『アンビショナリー・カンパニー』

一条真也です。
106冊目の「一条本」となる『アンビショナリー・カンパニー』(現代書林)の見本が出ました。株式会社サンレー創立55周年記念出版。「サンレーグループの大いなる志」というサブタイトルがついています。著者名ですが、「一条真也」ではなく、「佐久間庸和」となっています。

f:id:shins2m:20211102165155j:plainアンビショナリー・カンパニー』(現代書林)

f:id:shins2m:20211102165213j:plainこれで4冊が揃いました!

 

これまで、ペンネームでは多くの著書を上梓してきました。しかし、本名、そして、サンレーの社長としては、『ハートフル・カンパニー』『ホスピタリティ・カンパニー』『ミッショナリー・カンパニー』(すべて三五館)に続く4冊目の出版となります。「出版寅さん」こと内海準二さんのプロデュースで、版元を三五館から現代書林に代えて上梓することができました。装丁は前作と同じデザイナーの方にお願いすることができました。快くデザイナーさんをご紹介下さった三五館シンシャの中野長武社長をはじめ、関係各位には心より感謝を申し上げます。

f:id:shins2m:20211102200833j:plain本書の帯

 

本書の帯にはわたしの写真が使われ、「サービス業からケア業へ 時代は大きく動いている!」の文字が躍り、「アンビション(大志)をもつ会社しか成長できない」「冠婚葬祭業=心のエッセンシャルワーク! それを証明するサンレーの思想と活動とは?」「株式会社サンレー創立55周年記念出版」と書かれています。

f:id:shins2m:20211102200855j:plain本書の帯の裏

 

帯の裏には、『ハートフル・カンパニー』『ホスピタリティ・カンパニー』『ミッショナリー・カンパニー』の3冊が紹介されています。また、カバー前そでには以下のように書かれています。
「わたしは、志というのは何よりも『無私』であってこそ、その呼び名に値するのであると強調したいです。吉田松陰の言葉に『志なき者は、虫(無志)である』というのがありますが、これをもじれば、『志ある者は、無私である』と言えるでしょう。平たく言えば、『自分が幸せになりたい』というのは夢であり、『世の多くの人々を幸せにしたい』というのが志です。夢は私、志は公に通じているのです。自分ではなく世の多くの人々、『幸せになりたい』ではなく『幸せにしたい』、この違いが重要なのです。真の志は、あくまでも世のため人のために立てるものなのであり、『志』に通じている『夢』ほど多くの人々が応援してくれるために叶いやすいのでしょう。わたしは、無縁社会を克服して、有縁社会を再生するという志を立て、そのために『人間尊重』思想を広める『天下布礼』に取り組んでいます」

f:id:shins2m:20211102173719j:plain新時代のM&Aは、ミッション&アンビション!

 

本書の「目次」は、以下のようになっています。
「まえがき」
「刊行に寄せて」佐久間康弘
第1章 ミッショナリー・カンパニー
     ――2016年12月

仕事の誇りは人生の幸福 自らの仕事に使命感を持とう!
第2章 「終活」から「修活」へ
      ――2017年1月〜12月

美しく人生を修め 有終の美を飾るお手伝いを!
北九州の成人式を変える 儀式で世直しをしよう!
『古事記』公演大成功! 大いなるサンレーの物語
美しき礼の島で誓い合う 冠婚葬祭で『人間尊重』の実現を!
ドラッカーの教えを生かし 第二創業期に大いに発展しよう!
老いる覚悟と死ぬ覚悟こそ 人生を美しく修める真髄だ!
『論語』を学び直そう そして、人の道を知ろう!
「空」とは「永遠」のことだった! 『般若心経』の真意を知る
ご先祖さまを大切にすれば 仕事も人生も好転する!
ヴィラルーチェOPEN! いま、お祝いの意味を考える
後期高齢者を光輝好齢者に変える コミュニティセンターを作ろう!
日本最大の国難を克服せよ 婚活事業こそ国策事業だ!
第3章 日本人と儀式
     ――2018年1月〜12月

