隣人祭り・秋の観月会 

一条真也です。
18日(月)の夜、北九州市八幡西区折尾のサンレーグランドホールで、秋のイベントが開催。そうです、「隣人祭り・秋の観月会」です。昨年はコロナ禍で中止となりましたので、2年ぶりの開催です。今夜は、十三夜です!

f:id:shins2m:20211018174947j:plainサンレーグランドホールの前で

f:id:shins2m:20211018175102j:plain2年ぶりの開催です!

 

無縁社会」という言葉が時代のキーワードになって久しいですね。わたしたちは無縁社会にどう向き合えばよいのか。さらに言うなら、どうすれば無縁社会を乗り越えられるのか。わたしは、その最大の方策の1つが「隣人祭り」であると思います。それは、地域の隣人たちが食べ物や飲み物を持ち寄って集い、食事をしながら語り合うことです。都会に暮らす隣人たちが年に数回、顔を合わせます。

f:id:shins2m:20211018175140j:plain一条本新刊コーナーで

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おかげさまでよく売れました!

 

隣人祭りのキーワードは「助け合い」や「相互扶助」でしょう。ならば、多くの人は日本の互助会を思い浮かべるのではないでしょうか。互助会は、正しくは冠婚葬祭互助会といいます。「互助」とは「相互扶助」を略したものです。わたしはフランスを中心にヨーロッパで起こった隣人祭りと日本の互助会の精神は非常に似ていると思っています。そして、わがサンレーはまさに互助会です。

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松柏園グルメ・コーナー

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日王の湯」コーナー

f:id:shins2m:20211018175925j:plain今年のキャンドル・アート 

 

無縁社会」が叫ばれ、生涯非婚に孤独死や無縁死などが問題となる中、冠婚葬祭互助会の持つ社会的使命はますます大きくなると思っています。いまや全国で2000万人を超える互助会員のほとんどは高齢者であり、やはり孤独死をなくすことが互助会の大きなテーマとなっているのです。早速、互助会のわが社では、2008年10月15日にサンレーグランドホテルにおいて開催された隣人祭りのサポートをさせていただきました。サンレーグランドホテルの恒例行事である「秋の観月会」とタイアップして行われたのですが、これが九州では最初の隣人祭りとなりました。日本の政令指定都市の中では最も高齢化が進行し、孤独死も増えていた北九州市での隣人祭り開催とあって、マスコミの取材も多く受け、大きな話題となりました。

f:id:shins2m:20211018175733j:plainポストコロナの「隣人祭り」のようす

f:id:shins2m:20211018175805j:plain観月会のようす

 

その後も、わが社はNPO法人ハートウエル21と連動し、隣人祭り日本支部公認のオーソドックスな「隣人祭り」の他、わが社オリジナルの「隣人むすび祭り」のお手伝いを各地で行ってきました。その後、年々回数を増やし、コロナ前は年間で700回以上も開催してきました。「隣人祭り」と「隣人むすび祭り」などを合わせれば、わが社は日本で地域の隣人が集う「隣人交流イベント」あるいは「地縁再生イベント」の開催を最もサポートしている組織だと思います。いや、世界でも5本の指に入るのではないでしょうか?

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今日は、家族も一緒でした

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今夜の月見御膳

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今夜の月見の椀

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いただきます!

 

本家のフランスをはじめ、欧米諸国の隣人祭りは地域住民がパンやワインなどを持ち寄る食事会ですが、そのままでは日本に定着させるのは難しいと考え、わが社がサポートする「隣人交流イベント」では、季節の年中行事などを取り入れています。たとえば、花見を取り入れた「隣人さくら祭り」、雛祭りを取り入れた「隣人ひな祭り」、節分を取り入れた「隣人節分祭り」、七夕を取り入れた「隣人たなばた祭り」、秋の月見を取り入れた「隣人祭り 秋の観月会」、クリスマスを取り入れた「隣人クリスマス祭り」といった具合です。おかげさまで好評のようすです。

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観月会のようす

f:id:shins2m:20211018184752j:plain今宵の月が上りました

 

今宵の月は厚い雲に隠れており、ヒヤヒヤしました。日本には「月見」の文化があります。日本人は月が好きです。日本文化を考えるうえでのキーワードは「自然」ですが、松尾芭蕉は、自然を「造化(ぞうか)」と呼びました。「造」はつくりだすこと、「化」は形を変えることです。英語の「ネイチュア」と見事に一致していますね。すなわち、ネイチュアとは、物ではなく運動なのです。そして日本の自然において、「雪月花(せつげつか)」がそのシンボルとなります。つまり、雪は季節の移り変わり、時間の流れを表わし、月は宇宙、空間の広がりを表わします。花は時空にしたがって表われる、さまざまな現象そのもののシンボルといえるでしょう。

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早淵鯉仙さんによる剣詩舞

f:id:shins2m:20211018192034j:plain早淵鯉仙さんによる剣詩舞

「造化」の三大要素の1つが「月」である意味はとても大きいと思います。日本では、明治の初めまで暦は中国にならって太陰暦を使っていました。いうまでもなく、太陰暦というのは月を基本にした暦であり、農耕のプランもそれによって決められていました。当然、日本人の生活全体にわたって月が深く関わってきたことがわかります。今夜、見事な月を見上げながら、わたしは古代日本人たちの「こころ」を、まるでテレパシーのように感じたような気がしました。観月会では、早淵鯉仙さんによる剣詩舞が披露されました。これは剣舞と詩舞という2つの舞踊を吟詩に合わせて舞う芸道で、日本刀(摸擬刀)や扇子などの道具を使って詩吟の情緒を表現します。

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フラダンスショーが行われました

f:id:shins2m:20211018183118j:plainフラには月がよく似合う

 

この日も、フラダンンスショーが行われました。総合芸術であると同時に宗教的な行為でもあるハワイの伝統的な歌舞音曲「フラ」の魅力を堪能しました。月あかりの下で繰り広げられるフラダンスは、まるで天女の舞のようでした。この夜は、多くの方々が月を愛でる「隣人祭り・秋の観月会」となりました。そして、いよいよ「月への送魂」が行われます。

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2021年10月18日 一条真也