大志を抱き続ける会社に!

一条真也です。
今朝は寒かったですね。午前7時の段階で、小倉の気温は14度でした。東京は11度だったとか。本当に、いきなり寒くなりました。18日、2年ぶりにサンレーグランドホールで「隣人祭り 秋の観月会」および「月への送魂」が行われます。とても楽しみですが、この日の早朝から、松柏園ホテルの神殿で恒例の月次祭が行われました。

f:id:shins2m:20211018080455j:plain神事の最初は一同礼!

f:id:shins2m:20211018080732j:plain月次祭のようす

f:id:shins2m:20211018080832j:plainコロナ完全対応で執り行われました

f:id:shins2m:20211018082114j:plain神事の最後は一同礼!

 

皇産霊神社の瀬津神職によって神事が執り行われましたが、祭主であるサンレーグループ佐久間進会長に続いて、わたしが玉串奉奠を行いました。一同、会社の発展と社員の健康・幸福、それに新型コロナウイルスの感染拡大が終息することを祈念しました。わたしと一緒に参加者たちも二礼二拍手一礼しました。儀式によって「かたち」を合わせると、「こころ」が1つになる気がします。

f:id:shins2m:20211018083630j:plain最初は、もちろん一同礼!

f:id:shins2m:20211018084708j:plain佐久間会長の訓話

 

神事の後は、恒例の「天道塾」です。最初に佐久間会長が登壇し、冒頭に英国のエリザベス女王が「世界のリーダーたちは、環境問題への取り組みが遅い。しっかりしてほしい」と苦言を呈したことを取り上げました。脱炭素社会についてもずいぶん調べたようで、地球環境への視点とSDGsの重要性を訴えました。また、岸田首相の掲げた「成長と分配の好循環」についての考えを述べました。

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グランピングに言及する佐久間会長

 

さらには、「グランピング」について言及。グランピングとは「グラマラス(豪華な)」と「キャンプ」を組み合わせた造語で、「キャンプ道具を用意しなくても気軽にキャンプを楽しめる体験」のことですが、会長自身が何十年も前から温めていたアイデアであることを告白しました。確かに、わたしが子どもの頃などは、松柏園の庭園でバーベキューなどが人気を呼んでいました。会長は、「山を見たり、海を見たりしながら、食事する」ことは最もリラックスできる行為であると述べました。

f:id:shins2m:20211018091859j:plainワインレッドの不織布マスク姿で登壇

 

続いて、わたしが、ワインレッドの不織布マスク姿で登壇しました。まず、「ずいぶんコロナの感染者も減ってきましたね。今夜は、2年ぶりの「月への送魂」を楽しみにしています」と述べました。わが社では、「月の広場」とか「月あかりの会」とか「ムーンギャラリー」といった名称を使っています。さらには、「月への送魂」や「月面聖塔」や「ムーン・ハートピア・プロジェクト」などもあります。そこには、同じ月を見上げることによって世界が平和になってほしいという願いや祈りが込められています。

f:id:shins2m:20211018091944j:plain「DUNE/デューン 砂の惑星」を語る

 

それから、いま世界中で大絶賛されているブログ「DUNE/デューン 砂の惑星」で紹介した映画について話しました。この映画は宇宙を舞台にしたSF超大作ですが、時代設定をなんと西暦10190年としています。今から8170年も先です。遠い未来社会において「礼」が重んじられているのが非常に感動的でした。アトレイデス家に仕える人々は、当主に惑星アラキスの原住民のリーダーが面会するとき、彼に礼儀正しさを求めます。また、会議に当主が入ってくると、なんと一同は起立します。西暦10190年の世界に「一同起立!」があるとは驚きました。「一同礼!」もあれば良いのに!(笑)

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未来社会にも「礼」と「儀式」は存在する!

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ここでマスクを外しました

 

さらに、未来の世界には、さまざまな儀式も存在します。映画の冒頭では、惑星アラキスをアトレイデス家が統治することになったことを記念する壮大なセレモニーが展開されました。結局、8170年先の未来でも人々は「礼」を重んじ、「儀式」を行っているのです。それは、社会を維持していくためには「礼」や「儀式」が必要なものであり、それは人間の本能によって支えられているということを示しているように思えました。西暦10190年という途方もない時代設定は、人類にとっての普遍を描くためだったのです。というわけで、「DUNE/デューン 砂の惑星」を観たわたしは、拙著『儀式論』(弘文堂)で展開した「人間が人間であるために儀式はある!」という自説の裏付けを得たような気になりました。

f:id:shins2m:20211018092028j:plain「SDGs」と冠婚葬祭互助会について

 

いま、「SDGs」が国際的なキーワードになっています。「持続可能な開発目標」という意味ですが、わたしは冠婚葬祭互助会は社会を持続させるシステムそのものであると考えています。結婚式は夫婦を生み、子どもを産むことによって人口を維持する結婚を根底から支える。葬儀は儀式とグリーフケアによって死別の悲嘆によるうつ、自死の負の連鎖を防ぐ。冠婚業も葬祭業も、単なるサービス業ではありません。それは社会を安定させ、人類を存続させる重要な文化装置なのです。「サービス業からケア業へ」ということで、わが社の今後の方向性の先に、「日王の湯」の運営もあります。ぜひ、共に入浴する「湯縁」によって有縁社会を再生したいと考えています。

f:id:shins2m:20211018092219j:plain互助会こそソーシャル・ビジネス!