日本人の「よりどころ」とは? 儀式の国ニッポンを支えよう!
絶対に失敗の許されない仕事 冠婚葬祭業に誇りを持とう!
創業以来空前の好業績 知行合一でさらなる前進を!
何よりも志が大切 天を相手に仕事しよう!
愛なき時代を生きる日本人 グリーフケアの普及に努めよう!
人生の四季を愛でながら生き 最後は堂々と旅立とう!
年中行事は「生活の古典」である! 「こころの備忘録」を大切に!
真の国際人となるために 聖典や経典に親しもう!
アップデートする冠婚葬祭 新たな儀式の時代を拓こう!
老いと死があってこそ人生 高齢者の覚悟を育むお手伝いを!
日日是好日 何事も陽にとらえて前進しよう!
月の光と太陽の光を届ける グリーフケア・サポートを!
第4章 冠婚葬祭互助会の使命
               ――2019年1月〜12月

平成最後、新元号最初の年 互助会のアップデートを目指そう!
新時代が来ようとも 冠婚葬祭互助会は不滅である!
東日本大震災を経て いま、グリーフケアの時代へ
新元号は「令和」に決定! 変えてはならないものとは?
儀式の時代が花開く 令和の時代に礼の輪を!
この世は縁に満ちている 全社員が縁行者を目指そう!
紫雲閣を災害避難所に 互助会から互助社会を作ろう!
八月は死者を想う季節 日本にはグリーフケア仏教がある!
グリーフケアの時代到来 日本一の実践集団を目指そう!
計画の成就は不屈不撓の一心にあり ただ想え、気高く、強く、一筋に
即位の礼に創立記念式典 儀式の力を改めて知ろう!
ローマ教皇来日 キリスト教の大いなる愛を知る!
第5章 グリーフケア時代の幕開け
               ――2020年1月〜12月

正月そして成人式 文化の核が日本人を幸せにする!
歌に託したわが社の志 言霊は最強の力となる!
グリーフケアの本質を考える 互助会が推進する理由とは!
パンデミック宣言とオリンピック延期 何事も陽にとらえて考えよう!
経済よりも社会が大事 日本で葬儀崩壊を起こすな!
コロナと共に生きる時代 死を乗り越える言葉を持とう!
コロナの時代を生きる 絶対に忘れてはならないこと
なぜ人間は死者を想うのか 礼欲という本能の発見
冠婚葬祭とは「糸」を張ること 日本人の幸福度を上げよう!
冠婚葬祭業は永久に不滅 互助会が日本の国難を救う!
コロナ禍の中で「礼」を考える 身体は離れても心を近づけるには?
コロナ禍の中での大ヒット 『鬼滅の刃』から学ぶこと
第6章 アンビショナリー・カンパニー
               ――2021年1月〜11月

社会現象となった『鬼滅の刃』 日本人の「こころ」の本質とは?
「論語と算盤」はサンレー哲学そのもの 利の元は義にあることを知ろう!
混ざりあった日本人の心 二宮尊徳の唱えた天道を知ろう!
グレート・リセットとは何か? いま、相互扶助の時代が始まる
儀式が日本人を幸福にする カタチのチカラを侮るなかれ!
さらば、ブルシット・ジョブ ケアワークの時代が始まる!
グリーフケア時代の幕開け さあ、心の仕事を極めよう!
葬礼を最重要視する儒教 冠婚葬祭の意味を考える
読書は心の中の森を育てる 本を読んで心を太らせよう!
注目されるリベラルアーツ グリーフケアの本質とは?
おかげさまで55周年 アンビショナリー・カンパニーへ!

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2021年11月度社長訓示

 

本書に収録されている文章は、わたしが社員のみなさんの前で話したメッセージです。いわゆる「社長訓示」と呼ばれているものです。すべてのメッセージは毎月の社内報に掲載してきました。また、ホームページ上にも「マンスリーメッセージ」としてアップされています。社内向けのメッセージを外に向けてもオープンにしているわけで、いわば「公開社長訓示」と言えるでしょう。これには、理由があります。多くの方々に「 サンレーの社長はこんなことを言っているが、現場では本当に実践できているのか」とチェックしていただきたいのです。いくら社長が口でうまいことを言ったとしても、お客様と接する現場で生かされていなければ何にもなりません。それを、ぜひ見ていただきたいのです。実際、「ちゃんと実行できていますね」とお褒めの言葉を頂戴することもあれば、「あそこの施設では、社長の考えと反対のことをやっているよ」とお叱りの言葉を受けることもあります。どちらも、ありがたいアドバイスであり、本当に感謝しています。

