冠婚責任者会議

一条真也です。
11日の11時から、サンレー本社の会議室で冠婚責任者会議を行いました。いつもは同じ会議室に全国の責任者たちが所狭しと一同に会するのですが、新型コロナウイルスの感染防止に最大限に配慮し、福岡県以外の冠婚責任者たちはオンラインで参加しました。

f:id:shins2m:20211011110417j:plain最初は、もちろん一同礼!

f:id:shins2m:20211011110431j:plainピンクのマスクは派手ですか?

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鬼滅の刃』(集英社)より

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「鬼滅の刃」に学ぶ』もよろしく!(笑)

 

冒頭の社長訓話で、わたしは各地の冠婚責任者たちに向かって、「コロナ禍の中、これまで十分な活動もできなかったことと思います。みなさんのストレスや不安はよく理解できます。緊急事態宣言やマンボーも解除されたので、安全を意識しつつ励んでいただきたい。ワクチンを2回接種しても油断せず、みなさんも感染対策には最大の注意を払って下さい」と述べました。いよいよ冠婚の季節が始まるということで、お祝いの意味を込めて、今日のわたしは、ピンクのマスク・ネクタイ・ポケットチーフの装いです。『鬼滅の刃』の祭りの神・宇髄天元にならい、「こっからはド派手に行く!」と言うと、笑いが起こりました。

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こっからはド派手に行く!

 

いま、「SDGs」が国際的なキーワードになっています。「持続可能な開発目標」という意味ですが、わたしは冠婚葬祭互助会は社会を持続させるシステムそのものであると考えています。結婚式は夫婦を生み、子どもを産むことによって人口を維持する結婚を根底から支える。葬儀は儀式とグリーフケアによって死別の悲嘆によるうつ、自死の負の連鎖を防ぐ。冠婚業も葬祭業も、単なるサービス業ではありません。それは社会を安定させ、人類を存続させる重要な文化装置なのです。冠婚葬祭が変わることはあっても、冠婚葬祭がなくなることはありません。

f:id:shins2m:20211011110606j:plainハートフル・エッセンシャルワークとは?

 

さらには、「ケアすることは、自分の種々の欲求を満たすために、他人を単に利用するのとは正反対のことであり、相手が成長し、自己実現することを助けること」などのケアについての自分の考えを明らかにしました。葬祭業は、サービス業というよりもケア業です。他者に与える精神的満足も、自らが得る精神的満足も大きいものであり、いわば「心のエッセンシャルワーク」あるいは「ハートフル・エッセンシャルワーク」と呼ばれるでしょう。これは葬祭業に限らず、ブライダル・ビジネスでも同様です。これからの冠婚業は新郎新婦をはじめ、祝われる方々のさまざまなケアを心掛けなければいけません。

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熱心に聴く人びと

 

「サービス業からケア業へ」ということで、わが社の今後の方向性の先に、「日王の湯」の運営もあります。このたび、わが社は福岡県田川郡福智町にある「ふるさと交流館 日王の湯」を管理・運営することになりました。リニューアル工事をした上で、9月10日に正式オープンしました。8000坪の敷地、310坪の温泉棟、154坪の宿泊棟、264坪の大宴会場という、福岡県最大級のスケールです。高齢者の会員様が多い互助会との相性が良い。この施設をベースに、共に入浴する「湯縁」によって有縁社会を再生したいと考えています。

f:id:shins2m:20211011110933j:plain互助会こそソーシャル・ビジネスだ!

 

SDGsは環境問題が注目されがちですが、人権問題も貧困問題も児童虐待・・・・・・すべての問題は根が繋がっています。そういう考え方に立つのがSDGsであるわけですが、その意味で入浴ができなかったり、1日に1回しか食事ができないようなお子さんに対して、見て見ぬふりはできません。コロナが落ち着いたら、日王の湯を解放して、子どもたちに風呂に入ってもらい、その後、食堂でカレーライスをお腹いっぱい食べてもらうイベントを開催したいと考えています。いずれはイベントでなく持続性のある活動も視野に入れ、さらには「子ども食堂」も運営したい。それは、新しい互助会の在り方だとも思います。そう、わたしは、互助会こそソーシャル・ビジネスであると考えているのです。

f:id:shins2m:20211011110854j:plainこれからの互助会の在り方とは?

