企業成長の鍵は「使命と志」

一条真也です。
29日は、サンレー本社の仕事納めです。
朝から社長室の片付けなどをしていますが、「ふくおか経済」2022年新年号(1月号)が届きました。ブログ「『ふくおか経済』取材」で紹介したわたしのインタビュー記事が掲載されています。

f:id:shins2m:20211229102525j:plain「ふくおか経済」2022年新年号

 

記事は、「2022年の抱負」のコーナーで、「企業成長の鍵は『使命と志』」「子ども食堂児童養護施設へ支援」「佐久間庸和 サンレー社長」の見出しで、以下のように書かれています。

―創業55周年記念出版『アンビショナリー・カンパニー』を発刊されました。
佐久間 社長就任から20年となり、公開社長訓示としてグループの指針をまとめた4冊目の著書となりました。おかげさまで好評をいただいており、儒教研究の第一人者である大阪大学名誉教授の加地伸行先生との対談をまとめた『儒教と日本人』も2月に出版予定です。

―著書の中で「志」の重要性を説かれていますね。
佐久間 これから企業に求められるのは、ミッション(使命)とアンビション(志)です。「志」は「夢」と混同されがちですが、個人の幸せや目標達成を目指す「夢」だけではなく、世の人々の幸せを願う「志」を持つことで、応援者が生まれ、その願いは叶いやすくなります。吉田松陰の言葉に「志なき者は虫(無志)である」とありますが、これはつまり「志あるものは無私である」ということです。「私」ではない「志」を持つことこそがソーシャルビジネスの根幹にあると言えるでしょう。その1つとして、12月に当社が指定管理者である福智町温浴施設「ふるさと交流館 日王の湯」で、子ども食堂を開催しました。天然温泉での子ども食堂は全国的にも珍しく、大変喜ばれており、毎月第2火曜に開催していきます。
北九州市内の児童養護施設の入所者向けには、七五三や成人式の晴れ着を無償レンタルする活動も始めました。衣装一式のレンタルに加えて、ヘアメークやプロカメラマンによる写真撮影まで当社が負担します。通過儀礼は子どもの存在や成長を肯定し応援するもの。これは生きる上で非常に大切であり、力になれることを嬉しく思います。

儀式がつなぐ持続性のある未来

―SDGsの実現に向けても貢献されていますね。
佐久間 冠婚葬祭はSDGsに深く関係しています。公に夫婦を証明する結婚式で秩序ある関係性を築き、大切な人の死の悲嘆を葬儀という儀式で軽減してきたからこそ、人類は「こころ」を安定させ、持続できてきたというのが私の持論です。これからはさらに一歩進み、死を「人生の卒業」と捉えることが必要でしょう。人は必ず死を迎えるのに不幸と捉えてしまえば、不幸に向かって生きていることになってしまいます。そして冠婚葬祭互助会は、儀式を執り行うことだけではなく、人生の卒業に向けて元気と夢や希望を与えるものとして、相互扶助の精神で生きるための応援団であるべきです。

―佐久間社長が提唱されてきた「グリーフケア士」の資格認定制度も始まりました。
佐久間 全国610人の有資格者のうち、当社スタッフが107人を占めています。当然、日本一の人数ですが、今年は200人まで増やしていきます。そして被災地などに派遣することも考えています。

―最後に抱負をお願いします。
佐久間 儀式の必要性の啓蒙活動とともに、社会に老いの豊かさを提言していきます。事業戦略としてはコミュニティホール「紫雲閣」を新たに5施設出店し、95施設体制を目指す方針です。また、実は国家的ビッグプロジェクトにアドバイザー的な立場で関わるかもしれず、その場合は成功に向けて力を尽くしていきます。

 

 

2021年12月29日 一条真也