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リアル社長訓示のようす

 

また、最近ではホームページでの「公開社長訓示」を同業他社の経営者や社員の方々もよく読んで下さっているようです。自社での朝礼やスピーチで使わせてもらったという声もよく頂戴します。わが社の理念や取り組みが業界の皆様のヒントになれば、こんな嬉しいことはありません。前作の『ミッショナリー・カンパニー』に詳しく書きましたが、会社人として仕事をしていくうえで「ミッション」が非常に大切です。「ミッション」は、もともとキリスト教の布教を任務として外国に派遣される人々を意味する言葉でしたが、現在はより一般的に「社会的使命」や「使命感」を意味するようになっています。ミッション経営とは、社会について考えながら仕事をすることであると同時に、お客様のための仕事を通して社会に貢献することです。要するに、お客様の背後には社会があるという意識を待たなくてはなりません。

f:id:shins2m:20210401101735j:plainカンパニーズ・ビー・アンビシャス!

 

そして、ミッションと並んで会社人に必要なものが、アンビション、つまり「大志」です。「ボーイズ・ビー・アンビシャス」という言葉を聞いたことのある人は多いでしょう。ウィリアム・スミス・クラーク(クラーク博士)による有名な名言の1つで、「少年よ、大志を抱け」と訳されます。ならば、わたしは「カンパニーズ・ビー・アンビシャス(会社よ、大志を抱け)」と言いたい。企業理念として設定されている概念であるミッション、ビジョンは、米国では「古い」とされているとかで、それに代わる概念としてのパーパス(目的)が注目されています。パーパスは「志」と訳されることも多いですが、いかにも経営用語といった軽い印象があります。わたしは「志」にはアンビションという言葉を使っています。「大志」といった方がいいでしょうか。そもそも英語の「Ambition」は、「野望」と「大志」というように、良い意味でも悪い意味でも使います。「天下布武」という「信長の野望」の英訳は「Nobunaga‘s Ambition」ですが、「天下布礼」というわが社の大志は「Sunray‘s Ambition」。すなわち、サンレーの「M&A」は「使命」と「大志」のことなのです。

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わが社には大志がある!

 

志というのは何よりも「無私」であってこそ、その呼び名に値するのであると強調したいです。吉田松陰の言葉に「志なき者は、虫(無志)である」というのがありますが、これをもじれば、「志ある者は、無私である」と言えるでしょう。平たく言えば、「自分が幸せになりたい」というのは夢であり、「世の多くの人々を幸せにしたい」というのが志です。夢は私、志は公に通じているのです。自分ではなく、世の多くの人々、「幸せになりたい」ではなく「幸せにしたい」、この違いが重要なのです。企業もしかり。もっとこの商品を買ってほしいとか、もっと売上げを伸ばしたいとか、株式を上場したいなどというのは、すべて私的利益に向いた夢にすぎません。そこに公的利益はないのです。社員の給料を上げたいとか、待遇を良くしたいというのは、一見、志のようではありますが、やはり身内の幸福を願う夢であると言えます。真の志は、あくまで世のため人のために立てるものなのです。わが社には無縁社会を乗り越え、有縁社会を再生するという志、また、グリーフケアによって世の人々の悲嘆を軽くするという志、そして冠婚葬祭という儀式によって日本人を幸福にするという志があります。

f:id:shins2m:20211018092623j:plainこころのM&A戦略が大切!

 

今後の会社経営においてはミッション(使命)とアンビション(大志)による「M&A」戦略が必要とされます。特に「ホスピタリティ」を提供するあらゆるサービス業において、施設の展開競争に代表されるハード戦略は、もう終わりです。今後は、ますます「ハード」よりも「ハート」、つまりその会社の「想い」や「願い」を見て、お客様が選別する時代に入ります。まさにそのときに「M&A」が最重要となります。そして、サービス業そのものがケア業へと変貌を遂げていくように思えてなりません。いま、人類は未曽有の危機に直面しています。新型コロナウイルスによるパンデミックです。このたびのコロナ禍は世界中を疲弊させ、大きな不安と深い悲しみをもたらしました。今ほど、不安定な「こころ」を安定させる「かたち」としての儀式、悲しみに対処するグリーフケアが求められる時代はありません。

f:id:shins2m:20211102190347j:plainハートフル・エッセンシャルワークとは?

