カズレーザーに共感!

一条真也です。
東京五輪開会式で楽曲を担当するチームの一員に任命されたミュージシャン小山田圭吾氏の過去の「いじめ自慢」発言が多方面から問題視されています。ブログ「『高い倫理観』について」でわたしの見解は示しましたが、芸能人などがこの問題にコメントしてネットは祭り状態になっています。その中で、タレントのカズレーザーメイプル超合金)のコメントには唸りました。

f:id:shins2m:20210718172925j:plainヤフーニュースより

 

18日放送のTBS系「サンデー・ジャポン」(日曜・午前9時54分)で、小山田問題について報じましたが、カズレーザーは、組織委が小山田の続投を明言したことに「再挑戦が出来るという社会が望ましいというのは前提であるんですけど」と前置きした上で、「この方のことを結構調べたら、いじめのことは多く出てくるんですけど、それ以外の例えばいじめを悔いているので今は反省、償いのためにこういう活動をしていますという情報はあまり見つからなかった」とその後に反省の言葉や行動が見られなかったと指摘しました。非常に的確な指摘ですね。

 

続けて、カズレーザーは「再チャレンジというのは過去のマイナスを埋め合わせ、プラスマイナスをゼロにすることを認めるということなので。批判と擁護の声で批判の声が大きというのは、プラスマイナスのマイナスの埋め合わせをしていなかったことなので、これは再チャレンジとかじゃなくて批判されて当たり前の自業自得の話だと思う」と話し、「もっとちゃんと過去のことを悔いて。そのために、こんなことをしていますというのはやっていると思うんですけど、それをアピールして。それを納得すれば丸川さんもフォローすることも出来るし。それをしないで批判されるのは当たり前のことですよ。過去が叩かれているわけじゃないです」と反省の行動が見られないのは残念と述べましたが、わたしは思わず膝を叩きました。


そして、カズレーザーは「(償いを)やっているのだとすれば、もっとこういうことをしていましたとアピールすべきだと思う。だから辞任せずに責任ある職務を全うしますと言うべきだと思う。それが言えないんだとしたら、それが疑われても仕方がないんじゃないかと思います」と語りました。わたしは、彼のコメントに「うーん」と唸りました。深くて、重いです。「過去が叩かれているわけじゃないです」というのは、まったくその通り! わたしは、カズレーザーのコメントに強く共感しました。

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ヤフーニュースより

 

これに比べれば、小山田氏への批判記事に対して、「じゃあ、清廉潔白な人っていますか?って思っちゃう」と発言したEXIT・りんたろーのコメントは浅くて、軽いですね。彼は「そこから歩んできた27年とか40年の、この人の歩んできた道とか、後悔とか、成長とか、変化とかを全部なしにして、この行為だけをクローズアップして・・・。今を見ずに、過去の彼に対して石を投げるっていうのが正しいのかっていう疑問はありますね」と、「ABEMA Prime」で持論を述べましたが、その「今」が問題なのだということがわかっていない!


そして、りんたろーは「清廉潔白な人っていますか?」と言うけれども、それは程度の問題ではないですか! そりゃあ誰だって、意識する・意識しないに関わらず、いじめに加担した経験ぐらいあるとは思います。しかし、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」をも連想させるような犯罪レベルのいじめを経験した人は少ないですよ。EXITといえば、りんたろーの相方である兼近は森会長のセクハラ発言のときに森会長を擁護していましたが、つねに五輪開催を支持するのは所属の吉本興行の意向でしょうか?

f:id:shins2m:20210718173854j:plainヤフーニュースより 

 

小山田問題は、海外でも有力紙が報じています。小山田氏のいじめの内容があまりにも酷くて、日本のテレビなどでは詳しい紹介を自粛していますが、海外メディアはストレートに記載しています。英有力紙ガーディアン(電子版)は、「東京2020作曲家が、障害のあるクラスメートへのいじめについて謝罪」と題して、詳細に報道しました。また五輪組織委員会では、「Pig」問題など、差別的な問題で幹部が立て続けに辞任したとも伝えています。英デイリー・テレグラフ(電子版)も、「東京オリンピックの主催者は、小山田圭吾精神障害の同級生を虐待していると述べたインタビューが再浮上したにもかかわらず、開会式の作曲家として継続することを喜んでいると主張している」と、「Happy」のワードを使って、五輪組織委の姿勢を伝えています。小山田氏の起用が五輪組織委員会の意向となれば、国際社会での日本のイメージダウンは避けられないでしょう。

f:id:shins2m:20210718173744j:plainヤフーニュースより 

 

そんな中、18日、音楽雑誌「ロッキング・オン・ジャパン」を刊行するロッキング・オン社が公式サイトで、編集長名義で声明を発表しました。当該インタビューで編集長自身がインタビュアーを務めていたことを明かし、「そこでのインタビュアーとしての姿勢、それを掲載した編集長としての判断、その全ては、いじめという問題に対しての倫理観や真摯さに欠ける間違った行為であると思います。27年前の記事ですが、それはいつまでも読まれ続けるものであり、掲載責任者としての責任は、これからも問われ続け、それを引き受け続けなければならないものと考えています」と綴っています。続けて、「傷つけてしまった被害者の方およびご家族の皆様、記事を目にされて不快な思いをされた方々に深くお詫び申し上げます」と謝罪し、「犯した過ちを今一度深く反省し、二度とこうした間違った判断を繰り返すことなく、健全なメディア活動を目指し努力して参ります」と記し、「ロッキング・オン・ジャパン編集長 山崎洋一郎」と締めくくっています。さあ、「クイック・ジャパン」の太田出版はどうする? 


東京五輪の開会式まで、あと5日。この問題が、ただでさえ祝祭ムード・ゼロの東京五輪の開会式に大きなケチをつけたことは事実ですね。東京五輪を強行開催しようとしている人々も愚かな人選を恨んでいることでしょう。開会式の演出を担当した大手広告代理店の責任はあまりにも大きいと言えますね。最後に、わたしは、障がい者に対して犯罪まがいのいじめを行った人物が作曲した音楽を、東京五輪の開会式で天皇陛下に聴いていただきたくないです。

 

2021年7月18日 一条真也