 

また、SDGsは環境問題が注目されがちですが、人権問題も貧困問題も児童虐待・・・・・・すべての問題は根が繋がっています。そういう考え方に立つのがSDGsであるわけですが、その意味で入浴ができなかったり、1日に1回しか食事ができないようなお子さんがいるという現実に対して、見て見ぬふりはできません。コロナが落ち着いたら、日王の湯を解放して、子どもたちに風呂に入ってもらい、その後、食堂でカレーライスをお腹いっぱい食べてもらうイベントを開催したいと考えています。いずれはイベントでなく持続性のある活動も視野に入れ、さらには「子ども食堂」も運営したい。それは、新しい互助会の在り方だとも思います。そう、わたしは、互助会こそソーシャル・ビジネスであると考えているのです。

f:id:shins2m:20211018092903j:plainアンビショナリー・カンパニーでありたい!

 

七五三のような通過儀礼を挙げてもらえない子どもたちには、「合同七五三」の実行を考えています。児童養護施設のお子さんが成人式を挙げるお手伝いもしたい。孤独な高齢者には、「合同長寿祝い」も行いたい。すべての通過儀礼は「あなたが生まれたことは正しい」「あなたの存在をこの世界は祝福している」という存在肯定のセレモニーです。万物に光を降り注ぐ太陽のように、サンレーはすべての人に儀式を提供したい。この考えに賛同して下さる方々には、ぜひ、わがサンレーの互助会に入会していただきたいと思います。つまり、その事業の志と継続性を支援するクラウド・ファンディング的な意味での互助会募集です。わが社は、他者の幸せを願う志を持ったアンビショナリー・カンパニーでありたい。

f:id:shins2m:20211018092041j:plain眞子さまと小室さんの結婚について

 

それから、秋篠宮家のご長女である眞子様と小室圭さんの結婚について語りました。今月1日、宮内庁は会見の中で、眞子さまが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されていることを明らかにしました。これまで美智子上皇后、雅子妃もマスコミの誹謗中傷に心を痛められてきました。皇室の方々には自由がないことは百も承知で、つねづねお気の毒に思っておりますが、最も違和感をおぼえるのは、「いくら根拠のない誹謗中傷をされても、抗議もできないし、ましてや告訴など絶対にできない」ということです。世界中を見渡しても、こんな理不尽な立場があるでしょうか。戦後、日本国憲法で「人間天皇」を定めたのならば、同時に天皇陛下および皇室の方々の人権というものも考慮すべきですが、それが完全に抜け落ちています。これは絶対におかしい!

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熱心に聴く人びと

 

冠婚葬祭や年中行事といった日本人の儀式文化は、皇室の儀礼文化と密接な関わりを持っています。眞子さまと小室圭さんは今月26日に正式に結婚されることが決まりました。しかし、結納にあたる「納采の儀」や、天皇皇后両陛下に宮殿でお別れのあいさつをする「朝見の儀」など、女性皇族の結婚関連儀式はすべて行われず、皇室を離れる際の一時金も支給されないことが公表されました。これは眞子さまの希望によるもので、戦後初めての異例の結婚となります。わたしは、このことに深い懸念を抱いています。その理由は2つあります。1つは、儀式を中心とする皇室の権威が揺らぐこと、もう1つは国民の冠婚葬祭に与える心理的影響です。いずれも深刻な問題です。

f:id:shins2m:20211018092418j:plain正直な思いを述べました

 

お二人が一切の儀式をされずに結婚されて渡米すれば、多くの国民は「儀式なんて面倒なものをしない方が自由でコスパがいい」「今さら儀式なんか時代遅れだ」と考えるのではないでしょうか。そうすれば、結婚式を挙げることに否定的な若者も増えていくように思えます。お二人の脱・儀式婚がその神話と伝統を壊してしまうのは、まことに残念です。また、わたしが敬愛する渡部昇一先生が「結婚式をやらずに籍を入れるだけの夫婦や、家族を呼ばないで友達で集まって会をする夫婦もいる。しかし、できるならば、少なくとも両家の家族親類が集まった披露宴はするべきである。ささやかな披露宴もできないような結婚をしてはいけないと思う」と言われたことを思い出します。

f:id:shins2m:20211018092622j:plain人生の門出を祝福したい!

