敬老の日

一条真也です。
9月20日(月)は彼岸入りです。そして、「敬老の日」でもあります。この日の午後、わたしと妻と長女の3人で実家を訪問します。もちろん全員がワクチン2回接種済みです。今回は長女から祖父母(わたしの両親)に大切な報告があるのですが、きっと喜んでくれると思います。

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ヤフーニュースより

 

19日の読売新聞オンラインに、「65歳以上の高齢者、世界最高の29%…就業者に占める割合も過去最高13・6%」という見出しの記事が出ました。総務省は「敬老の日」に合わせて、65歳以上の高齢者の推計人口(9月15日現在)を発表。高齢者は前年比22万人増の3640万人、総人口に占める割合は同0・3ポイント上昇して29・1%となり、いずれも過去最高を更新しています。働く人全体に占める高齢者の割合も過去最高となっており、政府は高齢者の就労環境の整備を進めているといいます。

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ヤフーニュースより

 

厚生労働省によれば、今月1日の時点で、全国で100歳以上の高齢者が8万6510人でした。去年より6060人増え、これまでで最も多くなっています。このうち女性が7万6450人で、9割近くを占めています。国内最高齢は福岡市に住む田中カ子さんで、1903年・明治36年生まれの118歳。100歳以上の人数は51年連続で過去最多を更新しており、初めて1万人を超えた1998年から比べて8倍以上に増えています。

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ヤフーニュースより

 

そんな中、超高齢社会なのに、生きがいや健康づくりを目的に地域で活動する「老人クラブ」は細っているそうです。「西日本新聞」の報道によれば、“発祥”とされる福岡市の会員数はピーク時から半数近く減り、全国でも同傾向だとか。働く高齢者が増えているのが背景にあります。新型コロナウイルスの影響でさらに縮小している一方で、地域防災や孤立を防ぐために欠かせないと熱心な地域もあります。高齢者のコミュニティを構築するには「リアルな場」づくりが重要です。わが社は、紫雲閣三礼庵天道館日王の湯といった施設を「人は老いるほど豊かになる」老福社会を実現するコミュニティホールとして位置づけていますが、今後はそれら諸施設で展開される活動が老人クラブの代替機能を果たすような気がします。

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「読売新聞オンライン」より

「人は老いるほど豊かになる」といえば、拙著『老福論〜人は老いるほど豊かになる』(成甲書房)が旅行誌の名門である「旅行読売」最新号(2021年10月号)で紹介されました。同誌に掲載された「【コラム/旅へ。】日本地図を作った伊能忠敬」という三沢明彦氏の文章の中に以下のように書かれています。
「帰りの車中、老いの指南書をめくると、歴史に名を遺した賢人たちも揺れていた。哲学者プラトンは『経験知を生かせ』と温かいが、アリストテレスは『自己中心的になり、早く引退せよ』と厳しい。迷いが深まる中で、こんな言葉に目が留まった。『老人は孤独なのではなく、毅然としている。無力なのではなく、穏やか。頭の回転が鈍いのではなく、思慮深いのだ』(一条真也老福論』より)。そう置き換えてもらえば、少しは前向きになれる。老いと向き合い、つまらないプライドから自由になれば、険しい山は無理でも、なだらかな丘ぐらいは、とも思えてくる」

老福論』(成甲書房)

 

「老い」というものを陽にとらえた『老福論』の言葉を紹介していただき嬉しい限りですが、何よりもプラトンアリストテレスの言葉と一緒に紹介されたことに驚きました。なんだか世界三大哲学者の一人になったような気分で、まことに愉快であります。(笑)みなさんも、「敬老の日」には御両親やおじいちゃん、おばあちゃんを訪ねてあげて下さい。新型コロナウイルスの感染が怖い場合は、ぜひ電話を掛けてあげて下さい。メールやLINEもいいですが、やはり子や孫の声を聴くのは嬉しいものですよ。

 

2021年9月20日 一条真也