 

七五三のような通過儀礼を挙げてもらえない子どもたちには、「合同七五三」の実行を考えています。孤独な高齢者には、「合同長寿祝い」も行いたい。すべての通過儀礼は「あなたが生まれたことは正しい」「あなたの存在をこの世界は祝福している」という存在肯定のセレモニーです。万物に光を降り注ぐ太陽のように、サンレーはすべての人に儀式を提供したい。この考えに賛同して下さる方々には、ぜひ、わがサンレーの互助会に入会していただきたいと思います。つまり、その事業の志と継続性を支援するクラウド・ファンディング的な意味での互助会募集です。

f:id:shins2m:20211011114006j:plainアンビショナリー・カンパニーでありたい!

わが社は、他者の幸せを願う志を持ったアンビショナリー・カンパニーでありたい。わたしは儒教研究の第一人者である加地伸行先生と対談し、もうすぐ『儒教と日本人』という本を出版し、来年には『論語論』という本を出す予定です。『論語』で孔子が訴えている最大のメッセージとは、「他者を幸せにする志を持て!」ということだと思います。今年の11月18日に創立55周年を迎えるわが社には「志」があります。わが社は、志のある会社としてのアンビショナリー・カンパニーであり続けたいと願っています。カンパニーズ・ビー・アンビシャス!

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眞子さまと小室さんの結婚について

 

それから、秋篠宮家のご長女である眞子様と小室圭さんの結婚について語りました。読売新聞社が今月4~5日に実施した緊急全国世論調査で、眞子さまと小室圭さんが結婚されることについて、よかったと思うかを聞くと、「思う」との回答は53%と半数を超え、「思わない」は33%でした。年代別にみると、全年代で「思う」が上回っており、眞子さまや小室さんの同年代が含まれる18~39歳では「思う」が59%に上っています。小室家の金銭トラブルに起因する一連のバッシングを考えると、意外に高いというのが印象です。というより、ここ最近で一気に潮目が変わってきた気がします。

f:id:shins2m:20211011114609j:plain熱心に聴く人びと

 

1日、宮内庁は会見の中で、眞子さまが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されていることを明らかにしました。これまで美智子上皇后、雅子妃もマスコミの誹謗中傷に心を痛められてきました。皇室の方々には自由がないことは百も承知で、つねづねお気の毒に思っておりますが、最も違和感をおぼえるのは、「いくら根拠のない誹謗中傷をされても、抗議もできないし、ましてや告訴など絶対にできない」ということです。世界中を見渡しても、こんな理不尽な立場があるでしょうか。戦後、日本国憲法で「人間天皇」を定めたのならば、同時に天皇陛下および皇室の方々の人権というものも考慮すべきですが、それが完全に抜け落ちています。これは絶対におかしい!

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皇室の儀礼文化について

 

冠婚葬祭や年中行事といった日本人の儀式文化は、皇室の儀礼文化と密接な関わりを持っています。眞子さまと小室圭さんは今月26日に正式に結婚されることが決まりました。しかし、結納にあたる「納采の儀」や、天皇皇后両陛下に宮殿でお別れのあいさつをする「朝見の儀」など、女性皇族の結婚関連儀式はすべて行われず、皇室を離れる際の一時金も支給されないことが公表されました。これは眞子さまの希望によるもので、戦後初めての異例の結婚となります。わたしは、このことに深い懸念を抱いています。その理由は2つあります。1つは、儀式を中心とする皇室の権威が揺らぐこと、もう1つは国民の冠婚葬祭に与える心理的影響です。

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正直な思いを述べました

 