 

わたしは、お二人が自由の聖地であるニューヨークに行く前に、ぜひ結婚式を挙げていただきたいです。十二単は着なくても、眞子さまにウエディングドレスを着ていただきたい。冠婚葬祭業界が一丸となって、お二人に結婚式をプレゼントさせていただいてはどうでしょうか? 眞子さまが民間人となった時点で、東京で結婚式を挙げてから渡米していただくことはできないでしょうか。じつは、そのアイデアを業界内の会議でも提言しています。いかなる理由があるにせよ、わたしは、結婚するすべての若者には結婚式を挙げていただきたいと心から願っています。その理由はブライダル業界のためでも、個々の結婚式場やホテルのためでもなく、新郎新婦自身が幸せになるためです。

f:id:shins2m:20211018095220j:plain『私が見た未来 完全版』を紹介

 

それから、ブログ『私が見た未来 完全版』で紹介した話題の予言マンガに言及しました。同書のオリジナル版は「ノストラダムスの大予言」に多くの人々が恐怖した1999年7月に刊行されていますが、作者の予知夢によって東日本大震災が発生した「2011年3月」という年月を的中させたとのこと。アマゾンでは、総合ランキングで1位を独走しています。先日、関東で震度5強地震が発生しましたが、来る南海トラフ地震への不安がこの本に多大な注目を集めているのかもしれません。さらに、同書の作者は、2025年7月に大津波が来て、日本人の多くが死ぬという恐ろしい予言もしています。

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次なる社会はどのような社会か?

 

そして、次なる社会について、作者は「太陽が輝いていて、その光の中で誰もが一所懸命に働いたり、家族で仲良く食事を摂っていたり・・・・・・普通といえば普通の光景ですが、『平和』とは“安心できる”こと、とブータンの人たちがいっているように、『安心』こそが幸せだと思える社会なのだと思います。日本には『結』という言葉があります。『結』とは、労働力を提供し助け合う仲間たち。農作業などのとき、隣近所みんなで協働で助け合うのは当たり前のことでした。準備ができていれば被害は少なくてすむとはいえ、それなりの被害は避けられません。でも、そのとき仮に地球の人口が激減したとしても、残った人たちの心は決して暗くならないでしょう。心の時代の到来、つまり心と魂の進化が起こるからです」と述べています。

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熱心に聴く人びと

 

この「太陽が輝いていて、その光の中で誰もが一所懸命に働いたり、家族で仲良く食事を摂っていたり・・・」というくだりは、まさに佐久間会長のいう「グランピング」にも通じる世界ではないでしょうか。また、何よりも、「心の時代」が到来するという作者の言葉に、わたしは深い感銘を受けました。「平和」で「安心」な社会の前提となる太陽は、万物に光を降り注ぎます。わが社の社名である「サンレー」というのはSUNRAY、つまり太陽光線のこと。また、作者が取り上げた「結」という相互扶助システムは、サンレーの本業である「冠婚葬祭互助会」のルーツの1つであるとされています。わが社は、互助会のアップデートして自社施設を災害避難所として地域社会に提供しています。すでに大雨などの災害で避難所を提供していますが、将来的には地震津波などの災害支援をする可能性も高いと言えるでしょう。

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わたしは、『心ゆたかな社会』(現代書林)を書きました。100冊目の「一条本」である同書では、「心の時代」の到来を訴えています。作者の予言は、「サンレーよ、高い志をもって世の中を明るくせよ!」というメッセージであり、今年の11月18日に創立55周年を迎えるわが社へのエールのように思えてなりません。何事も陽にとらえて、他者の幸せを願う志を掲げていれば、企業は必然的に発展していくものと確信しています。志は現在「パーパス」という言葉でビジネス界でも流行しています。わたしは、いま、「パーパス」について書かれた本をすべて入手し、片っ端から読んでいます。

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「アンビション」は「パーパス」を超える!

 

それらによると、「パーパス(=企業の社会的存在意義)」は2020年代の最重要コンセプトだそうです。SDGs、気候変動、ESG投資、サステナビリティジェンダーギャップ、テクノロジーへの反発などを視野に入れ、社会課題の解決が戦略の中心に置かれる時代の、「利益の追求」と「社会を良くする」を両立させる新しいビジネスの形を追求することが求められています。今、なぜこれほどパーパスに注目が集まるのか。それは、社会そのものが「意義化」しているからなのかもしれません。「パーパス」はサンレー創立55周年記念出版である『アンビショナリー・カンパニー』のテーマである「アンビション」との共通点も多いと言えます。しかしながら、わたし自身は、「パーパス(志)」を超えるものが「アンビション(大志)」であると考えています。

f:id:shins2m:20211018100237j:plain最後は、もちろん一同礼!

 

かのクラーク博士は「ボーイズ・ビー・アンビシャス」と言いましたが、わたしは「カンパニーズ・ビー・アンビシャス」と言いたい。そして、基本がソーシャルビジネスである冠婚葬祭互助会ほど大志を掲げ、かつ、それを果たせる業界はないと思います。最後に「いよいよ11月18日の創立55周年まで、あと1カ月。「サンレーが発展すればするほど日本が良くなる」という気概をもって、頑張っていきましょう!」と言ってから、わたしは降壇しました。その後に佐久間会長がマイクを取って、「今の社長の話を聴いて、わが社の考え方は間違っていないと思いました。これからは、『人間尊重』から『自然尊重』への転換が求められます。人間も自然の一部ですから」と締めくくりました。大志を果たす会社の未来は明るいと信じます。

f:id:shins2m:20211018074931j:plainカンパニーズ・ビー・アンビシャス!

 

2021年10月18日 一条真也