一条真也です。
京都に到着したわたしは、京都駅に隣接するホテルに荷物を預けました。それから、ブログ「悲とアニマ展」で紹介した2015年開催の展覧会の第二弾「悲とアニマ~いのちの帰趨〜」展の第1会場である両足院に向かいました。京都最古の禅寺である建仁寺の境内にあります。
「悲とアニマ〜いのちの帰趨〜」展のチラシ
建仁寺の前で
建仁寺の由来書
建仁寺にて
両足院にて
最初の展示作品
展示作品を見る
鎌田東二氏の写真作品「合一」
展示作品
展示作品(金魚の映像)
展示作品
小清水漸作「雪のひま」
美学者の秋丸知貴氏と
池坊由紀氏の作品
池坊由紀氏の作品の前で
展示作品(生きた金魚入り)の前で
展示作品の前で
関根伸夫作「位相 大地」を解説される
2015年 3月に北野天満宮で開催した現代京都藝苑 2015「悲とアニマ」展は、伝統的な日本的感受性とは何かを理論と実践の両面から考察する日本学術振興会科学研究費助成事業「モノ学・感覚価値研究会」の活動の一環でした。当時、2011年 3 月 11日に発生した東日本大震災の記憶が徐々に薄れつつある中で、改めてそれがもたらした衝撃と向き合い、そこから名もない全ての生の悲しみに心を寄せつつ、社会の安寧と賦活の方向性を模索する現代美術の展覧会でありました。
両足院の庭園
両足院の庭園
建仁寺塔頭・両足院の庭園
両足院の庭園で
両足院の庭園を背に、秋丸氏と
2020年、わたしたちは新型コロナウィルス禍に見舞われました。これまで盤石と思われていた近代文明が想像以上に脆弱であり、誰もが底知れぬ不安に包まれる中で、今改めて本当に大切なものとは一体何かが問われています。古今東西の叡智が教えるように、生の充実は死と向き合う中にあり、そこにこそ伝統的な日本的感受性も自ずから現代的なかたちで立ち現れるのではないか。この観点から、東日本大震災から10年目の2021年、現代美術の展覧会「悲とアニマ〜いのちの帰趨〜」は開催されます。
看板の前で
最初の展示作品
展示作品の前で
展示作品
展示作品
展示作品
展示作品を見る
池坊由紀氏の作品
池坊由紀氏の作品の前で
地下の防空壕へ
防空壕も作品でした!
秋丸氏と打合せ
シンポジウムの趣旨を聞く
第1会場である 建仁寺塔頭・両足院では「彼岸」を、第 2会場である The Terminal KYOTOでは「此岸」を象徴する展示を行います。サンレーはこの画期的なイベントを協賛しています。そのため、出演するイベントの前日に京都入りして両会場を視察しました。当イベントを立案された「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生の写真作品も両会場に展示されています。 両足院の写真は「合一」というタイトルで、「天割れて 地もまた割れて 橋掛かり 永遠(とわ)に忘れじ 霊(たま)の音信(おとづれ)」という歌が添えられています。また、 The Terminal KYOTOの写真は「気仙沼のオーソレミーヨ」というタイトルで、「いのち立つ おのれ知りたる 山神の 巌(いわ)に書きたる 愛の碑文(いしぶみ)」という歌が添えられています。さらには、「悲とアニマ~いのちの帰趨〜」展全体のシンボル句として、「悲のみやこ おきてやぶりの 雷光と宇宙(そら)を翔けゆけ アニマの鳥と」が詠まれています。いずれも、魂の奥の琴線に触れるような素晴らしい歌だと思います。
この日は、久々に再会した「京都の美学者」こと秋丸知貴さんの案内で、現代アートの最前線を堪能しました。明日は、ブログ「『日本人と死生観』シンポジウムのご案内」で紹介した京都大学稲盛財団記念館でのイベントが開催され、わたしも出演しますが、秋丸さんが司会を務められます。鎌田先生をはじめ、物語研究の第一人者・やまだようこ先生(京都大学名誉教授)、定常型社会研究の第一人者・広井良典先生(京都大学こころの未来研究センター教授)など、日本を代表する学者の方々との全体討議も予定されており、とても楽しみです! あした天気になあれ!
2021年11月22日 一条真也拝