 

コロナ禍という前代未聞の国難を経て、社会が大きく変化しています。わたしはコロナ後の社会に関する本を大量に読みましたが、「資本主義の終焉」とか、「ビジネスの役割は終わった」とかのショッキングな論説が多いです。確かに一理ありますが、少し行き過ぎた部分も感じます。しかし、「グレート・リセット」とか、「エコノミーにヒューマニティを取り戻す」などのキーワードは的確であり、今後の社会では「相互扶助」が求められることを示唆しています。さらに今後のビジネスにおいては「ケア経済」が最大のキーワードです。そういったトレンドも踏まえて、わたしには、「これからは、冠婚葬祭互助会の時代ではないか」という思いがしてなりません。儀式やグリーフケアの分野は、社会に必要なハートフル・エッセンシャルワークであると確信します。

f:id:shins2m:20211102175303j:plain道歌を披露するようす

 

なお、本書に収められた社長訓示の最後には、メッセージの要約となる短歌が掲載されています。「庸軒」は、わたしの歌詠みの雅号です。江戸時代の石田梅岩が開いた「心学」では、人の道を説くメッセージ・ポエムとしての「道歌」が詠まれました。同じく、本書に登場する短歌も芸術性の追求ではなく、社員や読者のみなさんの理解を深めていただくための道歌をめざして詠んだものです。短いですが、わが志が込められていると思っております。本書の「まえがき」の最後には、「志つねに忘れず何事も 陽にとらへて前に進まん 」という道歌を披露しています。

f:id:shins2m:20211122114002j:plain「刊行に寄せて」

 

本書には、「刊行に寄せて」として、弟の佐久間康弘(株式会社サンレー〈沖縄〉社長)が素晴らしい心に沁みる文章を寄せてくれました。感謝を込めて、以下に紹介させていただきます。最初に、弟は「このたびは『アンビショナリー・カンパニー』のご刊行おめでとうございます。著者の佐久間庸和 は、私の実兄です。年齢が6歳も離れていることもあり、私にとっては兄というより人生の先輩です。我々の父である佐久間進は、國學院大學柳田国男折口信夫などの日本民俗学を研究していたこともあり、実家には国学民俗学を中心とした蔵書を収納する書庫があります。兄は幼い頃から二宮金次郎の如く、この書庫にある膨大な各種全集を読んでいました。いま思えば、これが経営者、教養人としての 佐久間庸和の原点になっているのでしょう。日本民俗学には『日本人を幸福にする』という志があります。実践重視の民俗学をもとに、冠婚葬祭という人間の幸せを第一に願う事業を構築した冠婚葬祭互助会を父が生業としたことに運命的なものを感じます。『冠婚葬祭で多くの人々を幸せにしたい』という父の使命感と志を、兄は引き継いでいます」と書いています。

f:id:shins2m:20131014012043j:imageハートフルに遊ぶ』(1988年5月20日刊行)

 

また、弟は以下のように書いています。
「1988年に『一条真也』のペンネームで刊行された兄の処女作は『ハートフルに遊ぶ』。『ハート化時代の柔らかな卒論』というサブタイトルが附されていますが、兄の大学での卒論は三浦梅園の思想研究という硬派な内容でした。三浦梅園は江戸時代に『慈悲無尽講』という保険的思想の相互扶助的システムを構築した人物で、結婚式とお葬式の二大儀式に備えるため、会員同士が助け合う相互扶助の仕組みである『冠婚葬祭互助会』と共通する思想です。『処女作にはその作家のすべてが含まれている』と言われますが、『ハートフルに遊ぶ』には永遠のテーマである『多くの人々を幸せにしたい』という志が一貫して流れています。このテーマは、その後の百冊を超える著書にも一貫しており、 サンレーの経営思想の構築に多大な影響を及ぼしています」

f:id:shins2m:20211102171344j:plain「鬼滅の刃」に学ぶ』(2021年1月28日刊行)

