死を乗り越えるドストエフスキーの言葉

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人間は卑劣漢として生きることが
できないのみならず、

卑劣漢として死ぬこともできない。
人間は清らかに死なねばならない。
ドストエフスキー

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、ロシアの小説家・思想家であるフョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(1821年~1881年)の言葉です。代表作は『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』など。トルストイツルゲーネフと並び、19世紀後半のロシア小説を代表する文豪です。

 

 

それにしても、なんという美しい死生観でしょうか! ドストエフスキーの小説では、殺人を含む、多くの死が登場します。そのすべての死に対し、彼はこうした思いがあったのでしょうか。中には親殺しという鮮烈なテーマも描かれています。ロシアにはトルストイツルゲーネフなど、文豪といわれる作家が多くいますが、ドストエフスキーほど、死という現象に対して焦点をあて、真剣に向きあった作家はいません。

 

 

彼の多くの作品の中でも、わたしが心動かされた作品は、ドストエフスキーの最高傑作、集大成といわれる『カラマーゾフの兄弟』です。かの村上春樹氏も『カラマーゾフの兄弟』のような小説を書きたい、というほどです。じつは『カラマーゾフの兄弟』には続きがあったといいます。構想は出来上がっていましたが、それを書き上げる前に彼は突然亡くなってしまいました。ドストエフスキーがもう少し長生きをして、用意された続編を書き上げていたとしたら・・・・・・そんなことを想像してしまいます。なお、このドストエフスキーの言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2022年1月10日 一条真也