死を乗り越えるラ・ロシュフーコーの言葉

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一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、ラ・ロシュフーコー(1613年~1680年)の言葉です。ラ・ロシュフーコーは、フランスの貴族、モラリスト文学者。名門貴族の生まれであり、多くの戦いに参加した後、いわゆる『箴言集』を執筆しました。

 

 

ラ・ロシュフーコーは、40代半ばであった1659年頃から主著『考察あるいは教訓的格言・箴言』の執筆を始めたとされています。同書は単に『箴言集』とも呼ばれますが、そこには辛辣な人間観察が背景にあります。これは、カトリック教会の聖職者にしてフランス王国の政治家であったリシュリューと対立して受けた二年間の謹慎処分、あるいは「フロンドの乱」でマザランと対立したことなどで味わった苦難などが反映されていると見られています。

 

 

そのラ・ロシュフーコーの『箴言集』の中で、わたしがこれまで多くの著書で紹介してきた言葉があります。それがこの「太陽と死は直視できない」です。これほど、わたしの想像力を刺激した言葉はありません。たしかに、太陽と死は直接見ることができません。でも、間接的になら見ることはできます。太陽はサングラスをかければ見ることはできます。そして、死にもサングラスのような存在があるのです。おわかりですか。それは「愛」です。愛は死を見るためのサングラスとなるのです。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。ご一読下されば、幸いです。

 

 

2021年7月25日 一条真也