続けて、弟は「『ハートフルに遊ぶ』はトレンドを切り口として執筆されていたこともあり、当時はデートスポットのエッセイ等の連載依頼が多かったようですが、兄は毅然と断っていました。好評を博した兄の近著『「鬼滅の刃」に学ぶ』の出版後、寄せられた多くのオファーを断っているのと同じ構図です。私は『佐久間庸和は現代の二宮尊徳だ!』と考えており、一時的に売れるために執筆スタイルを変えて大衆に迎合する必要はなく、このままで良いと思っています。人間にとって真っ当な正論を書いていってほしいのです。戦前、二宮金次郎の物語は道徳の教科書に取り上げられ、全国の多くの学校に、薪を背負って歩きながら本を読む姿の像が建てられました。金次郎は長じて『尊徳』と名乗ります。尊徳の報徳思想は、経済と道徳の融和を訴え、私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されるというものであり、渋沢栄一の道徳経済合一説にも継承され、ドラッカーもその経営哲学を高く評価していました。また、父から連なるサンレー思想や互助会の本質『一人は万人のために、万人は一人のために』とも通じています。神道儒教・仏教のいいとこ取りをした教えや『至誠』『勤労』『分度』『推譲』といった思想は、日本人の社会規範や道徳としての精神的価値の基盤になっており、日常の家庭や職場、地域社会で生きていくうえでの有益な指針です。人生の指針となる本を執筆する佐久間庸和 は現代の二宮尊徳と言えるでしょう」と書いています。


孔子とドラッカー』(2006年4月18日刊行)

 

さらに、弟は以下のようにも書いています。
「兄の著書『孔子とドラッカー』の中で、『私は非常に弟を頼りにしている。私が広告代理店出身で企画・営業向きだとしたら、銀行出身の弟は財務・管理向きで、それぞれの足らない部分をうまく補い合っていると思っている。でも、私のほうが助けられることが圧倒的に多い。心から、自分には過ぎた弟だと思う。いつまでも一緒に仕事ができたらいいと心から願っている』と過分な言葉をもらっていますが、私は常に『自分が助けてもらっている』という実感しかありません。また、同書で『もともと同じ親から生まれて、同じ環境で育ってきたのだから、兄弟は考え方に共通するものがある。一緒に力を合わせれば、これほど心強い味方はいない』と書かれており、この考えには強く共感しています。お互いが何かを『得る』ためではなく『与える』ために、その関係に力を注ぐこと。これこそ、互助の精神の体現であると確信しています」

f:id:shins2m:20200107115646j:plain弟の佐久間康弘社長と

 

そして、弟は「ジム・コリンズの『ビジョナリー・カンパニー』では、独自の基本理念が求心力となり企業を継続的に進歩させるということでしたが、『ビジョナリー・カンパニーになれる正しい基本理念はない。それよりも理念が本物であり、どこまで理念を貫き通しているかの方が、内容よりもずっと重要である』とも警鐘を鳴らしました。その意味でも、佐久間庸和の理念は本物だと常々感じています。企業の掲げるべき『志』とは他人の幸せを願い、より良い社会をつくることに集約されます。今まで資本主義を駆動してきた欲望を超えて、他者にとって価値のあることをしたいという利他的な信念こそが志です。人間の高い志や熱意が周りの賛同を生み出し、新たな価値を生むのです。そして志を社内、社外に広め、共有することで、ますます価値は高まります。これからは『資本主義』ではなく『志本主義』の時代です。志を実現しようとする決意こそ、未来を切り開く力となります。兄であり、人生、経営の大先達である佐久間庸和 社長を輔翼しながら、志のある会社を目指していきます」と述べるのでした。

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「社長のおススメ本リスト」

f:id:shins2m:20211102174220j:plain「S2MAP」

巻末の「社長のおススメ本リスト」は社内報で紹介した「仕事に役立つ」本の一覧表であり、「S2MAP」では、わが社の各部門における経営理念の具体的実践目標をまとめました。コロナ禍で冠婚葬祭業を含むあらゆるサービス業が苦境にある中、創立55周年記念本を出版することにいささかの躊躇はありましたが、コロナを超えて、サービス業からケア業へとシフトを図るわが社のマニフェストとして上梓する決心をしました。本書には、わが社の志が述べられております。その志に共感し、さらにはサンレーが志を果たすのを応援してやろうという方が現れれば、こんなに嬉しいことはありません。本書は、11月26日に全国の書店およびネット書店で発売されます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

2021年11月2日 一条真也