死を乗り越えるアンデルセンの言葉

f:id:shins2m:20210902150635j:plain

 

すべての人間の一生は、
神の手によって書かれた
童話にすぎない。
アンデルセン

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、デンマーク童話作家・詩人であるハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805年~1875年)の言葉です。彼には、「人魚姫」「みにくいアヒルの子」「裸の王様」など約150編の童話のほか、小説『即興詩人』、連作童話『絵のない絵本』、自伝『わが生涯の物語』などの著作があります。「童話の王様」と呼ばれました。

 

 

アンデルセンは、涙は「世界でいちばん小さな海」だと言いました。わたしたちは、自分で小さな海をつくることができます。その小さな海は大きな海につながって、人類の心も深海でつながります。たとえ人類が、宗教や民族や国家によって、その心を分断されていても、いつかは深海において混ざり合うのだと思います。

f:id:shins2m:20131003132505j:plain涙は世界で一番小さな海』(三五館)

 

わたしには、『涙は世界で一番小さな海』(三五館)という著書があります。その本で、わたしは、ファンタジー作品を愛読していると告白しました。中でも、アンデルセンメーテルリンク宮沢賢治サン=テグジュペリの四人の作品には、非常に普遍性の高いメッセージがあふれていると考えています。ドイツ語の「メルヘン」の語源には「小さな海」という意味があるそうです。大海原から取り出された一滴でありながら、それ自体が小さな海を内包しているのです。



人間は涙というものを流します。では、どんなときに涙を流すのか。それは、悲しいとき、寂しいとき、つらいときです。また、他人の不幸に共感して同情したとき、感動したとき、そして心の底から幸せを感じたときです。つまり、人間の心はその働きによって、普遍の「小さな海」である涙を生み出すことができるのです。人間の心の力で、人類をつなぐことのできる「小さな海」をつくることができるのです。なお、このアンデルセンの言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2021年10月25日 一条真也