死を乗り越えるモーパッサンの言葉

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人生は山登りのようなものさ。
登っている間は人は頂上を見ている。
そして自分を幸せと感じるが、上に着いたが最後、たちまち下りが見える。終わりが、死である終わりが、見える。(モーパッサン

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、フランスの小説家であるギ・ド・モーパッサン(1850年~1893年)の言葉です。モーパッサンはフランスの自然主義の作家、劇作家、詩人。『女の一生』などの長編6篇、『脂肪の塊』などの短篇約260篇、他を遺しました。20世紀初期の日本の作家たちにも強い影響を与えています。


モーパッサンが言うように、わたしたちは確かに幸福を目指しています。それを手にした瞬間、目の前に現れるのは下り坂かもしれません。でも、果たしてモーパッサンがいうように下りしかないことは不幸なのでしょうか。わたしはそうは思いません。彼のいうように、山登りにたとえるなら、余裕が出てくる下りだからこそ、登りでは気づかなかった路傍の小さな花や、景色、また同じ登山者たちの姿なども目に入るのではないでしょうか。

 

 

ゆっくりと山そのものを愉しめる下り坂は、一生懸命、登ったものだけがその恩恵にあずかれます。いわば下り道はご褒美なのです。高齢者たちと若者を比べるとき、高齢者の可能性は低いかもしれませんが、不安は少ないでしょう。逆に若者はなんにでもなれる可能性は無限ですが。どうなるだろうという将来への不安がいっぱいです。

 

 

でも、上る道があるから、下る道があるのです。登っているときには、頂上にどんな世界があるのかとわくわくします。そして下り坂は同じ道を歩けるという安心感があります。人生はいやでも前向きにとれることができるのです。何事も陽にとらえて、前向きに生きていきたいものですね。なお、このモーパッサンの言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。

 

 

2021年10月9日 一条真也