お二人が一切の儀式をされずに結婚されて渡米してしまえば、多くの国民は「儀式なんて面倒なものをしない方が自由でコスパがいい」「今さら儀式なんか時代遅れだ」と考えるのではないでしょうか。そうすれば、結婚式を挙げることに否定的な若者も増えていくように思えてなりません。しかし、結婚式をして初めて夫婦が誕生するのであり、そのことは天皇家のルーツとされる神話が書かれている『古事記』のイザナギイザナミのエピソードにも明らかです。お二人の脱・儀式婚がその神話と伝統を壊してしまうのは、まことに残念でなりません。また、わたしが敬愛する渡部昇一先生が「結婚式をやらずに籍を入れるだけの夫婦や、家族を呼ばないで友達で集まって会をする夫婦もいる。しかし、できるならば、少なくとも両家の家族親類が集まった披露宴はするべきである。ささやかな披露宴もできないような結婚をしてはいけないと思う」と言われたことを思い出します。

f:id:shins2m:20211011131907j:plain人生の門出を祝福したい!

 

しかし、わたしはお二人の結婚に反対しているのではありません。逆です。若いお二人の門出を祝福しています。このまま法を犯したわけでもない若者に「いじめ」そのものである無法なバッシングを続け、そのままお二人が日本を脱出してしまえば、日本人の1人として恥ずかしいと思います。思えば、お二人が新生活を始めるニューヨークは「自由」の象徴です。タイタニック号に乗った移民たちも、自由を求めてニューヨークを目指しました。眞子さまが民間人になられたら、以後の誹謗中傷はすべて告訴の対象になります。国際弁護士として、小室圭さんは誹謗中傷をやめないテレビ局や週刊誌などのマスコミを片っ端から告訴するといいと思います。愛する妻を守るために、プロとして堂々と訴訟活動を行い、漢になっていただきたい!

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なんとか結婚式を挙げていただきたい!

 

でも、正直な思いを述べれば、お二人が自由の聖地であるニューヨークに行く前に、わたしはお二人に結婚式を挙げていただきたいです。十二単は着なくても、眞子さまにウエディングドレスを着ていただきたい。冠婚葬祭業界が一丸となって、お二人に結婚式をプレゼントさせていただいてはどうでしょうか? 眞子さまが民間人となった時点で、東京で結婚式を挙げてから渡米していただくことはできないでしょうか。じつは、そのアイデアを業界内の会議でも提言しています。時間がないので急ぐ必要がありますが・・・・・・。いかなる理由があるにせよ、わたしは、結婚するすべての若者には結婚式を挙げていただきたいと心から願っています。その理由はブライダル業界のためでも、個々の結婚式場やホテルのためでもなく、新郎新婦自身が幸せになるためです。

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結婚は最高の平和である!

 

結婚は最高の平和です。拙著『結魂論〜なぜ人は結婚するのか』(成甲書房)にも書きましたが、結婚には、異なるものと結びつく途方もなく巨大な力が働いています。同様に、戦争が起こるときにも、異なるものを破壊しようとする宇宙の力が働いています。つまり、「結婚」とは友好の王であり、「戦争」とは敵対の王なのです。人と人とがいがみ合う、それが発展すれば喧嘩になり、それぞれ仲間を集めて抗争となり、さらには9・11同時多発テロのような悲劇を引き起こし、最終的には戦争へと至ってしまう。

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最後は、もちろん一同礼!

 

逆に、まったくの赤の他人同士であるのもかかわらず、人と人とが認め合い、愛し合い、ともに人生を歩んでいくことを誓い合う結婚とは究極の平和であると言えないでしょうか。結婚は最高に平和な「出来事」であり、「戦争」に対して唯一の反対概念になるのです。サンレーグループでは、日々お世話させていただくすべての結婚式が「世界平和」という崇高な理念を実現する営みであるととらえ、心に届くケアと心に響くサービスに努めたいものです。最後に「どうか、高い志をもって、この素晴らしい仕事に取り組んで下さい!」と述べて、わたしは社長訓話を終えました。オンラインを通じて熱心に聴いていた人びとの目がマスクの上でキラキラと輝いていました。なお、訓話後は、アクリル板を立てて、昼食会を開きました。

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いただきます!

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昼食会のようす

 

2021年10月11日 一条真也