オススメ本ベスト10で『遊びの神話』が1位に!

一条真也です。
カリスマ書評家でコラムニストの尾藤克之氏が、ご自身のブログで「『尾藤克之のオススメ』で紹介した本から“ベスト10”を選出!」という記事をアップされています。同時に、「『読んでためになるビジネス書』独自ランキング!埋もれた良書に注目を【尾藤克之のオススメ】」をはじめ、約20のサイトに同様の記事が掲載されています。

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尾藤克之氏のブログより

 

日々、膨大な数の本を読まれる尾藤氏だけに、この記事には興味深い本が10冊並んでいますが、なんと拙著『遊びの神話』(東急エージェンシー出版事業部)を取り上げて下さいました。これは新年早々に嬉しい出来事です!

f:id:shins2m:20220107171026j:plain尾藤克之氏のブログより

 

遊びの神話』について、尾藤氏は「この本を最初に読んだのは学生時代。最近、バブル期の生活に関する取材を受ける機会があったのでコーナーで紹介しました。私の人生に影響を与えた一冊です」と書かれています。「人生に影響を与えた」とは嬉しい限りですが、昨年の1月23日、尾藤氏は同書の記事をネットにアップして下さいました。

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10以上のサイトに掲載されたという記事は「咲くだけで実をつけなかった「バブル」の本質を理解したいアナタへ!【尾藤克之のオススメ】」のタイトルで、いわゆるバブル時代について解説し、その本質が理解できる1冊として、1989年5月20日に刊行された『遊びの神話』を紹介しています。たとえば、「『ディスコ』とはどういう場所か」として、著者の一条真也さんがディスコを解説する箇所があります。ディスコで踊ることに、どのような意味があるのか書かれています」とし、以下を引用します。
「宗教人類学者の伊藤幹治氏は『宴と日本文化』において、沖縄の与論島で正月七日に行なわていた『ウタカキ遊び』という行事を紹介している。ウタカキ遊びの当日、島の老若男女が晴着を着て酒と肴をたずさえて丘に集まり、そこで飲食を楽しんだ。その限りでは別に珍しくも何ともないが、その際、若い男女が別々に集まって円陣をつくり、互いに歌を掛け合ったり、踊りをおどったりして楽しんだという」「さらにおもしろいのは、中にはこれが縁となって結ばれる男女もあったというのである。これはディスコでのダンパなどで、現代の若者たちが円陣をつくって『フーフー』とか『フェイフェイ』とか言いながら踊り、ナンパし、なかには結婚する者がいるのとまったく同じではないか! ウタカキ遊びのような例は、他にも世界各地に見られる」

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尾藤氏は「『男女が集い、酒を飲みかわし、音楽を楽しみ、踊りをおどるようなコミュニケーションは世界の至るところで見られていたのです。そのうえで、「ディスコとは野外の宴を吸収した空間である」と、一条さんは言います』として、「ディスコで踊りまくるとハイになれるのは、そこにおわす神と交信できるからかもしれない。では、ディスコにはどんな神がいるのかと聞かれると、正直言って、ぼくにはまだわからない。これから、つきとめていくつもりである」という言葉を引用されています。


遊びの神話』(東急エージェンシー

 

最後に、尾藤氏は「本書では、主にイベントの歴史と未来について説明されています。レジャーランドなら、プレジャー・ガーデンから、ディズニーランドの誕生、日本での成功の理由、これから流行すると思われるテーマパークが主題です。また、咲くだけで実をつけなかった、『バブル』という徒花(あだばな)を掘り下げることができる歴史書としても価値があるように思われます」と書かれています。たしかに、TDLをはじめとするテーマパークの成功は単なる経済的理由だけではなかったように思います。その意味で、『遊びの神話』は経済と文化がクロスオーヴァーした本だったのかもしれません。その後、このスタイルは、その後の一連の著書にも受け継がれました。尾藤さん、このたびは1位をありがとうございました。大変光栄です。これからも、よろしくお願いいたします!

f:id:shins2m:20220108120531j:plainJ-CASTニュース」などに掲載

 

2022年1月8日 一条真也