夫婦の義があってはじめて父子の間にも肉親の愛がめばえるのであり、父子が正しい愛で結ばれていればこそ君臣の関係もこの感情をおし及ぼして正しく成りたつのである。こういうわけで、婚礼こそはすべての礼の本になるものといえるわけである。礼というものは冠礼から始まり、婚礼を本として、喪祭を重んじてその終りを慎むのである。朝聘の礼を尊んで君臣の義を正しく保ち、射郷の礼をほどよく行なうことによって人々の気持をとけあわせなごませるのである。こういうわけで、婚礼こそはすべての礼の最も重要なる根本と云えるわけである」と述べられています。

礼の最も重要なる根本とは?

 

わたしは、これを読んで不思議に思いました。というのも、一般に、儒教では「葬礼」を重視することが知られています。しかしながら、『礼記』では「葬礼」ではなく「婚礼」が礼の最も重要なる根本であると述べています。これは、一体どういうことかと不思議に思ったのです。この問題について、わたしは以下のように考えました。葬儀を行なうためには家族の存在が必要です。葬儀の当事者は死んでいるわけですから、自分では葬儀を行なうことはできません。その家族をつくるためには夫婦が子どもを授からなければならず、そのためにはまず結婚しなければならないわけです。

日本人の本質は家族主義!
 

「卵が先か鶏が先か」ではありませんが、家族を形成するにはまず結婚しなければ始まりません。礼の精神は天地に基づき、具体的な制度としての礼は男女の婚礼から出発する。このような世界観、宇宙観が古代中国には存在したのです。そして、その家族主義は中国・朝鮮・日本といった東アジア全体に拡がっていきました。欧米の影響でいくら個人主義が叫ばれようとも、東アジアの人々の基本は家族主義なのです。そして、冠婚葬祭という文化を支えているものこそ家族主義です。考えてみれば、結婚式や葬儀といった冠婚葬祭を行わなければ家族や親族といった「一族」が一同に会しません。そうなれば、ただでさえ進んでいる個人主義がさらに加速し、血縁というものは完全に崩壊するでしょう。


葬儀を行うためには、まずは結婚すること!


最後は、もちろん一同礼!


孤独死直葬、そして0葬などが話題になる現代日本において、「葬儀を行うためには、まずは結婚する」という認識が広まることを願ってやみません。そして、それは日本人の生存戦略にほかならないのです。そして、結婚は最高の平和です。最後に、わたしは「ロシアがウクライナに侵攻し、中国が台湾を狙い、世界大戦の危機が囁かれている今こそ、一組でも多くの夫婦が誕生するお手伝いをし、『最高の平和』を実現しようではありませんか!」と述べて、社長訓示を終えました。訓示後は、みんなでお弁当をいただきました。14時からは、全互協の儀式継創委員会にオンライン参加します。


いただきます!


みんなで、お弁当を食べました

2022年5月11日 一条真也